横浜ベイスターズの2010ドラフト戦線

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横浜ベイスターズの2010年のシーズンとドラフトを振り返り、2011年のチーム状況と2011年のドラフト戦略を予想します。

2010年シーズン

2009年、横浜ベイスターズはセリーグの最下位に沈み、尾花新監督の下でチーム改造が望まれていた。その中で2009年ドラフトでは即戦力投手中心になるかと思われたが、1位で筒香嘉智選手を指名、3位以下でも安斉雄虎(向上高)、眞下貴之(東海大望洋)と高校生投手の指名が続き、これにより尾花監督による長期的な視野での建て直しの方針が見て取れた。

FAトレードでは清水直行、弥太郎、橋本将など投手、捕手の穴を埋めたほか、稲田、スレッジ、カスティーヨなど内外野に主軸を揃えて2010年シーズンに望みシーズン当初は5割を維持するものの、交流戦で失速していった。吉見祐治投手を放出し、ソフトバンクから井手正太郎選手を獲得、ハーパー選手を獲得するなどてこ入れを図ったもののチームは好転することなく、シーズンオフにはオーナー企業のTBSがチームの身売りを検討するなど先の見えない状況に陥りました。

ただし、中継ぎで牛田成樹投手が好投を見せ、抑えの山口俊が投球に幅が広がり安定感が増してきたほか、先発でも2009年ドラフト2位の加賀繁投手は成績こそ3勝12敗ですがシーズンを通して活躍し内容的には防御率3.66でセリーグ10位の成績を残しました。内野手では遊撃手の石川雄洋が150安打を超すヒット放ち、藤田も規定打席には達しなかったが3割を超える打率を残しました。またシーズン終盤に、2007年1位の田中健二朗投手や2010年4位の眞下貴之投手が1軍で好投し、ファームでホームラン26本を放ちホームラン王となった2010年ドラフト1位・筒香嘉智選手が最終戦でプロ1号を記録、2006年ドラフト1位で投手から転向した北篤がファームで外野手として高い打率を残し1軍でも同じ感じでヒットを放つなど希望が光が見え始めた年でもあります。

 

2010年ドラフト戦線

このような状況での2010年ドラフト戦線は、一貫して投手指名を第一としていました。1月19日のスカウト会議ではまだ評価付けをしていないといいながらも、早大・大石達也、斎藤佑樹、中央大・沢村拓一などの名前が挙がるほか、地元密着球団を目指して東海大相模・一二三慎太、法大・加賀美希昇の名前が挙がっていました。チーム状況が悪くなった夏には左腕不足が指摘され、大学日本選手権で活躍した佛教大・大野雄大投手、都市対抗で活躍した榎田大樹投手などの名前も取り沙汰されました。しかし尾花監督の方針は初志貫徹、左右関係なく好投手を評価する方針で、ドラフト会議では早大・大石達也、JFE東日本・須田幸太、法大・加賀美希昇、東京ガス・榎田大樹、東洋大・乾真大、七十七銀行・小林敦、大阪ガス・岩見優輝などをリストアップして望んだものと見られます。

 

2010年ドラフト会議

 

ドラフト会議ではドラフト1位で大石達也投手を指名、縁が無く抽選で外すと他球団が榎田大樹、加賀美希昇を指名してくると読み、JFE東日本の須田幸太を指名しました。須田幸太はここで指名しなければおそらくオリックスが指名していたと思われます。
イの一番で指名できるドラフト2位は当初は岩見優輝や乾真大など左腕投手の指名の予定だったかと思いますが、加賀美希昇が指名されていなかったためうれしい誤算となりました。ただし上位候補の左腕投手は他球団の2位3位で指名され、3位では荒波翔を繰り上げで指名したものと見られます。4位以降は大院大・小林 寛、TDK・大原慎司、大商大・福山博之などさすがに今年は即戦力投手を集めました。
明石レッドソルジャーズ・深江真登、四国九州アイランドリーグ・安田圭佑やを下位か育成枠でリストアップしていたようですが、荒波翔選手を獲得できたこと、深江選手はオリックスが5位で、安田選手は福岡ソフトバンクが育成1位で指名されたことから指名できませんでした。

 

チームの変化と2011年の見通し

筒香嘉智が期待されているものの内川聖一が福岡ソフトバンクへFA移籍し、野手については戦力ダウンは否めません。しかし、チームの穴はレギュラーを狙う選手にはチャンスでありチームの活性化が図られると思われます。3位の荒波翔にはそれほど高い期待はかけられないものの、FAで獲得した森本稀哲外野手、2006年ドラフト1位の北篤、2008年ドラフト1位の松本啓二郎などで外野手を競争が繰り広げられ、結果として戦力アップに繋がるものと思われます。また楽天から渡辺直人選手などチームをリードできる選手を獲得し、稲田選手と共に石川・藤田を引っ張るリーダーとしての活躍が期待できます。
ドラフトで指名した須田幸太投手は加賀投手と同じようにローテーション投手として活躍できる安定感と社会人で磨かれた技術があります。2位加賀美希昇は150kmの速球があり素質は素晴らしいですが、まだムラが大きいため大きく育てるために育成期間が必要でしょう。4位の小林 寛は31勝を挙げているスタミナ右腕で148kmをマークします。ただし全国の舞台では打ち込まれるなどもう少しレベルアップが必要と思われます。5位の福山博之投手は大学から投手に転向した肩の若い投手で148kmの速球はこれからも伸びそうな素材型選手、3年くらいは見たほうがよさそうです。大原慎司投手は短い期間でしか成績を残していないのでなんともいえませんが、何かクセ球などがあるのかもしれません。それが通用すると中継ぎ左腕として活躍できそうです。

 

2011年のドラフト戦略

2011年は村田修一選手のFA移籍の可能性が残っています。筒香選手の活躍次第では野手の指名を考慮に入れなければならないかもしれませんが、投手陣がまだまだ薄いのと、2010年と同じように大学生投手に素晴らしい投手がそろっているため、大学生投手中心となりそうです。なかでも東洋大・藤岡貴裕投手はプロでも10勝をマークできる安定感と球のキレ、フォーム、球威を持っている左腕で、リーグを代表する左腕エースとなる可能性を持っています。チーム状況としてもやはり左腕投手は必要で藤岡貴裕投手の1位指名の可能性が高いと思います。
2位以降は石川、藤田の後釜となる高校生の内野手・外野手、大学生内野手の指名がありそうです。

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