2015年ドラフト総決算~高校生編その2~

2013年秋の明治神宮大会、注目された3人の1年生がいた。そしてそれをスタンドで目にした選手がいた。

3人の1年生

白鴎大足利の大下誠一郎選手は福岡県出身、ボーイズの代表では世界大会優勝の投手だった。地元福岡のチームを中心に高校からスカウトされたものの、白鴎大足利の藤田監督は何度も足をはこび、その熱意に打たれて遠く関東に行くことを決めていた。行くからにはそのチームを甲子園に出場させたい、まだ甲子園未出場の白鴎大足利を主軸打者として関東大会で優勝に導きセンバツ出場を確実にして、その期待に早くも応えていた。

この大会では初戦で敗退したものの3番打者として大きくて速いスイングでタイムリーヒットを放つなど、非凡さを見せつけていた。

2人目は龍谷大平安・高橋奎二、1回戦・三重高校の初戦に先発を任されると6回途中まで3安打1失点に抑える好投を見せた。球速は130キロ後半だが大きなフォームから伸びるストレートは絶品で、降板後登板した2年生の中田竜次投手が2失点して5-4とギリギリの勝利となったことが、高橋投手のすごさを際立たせていた。

3人目は日本文理・星兼太、夏の甲子園を経験した星選手は今大会、外野手でスタメン出場すると、決勝の沖縄尚学戦では1番を打ち1回に先頭打者ホームランを放った。飯塚悟志が2本のホームランを放ち注目されたが、それに続く選手の位置に立った。

この大会には関東第一も出場している。関東第一は3番サードの伊藤雅人や7番ショートの五十嵐滉希、またリリーフでも阿部武士が1年生で出場し神宮球場でプレーしている。その姿をスタンドで見ていたのはオコエ瑠偉、元々プロを意識する事もなかったが、チームメイト、そして他の高校の1年生が活躍する方を見て意識が変わっていった。

 

春の王者

センバツ高校野球大会、この春になると2年生の選手が多く活躍するようになる。1回戦で智弁学園の4番を打ったのは2年生の廣岡大志だった。すでに今大会注目のスラッガーとなっていた岡本和真が3番を打ち、歩かされる可能性もある重要な役割を担った。この試合でも4打数2安打を記録し非凡さを見せていた。

智弁和歌山も山本龍河も初戦の明徳義塾戦で、プロ注目の岸潤一郎から延長12回に一時勝ち越しとなるホームランを放っていた。延長15回で敗れたものの智弁和歌山に山本ありを強烈に残した。日本文理の星は1番打者として6打数3安打を記録、こちらも初戦で敗れたが着実に成長した姿を見せていた。

桐生第一のエースは2年生の山田知輝がエースとして活躍する。1回戦で1失点完投勝利で勝ち上がると2回戦の広島新庄戦は延長15回を投げぬき1失点に抑え引き分け再試合となる。そして翌日行われた再試合では3安打完封勝利とさらに良いピッチングを見せた。準々決勝で敗れたが186cmの大型右腕の対するプロのスカウトの期待は確実に高まった。

この大会、決勝も2年生が主役となった。履正社はU15代表にも選ばれた溝田悠人投手と東海の怪腕として注目されていた永谷暢章、2年生の二人がチームを決勝に導いた。そして相手は高橋奎二、元氏玲仁とこちらも2年生が先発して決勝に勝ち進んできた。春の王者となったのは龍谷大平安だった。

 

2年の夏

夏、県岐阜商の高橋純平は球速を意識して「ピンチで力任せになっていた」と力に頼るピッチングとなり、岐阜大会準決勝で涙を飲んだ。試練の中にいた。

反対に吉田凌は圧巻のピッチングを見せる。神奈川大会決勝の向上高戦では9回2アウトまで3安打で20奪三振を記録、145キロ前後の速球と鋭いスライダーで大きな話題を呼んだ。そして甲子園でも小笠原慎之介や3年生の青島凌也佐藤雄偉知とともに140キロカルテットと注目された。しかし甲子園では盛岡大付の前に初戦で姿を消す。それでも小笠原は1回1/3を1安打3奪三振で自責点0、吉田は2回をノーヒット3奪三振無失点と好投を見せた。

2年生世代に新たな選手が登場する。近江の小川良憲、やや下がった位置から投げられる速球は145キロ、インコースにもアウトコースにも重い球を投じ、プロのスカウトも驚きのピッチングを見せた。敦賀気比も2年生エースの平沼翔太投手が活躍を見せる。140キロ中盤の速球と鋭いスライダーで3試合で完投勝利しベスト4まで進出した。打撃でも活躍し注目されたがこれが平沼選手を悩ませることになる。

日本文理の星兼太はプロ注目の大分・佐野皓大投手から4打数3安打でホームランも放つと、東邦の1年生・藤嶋健人、富山商の森田駿哉を攻略する。ベスト4まで進出したチームで不動の1番打者となっていた。

大阪桐蔭では3年生の主力に交じり青柳昴樹が主軸を打つと、福田光輝はショートで再三の好プレーを見せた。甲子園での優勝は、追う立場から追われる立場への転換点となる。プロのスカウトが追い、同学年の高校生が二人を越えようと追いかける。

こうして秋の新チームから最後の高校野球での戦いとドラフト会議への1年が始まった。


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