12球団の指名評価

2016年ドラフトニュース

 12球団の指名について評価をしてみました。

2016年ドラフト会議の12球団の指名評価

 点数指名選手総評
オリックス100①山岡泰輔 投 東京ガス
②黒木優太 投 立正大
③岡崎 大輔 内 花咲徳栄
④山本由伸 投 都城
⑤小林慶祐 投 日本生命
⑥山崎颯一郎 投 敦賀気比
⑦飯田大祐 捕 Honda鈴鹿
⑧沢田圭佑 投 立教大
⑨根本薫 投 霞ケ浦
育①張 奕外 日本経済大
育②榊原翼投 浦和学院
育③神戸文也投 立正大
育④坂本一将内 BC・石川
育⑤中道勝士捕 明治大

 目玉選手の中で確実に獲得できる山岡投手を指名し見事獲得した。田中投手のような凄さがないものの、先発して10勝前後を勝つ力があり、リリーフとしても期待できる。
 黒木投手も先発で行けそうな投手で、東都2部で活躍した原樹理投手よりも大事に使わえており故障もなく勝てる。小林投手もやや粗さもあるがはまった時の威力は吉田一将投手くらいの迫力がある。沢田投手も実績十分だしリリーフも可能で大学時代に投げ続けた疲労を抜いて勢いのある球を取り戻したい。

 岡崎、山本、山崎は将来性が高く非常に期待できる。山本投手はいきなり球威のある球を見せつけるかもしれない。育成枠も含めて本当に楽しみな選手がそろった。

中日90①柳裕也 投 明治大
②京田陽太 内 日本大
③石垣雅海 内 酒田南
④笠原祥太郎 投 新潟医療福祉大
⑤藤嶋健人 投 東邦高
⑥丸山泰資 投 東海大
育①木下雄介 投 四国・徳島

 大学BIG3のなかでカーブ得意とした投手を獲得、力的には田中正義投手に及ばないものの、得意な球団にはとことん勝ち続けそうな投手だと思う。
 京田陽太選手もショートでは現在のレギュラーが必死にならないと守備では追いつかないクラス。京田選手も足を活かした打撃でなくしっかりとスイングをしてプロでは主軸を打ってほしい。
 笠原投手はスライダーが良く力のある球を投げる。三振を取れる選手でまずはリリーフからか。丸山選手は故障前も150キロの速球とスライダーを持っていたがやや課題があった投手、復活しさらに成長が必要、ただし力は十分ある。

 石垣選手、藤嶋選手は高い素質を持っている。石垣選手は将来は森野選手のような内野手になりそう。全体的に補強ポイントをしっかりと埋めた形となり、来年を目指すチームになりそうだ。

東北楽天80①藤平尚真 投 横浜高
②池田隆英 投 創価大
③田中和基 外 立教大
④菅原秀 投 大阪体育大
⑤森原康平 投 新日鐵住金広畑
⑥鶴田圭祐 投 帝京大準硬
⑦野元浩輝 投 佐世保工
⑧石原彪 捕 京都翔英
⑨高梨雄平 投 JX-ENEOS
⑩西口直人 投 甲賀医療専門
育①千葉耕太 投 花巻東
育②南要輔 内 明星大
育③向谷拓巳 内 兵庫ブルーサンダーズ
育④木村敏靖 投 履正社医療専門

 リーグ5位だが目先にとらわれない形で指名を行った。藤平投手は意外だったが迷った中から選択となった。馬力では今年の候補では田中正義投手に次ぐと思う。まだ高めに浮く点や失点を抑えられない点など課題もあるが、いきなり150キロ後半を記録して話題を奪うかもしれない。
 池田投手は150キロでも押し込む力があり、三振など派手さはないが重さで打ち取っていくタイプ、森原投手は社会人屈指のパワー投手でリリーフでリーグトップクラスの抑えとなりそうだ。

 田中選手を始め鶴田投手、野元選手、石原選手など素質を持った選手を集め、育成でもかなり多くを獲得した。これらの選手をモノにするための組織づくりが重要となりそうだ。
 来年の成績の直接つながらないかもしれないしそれぞれ課題がある選手を指名した。答えは3年後といえる。

東京ヤクルト80①寺島成輝 投 履正社高
②星知弥 投 明治大
③梅野雄吾 投 九産大九産
④中尾輝 投 名古屋経済大
⑤古賀優大 捕 明徳義塾
⑥菊沢竜佑 投 相双リテック
⑦大村孟 捕 BC石川

 寺島投手の指名は会心の指名か、力のある球にコントロール、駆け引きなど1年目から十分勝負できる。田中投手、佐々木投手ほど確実に勝てるとは言えないが、シーズン後半にはローテーションで投げていそうだ。
 2位以下は将来を見据えた指名となった。星投手は150キロ中盤を記録するがすぐに10勝という事はなく、5勝10敗くらいの苦しみを経験するだろう、そこからの成長がポイントか。梅野投手は強気で150キロの速球はプロ向き、中尾投手も150キロ左腕と150キロがそろい踏み。速い球を活かせるようになるのに少し時間が必要。

 古賀選手は予定通りの指名だろう。全体的な投手不足を補えたとは言えないが将来的に楽しみな指名となった。

埼玉西武90 ①今井達也 投 作新学院高
②中塚駿太 投 白鴎大
③源田壮亮 内 トヨタ自動車
④鈴木将平 外 静岡高
⑤平井克典 投 Honda鈴鹿
⑥田村伊知郎 投 立教大

 甲子園優勝投手の指名となった。今井投手も高橋光成投手のように、体の芯の強さがあり、体はできていないが150キロをバンバン出せる稀有な素材の持ち主。1年目後半に出てくるかもしれないが5回程度を粘りながらという苦しいピッチングになるかもしれないが、3年後くらいには10勝を記録しているのではないかと思う。

中塚投手は156キロを記録する右腕で、徐々にピッチングができるようになっており、どんな変わり方をするか楽しみ。また課題の遊撃手に源田選手を加えた。派手なプレーで魅せる。打撃は9番を打たせて足を活かしたい。

 楽しみは鈴木将平選手、ライトのポジションを2年か3年で埋めてくれる選手だと思う。田村投手はリリーフとして起用したい。人数は少ないがポジション年代バランスの良い指名と評価したい。

阪神80①大山悠輔 内 白鴎大
②小野泰己 投 富士大
③才木浩人 投 須磨翔風
④浜地真澄 投 福岡大大濠
⑤糸原健斗 内 JX-ENEOS
⑥福永春吾 投 四国・徳島
⑦長坂拳弥 捕 東北福祉大
⑧藤谷洸介 投 パナソニック

 驚きの指名だったが2位大山で1位佐々木の獲得も可能だったと思う。昨年のドラフトで金本監督やスカウト陣が相当自信を深めているようだ。
 課題の内野手では京田選手など守備でプロレベルの選手よりは打撃も守備もプロで育ててという選手を選んだ。金本監督も来年は難しいかもしれないが3年と話している。

 小野投手は力のある投手だが、まだ大きな舞台の登板の経験が少ない。4年春はフォームで苦しむなど1年を通して成績を残すのは難しそうだが、3年後にローテで回ってくれそうだ。糸原選手はセカンド候補か。守備と足をアピールして安定感を見せたい。

 楽しみなのは才木投手と浜地投手、才木投手は昨年の望月投手よりも腕の振りの良さとキレのある球でファンの期待を浴びそうだ。

投手の補強ポイントは残ったものの内野手のポイントを重点的に埋めた。厳しいポジション争いになるだろう。

千葉ロッテ85×田中正義 投 創価大
①佐々木千隼 投 桜美林大
②酒居知史 投 大阪ガス
③島 孝明 投 東海大市原望洋
④土肥 星也 投 大阪ガス
⑤有吉優樹 投 九州三菱自動車
⑥種市篤暉 投 八戸工大一
⑦宗接唯人 捕 亜細亜大
育①安江嘉純 投 BC・石川
育②菅原祥太 外 日本ウェルネス大

 田中投手を外したが佐々木投手を見事に確保、2位の酒居投手、4位の土肥投手と投手陣の層は非常に厚くなった。ローテーションを1年間回せるくらい、1年目から期待できる。

 島投手、種市投手も素質十分で将来が本当に楽しみな逸材。

 2年間内野手の1位指名を続けたものの、右投手の軸で回るチームで右投手の指名が多くややバランスが悪い印象は受ける。このバランスが影響してくるか、注視したい。

横浜DeNA75×柳裕也 投 明治大
×佐々木千隼 投 桜美林大
①濱口遥大 投 神奈川大
②水野滉也 投 東海大北海道
③松尾大河 内 秀岳館
④京山将弥 投 近江高
⑤細川成也 外 明秀日立
⑥尾仲祐哉 投 広島経済大
⑦狩野行寿 内 平成国際大
⑧進藤拓也 投 JR東日本
⑨佐野恵太 内 明治大
育①笠井崇正 投 BC・信濃

 右の先発の軸が欲しかったが2人を逃した。軸となる選手はおらず、リリーフタイプの左の濱口投手と右の水野投手を指名、シーズン終盤に苦しんだリリーフ陣を厚くした印象。先発は山口投手の残留と外国人頼みか。ただし尾仲投手と進藤投手は楽しみな投手である。

 3位以降の選手は非常に楽しみで、松尾選手、細川選手は将来のチームを担う選手に育てたい。昨年の青柳選手、網谷選手などと競いたい。狩野選手、佐野選手と内野陣を補強ポイントとし、石川、白崎、山下、柴田も含めた競争を激化させる。

 豊作ドラフトでやや曇りがちな印象はぬぐえないが、活躍に期待したい。

ソフトバンク100①田中正義 投 創価大
②古谷優人 投 江陵高
③九鬼 隆平 捕 秀岳館
④三森大貴 内 青森山田
育①大本将吾 外 帝京五
育②長谷川宙輝 投 聖徳学園
育③田城飛翔 外 八戸学院光星
育④森山孔介 内 藤沢翔陵
育⑤清水陸哉 外 京都国際高
育⑥松本龍憲 内 崇徳高

 先発のエースが一人獲得できた。これだけで十分で、日本ハムの大谷投手と互角の登板ができるだろう。

 2位でも154キロ左腕の古谷投手、高校代表の強肩捕手、そして素質十分の三森選手を指名、三森選手は松田2世になれる存在だと思う。

 育成でも特徴のある選手を次々と指名、他球団が大学で見たいと思った選手をどんどん指名し、悔しがっているのではないかと思う。

読売75×田中正義 投 創価大
×佐々木千隼 投 桜美林大
①吉川尚輝 内 中京学院大
②畠 世周 投 近畿大
③谷岡 竜平 投 東芝
④池田駿 投 ヤマハ
⑤高田萌生 投 創志学園
⑥大江竜聖 投 二松学舎大付
⑦廖任磊 投 岡山共生卒
育①高井俊 投 BC新潟
育②加藤脩平 外 磐田東
育③山川和大 投 兵庫ブルーサンダーズ
育④坂本工宜 投 関学大準硬
育⑤松原聖弥 外 明星大
育⑥高山竜太朗 捕 九産大
育⑦堀岡隼人 投 青森山田
育⑧松澤裕介 外 四国・香川

 久々の競合参戦も田中、佐々木を逃し、投手の軸は獲得できなかった。

 ただし課題の一つだった内野手の層は吉川選手を埋めて厚くなった。坂本選手の壁があり、またスローイングにやや課題があるためセカンドでの起用が有力、昨年5位の期待の山本選手とセカンドを争い、長い間期待されながら結果を出せていない選手たちを一掃する力がある。

 谷岡投手、池田投手というようなローテーションに入るかな?という選手をそろえたが、1年目に苦しむと埋もれてしまう可能性もある。

 高田投手、大江投手は楽しみな素材で育てたい。先発投手と長打力のある選手の獲得は来年にお預けとなった。

日本ハム85×田中正義 投 創価大
×佐々木千隼 投 桜美林大
①堀 瑞輝 投 広島新庄
②石井一成 内 早稲田大
③高良一輝 投 九産大
④森山恵佑 外 専修大
⑤高山優希 投 大阪桐蔭
⑥山口裕次郎 投 履正社
⑦郡拓也 捕 帝京高
⑧玉井大翔 投 かずさマジック
⑨今井順之助 内 中京高

  田中、佐々木を外し不運の時の日本ハムの指名となった。しかし堀投手、石井選手、高良選手の指名は他の指名を成功させた球団と比べてもそれほど悪くない。高良投手はローテーションに1枚かんでくるかもしれない。

長打力のある森山選手に150キロ左腕の高山投手、山口投手、郡選手、今井選手と各ポジションで素質ある選手を獲得し、まずはファームに宝がそろう状態となった。そこから出てくる選手を楽しみに待つことができる。

 2人を外したチームのなかでは最も良かったと思う。田中投手を獲得したソフトバンクには来年は苦しみそうだが。

広島東洋80×田中正義 投 創価大
×佐々木千隼 投 桜美林大
①加藤拓也 投 慶応大
②高橋昂也 投 花咲徳栄高
③床田寛樹 投 中部学院大
④坂倉将吾 捕 日大三
⑤アドゥワ誠 投 松山誠陵
⑥長井良太 投 つくば秀英

 田中投手、佐々木投手を外し先発の右の柱の獲得はできなかった。

 その中で力のある加藤投手を獲得したが、加藤投手は大学時代に投げ続けた疲れと、パワーピッチングから変化球を駆使したピッチングにシフトチェンジをする過程にあり、1年目から大きくは期待しない方が良いか。

 高橋投手、床田投手、板倉投手は楽しみな素材で、高橋投手はU18の韓国戦を見ると、高い確率で3年後にはローテ入りしているかもしれない。肘や腰など故障を減らすことがプロで活躍するカギになる。アドゥワ投手と長井投手も素質十分も0か100か選手、ぜひ育てたい。

 現有戦力の野手は比較的若く黄金時代が少し続きそうで選手の数は少なくなった。ただ黒田投手も抜け、ジョンソン・野村がずっと勝てる投手かというと不安もある。野手がそろっている間に投手陣を補強したい。

総評

 今年は先発投手に素材が集まり、その中で狙った選手を獲得できたは満足だろう。ただしその中でも田中投手は頭一つ抜けていた。その意味でソフトバンクは非常に素晴らしいドラフトとなった。オリックスは数をそろえベースを作った。山岡投手は投手陣の柱になる可能性も十分あり期待される。

 中日、埼玉西武は今年の有力投手をきっちり獲得し、補強ポイントや補強のバランスが良いと感じ90点となった。千葉ロッテは佐々木投手を確保し、酒居投手など即戦力投手を獲得したが全体としてはバランスが悪く、北海道日本ハムは2人を外したにも関わらず持ち直した指名となったとみる。

ここまでは個人的に、納得のドラフトとなったと思う。

80点の東京ヤクルトと東北楽天、阪神はそれぞれ狙った選手を獲得できたものの、2位以降は成功すれば楽しみだが課題が多くリスクも高い選手が多い。そういう選手も必要だと思うが、そういう選手が多いと逆に気になる。スカウトの目を信じ成功を信じるという事だろう。

広島は2人外し、1年目から活躍できる先発右腕を獲得できずややがっかりというところか。現有戦力が高いので少人数も分かるが、ファンとしてもやや残念なドラフトとなった。

巨人と横浜DeNAは先発の軸を獲得できず、やや中途半端なドラフトになった印象。濱口投手も吉川選手も素晴らしい選手で戦力となってくれそうだが、チームを大きく変える存在かというとそこまではいかない印象。中位から下位で楽しみな高校生を獲得したが、物足りなさの残るドラフトとなった。

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コメント

  1. ドラフト会議の評価と結果いつも逆になるケースが多すぎる
    一般的な評価じゃ面白くないからわざとこじつけ評価している気がする
    特にオリックスは評価がいつも高いが結果は最悪

  2. 「ドラフト時点での評価」と「数年後の評価(結果)」はそもそも全くの別物だと思っておけばいいんじゃないかと思います。
    よく挙がる例ですが、阪神は98年に高校生の藤川球児を1位指名しています。当時暗黒期だった阪神のチーム状況を考えれば、即戦力にならない素材型高校生投手の1位指名は決して高く評価できるものではないはずです。
    しかし、現在の結果から見れば国内トップクラスの抑えとして活躍した藤川球児の獲得は成功だったと言えるでしょう。
    このように「指名直後の評価」と「数年後の評価」は全く別物であることがわかるはずで、どちらが無意味だなんてことは無いですね。

  3. ドラフト直後の評価が一番面白い。自分が思い描いていたチーム像とのギャップがあるが、ファン目線が正しいこともある。自分は楽天ファンだが1位と2位は文句なし(1位は佐々木でいってほしかったが、結果的に藤平で文句なし)。しかし、3位の田中をなぜここで指名する必要があったのかが全く理解できない。左腕不足なので、3位4位は菅原・中尾(左)あるいは制球力のある京山を加えて、菅原・京山(制球タイプ)という組み合わせではダメだったのか?田中の評価が極めて高かったとしか考えられないが、同じ立大の佐藤を下位指名するのではダメだったのか。この部分こそ、数年後に結果がでるだろう。

  4. ドラフトを評論家風の人気投票的な評価だけで判断するのであれば、全国区で活躍した選手を沢山取ったチームが評価される。それでは、地方の無名選手にスカウトが惚れて、通い詰めて指名する醍醐味なんてない。評判倒れの人気選手だって過去に沢山いる。
    ただし、ファンからすれば、自分が応援するチームがドラフトで獲得した選手達に対して、どのような評価
    がされているのか気になるのも分かる。評価を楽しみつつも、実際は今の評価なんて意味がないことくらいみんな分かっているんではないか。

  5. 今現在の評価程無意味や馬鹿馬鹿しいものはないと思うんですがそれは・・・
    今現在の評価で言うなら田中正義取ったソフトバンクやオリックスがマイナスだな

  6. 「1年後の評価」なんてバカバカしい。天気予報の再放送みたいだ。
    いま、現時点での評価を聞いて楽しむのが、ドラフトの醍醐味。何年か先の評価など無意味。
     日ハムは山口が入団拒否しそう。85点からマイナスになるんでしょう。

  7. 確かにアマ時代での採点ですが、
    1年後の評価をしてほしいです。