横浜DeNA・中畑監督がキャンプに訪れた加藤良三コミッショナーに、ドラフト会議の完全ウェーバー制導入を要望した。
中畑監督は「何のために作ったのかというところに立ち返った方がいい。弱いチームから指名していかないと12球団の戦力は均等にならない」と主張し、ドラフト会議の意味を強調した。それは5年連続最下位の横浜DeNAの監督をしてみて、他球団との戦力差をなかなか埋められないという状況を踏まえたものもあるだろう。
セリーグではここ7年間、巨人と中日の2球団しか優勝しておらず、残りの4球団はCS争いを繰り広げる状態となっている。広島は15年間Bクラス、横浜DeNAは5年間連続、過去10年で8度の最下位となり、戦力が不均衡な状態といわざるを得ない状態となっている。
優勝の望みが早い時期で消滅してしまって観客動員数が減ったり、また優勝するチームでも、中日が2010年、2011年に連覇したにもかかわらずに観客動員数が減少するなど、優勝がマンネリ化するといったような状況も生まれている。
中畑監督は「野球が活性化されれば、日本も元気になる。野球界は常に主役でいて欲しいからね」と話し、横浜DeNAの1球団の問題ではなく野球界全体としての意見であることを強調した。
また、ポスティングによるメジャーリーグ移籍についても、現在は球団に容認するかしないかが委ねられており、「ルールが無いから、どっちが悪いってことになる。ファンが、何で決まりが無いの?と聞きたくなるものが多すぎる。これが野球離れにつながってしまう」と話した。
ポスティングについてはメジャー側からも課題の多い制度として難色を示され始めており、ドラフト会議の制度とFA期間の短縮といった問題は、まだまだ課題が多いといえる。
「弱いチームから指名権を得て、(希望選手を)一本釣りしないと12球団均等の戦力はあり得ない。それがドラフトの本来あるべき姿じゃないですか、という話をさせていただきました」。加藤コミッショナーは「メジャーはそうですね」などと答えたという。もちろん、5年連続最下位の自軍を有利にしたいというケチな考えではない。「野球が活性化されれば、日本も元気になる。野球界は常に主役でいてほしいからね」という思いが根底にある。
中畑監督は、現役時代も労組日本プロ野球選手会の初代会長を務め、球界全体の発展を視野に行動してきた。「オレは選手会をやってきたからうるさいのよ」。ドラフト以外にもアマチュアから直接メジャー入りを目指す際の規定があいまいなこと、球団ごとに容認基準が違うポスティングシステムにも異論を持つ。「ルールがないから、どっちが悪いっていう話が出る。ファンが何で決まりがないの? と聞きたくなるものが多すぎる。これが野球離れにつながってしまう」。
「何のために作ったのかというところに立ち返った方がいい。弱いチームから指名していかないと12球団の戦力は均等にならない」。最下位チームの指揮官だから言うのではない。プロ野球選手会の初代会長として黙っていられなかったようだ。
加藤コミッショナーは「メジャーは完全ウエーバーだよね」と反応していたという。果たしてキヨシの熱い思いは届いたのだろうか。
コメント
野球界に身を置くからこそ客観的に見れない中畑監督には監督業に専念して欲しい。
現役時代、技術ではなくムードメーカーとしてチームを盛り上げていた姿が好きでファンでしたが、コーチとして、解説として失格なのは多くの人がご存じの通り。
ドラフトに問題点があるのは事実ですが、数々の問題を考慮しつつ現在の形になっていることを理解出来ないようではドラフト改革を語っても説得力がありません。
結論から言えば、
完全ウェーバーを望むファンは結構多い。
↓
メジャーをモデルとすれば、同時に5年程度でのFAがセットとなる。
↓
これ以上のFA短縮を望むファンは少ない。
↓
現状維持。
ではないでしょうか。
他にも現在の3位争いだけでもおかしなことになっているのに、最下位争いが始まるのは見ていられません。
結局、現行制度を少しずつ修正していくことが、ファン、選手、球団にとってバランスの良いものなのだと思います。
現実的な修正案なら、
①2巡目を下位3球団のみに与える
②外れ1位はウェーバー方式
などがあると思いますので検討して欲しいです。
DeNAが弱小球団なのは、ドラフト制度だけの問題ではないのでは?