横浜DeNAはドラフト会議で、即戦力の遊撃手として日本新薬の倉本寿彦選手を指名候補に挙げているようだ。
社会人屈指の遊撃手
倉本寿彦選手は創価大時代から大学NO1の遊撃手として守備力を高く評価されていた。しかし打撃に関してはまだ力が足りないといった評価もあった。しかし、日本新薬に進んで2年目の今年は、都市対抗の新日鐵住金東海REX戦で2安打2打点を記録、また秋の日本選手権予選では新日鐵住金広畑戦で2試合連発となるホームランを放つと、5打数5安打3打点の活躍を見せた。
侍ジャパン社会人代表に選出されて出場したアジア大会では、東京ガスの遠藤一星選手に遊撃手を奪われる試合もあったが、準決勝の台湾戦では1番遊撃手として出場、5打数1安打に終わったが2打点を挙げている。
課題の遊撃手
横浜DeNAは、石川選手、梶谷選手、藤田選手が二遊間のポジションを争っていたものの、石川選手はスローイング、梶谷選手は安定感、藤田選手は打撃とそれぞれに課題があり、梶谷選手が打撃を活かすために外野手へ、藤田選手はトレードで東北楽天に、そして石川選手はセカンドに回った。
現在遊撃手は守備力の高い山崎憲選手と2012年ドラフト1位の白崎浩之選手が争っているが、山崎選手は打撃に課題を見せ、白崎選手は守備力で良いプレーも見せるが、併殺でのプレーや守備範囲などを見るとやはり打撃を活かしてサードに適性があるとみられる。
またセカンドでも石川選手が打撃が不振だったが変わりに出場できる選手がおらず、グリエル選手が加入するとスタメンから漏れたり外野を守ったりした。
横浜高校出身
さらに倉本選手は横浜高校出身、横浜DeNAでは多村仁選手や、後藤武敏選手など7人の横浜高校出身者がいるが、倉本選手は土屋健二投手と同期にあたり、2008年には夏の甲子園で1番打者としてチームをベスト4に導いた。2年生だった筒香嘉智選手が甲子園で1試合2本塁打した大会だった。
年度 | |
2003 | 荒波翔、成瀬善久 |
2004 | 石川雄洋、涌井秀章 |
2005 | 櫻田裕太郎(Honda) |
2006 | 福田永将、川角謙(東芝)、西嶋一記(熊本ゴールデンラークス) |
2007 | 高濱卓也、浦川綾人 |
2008 | 土屋健二、倉本寿彦、小川健太(九州三菱自動車)、松本幸一郎(東芝) |
2009 | 筒香嘉智 |
2010 | |
2011 | 近藤健介、乙坂智 |
2012 | 柳裕也(明治大)、田原啓吾 |
2013 | |
2014 | 高濱祐仁、浅間大基、伊藤将司 |
千葉ロッテの成瀬投手がFAした際には獲得に向かうとみられ、横浜高校の選手が揃っている。
これまでチームの半数を大きく超える数を締めていた投手を大量に戦力外とし、内野手外野手を増やす方針で、今年のドラフト会議では野手の指名が多くなりそうで、倉本選手はその筆頭となる。
今季、リーグワーストの116失策だったDeNAは、オフの最大の補強ポイントに遊撃手を挙げていた。今季、同ポジションでは山崎、白崎らが定位置争いをしたが最後まで固定できず、アスレチックス傘下2A所属の中島獲得に向けて調査を開始した。即戦力の遊撃手の獲得が急務ななか、球団は社会人の倉本をリストアップ。スカウト関係者は「足も速いし3拍子そろっている」と評価した。
倉本は横浜高(神奈川)で2年秋から遊撃手の定位置をつかみ、3年夏は「1番・三塁」で甲子園ベスト4。1学年下の筒香と共に打線をけん引した。創価大に進学後1年からリーグ戦に出場し、2度のベストナインを獲得。日本新薬に入社2年目の今年は課題の打撃も下半身主導のフォームで力強さが増した。遠投105メートル、50メートル6秒5の俊足と身体能力の高さも魅力で、「鳥谷2世」とも言われている。
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