花咲徳栄・高橋昂也投手が149キロ11奪三振1失点完投、スカウトからは高い要望も

花咲徳栄, 高橋昂也

高校BIG3と呼ばれる履正社・寺島成輝投手、横浜藤平尚真投手が投げ、そして最後に花咲徳栄・高橋昂也投手が登場した。ホームランで1失点したものの最速149キロの速球で11奪三振1失点で完投勝利し、2人と同じ1失点で投げ切った。

落ち着き十分

高橋昂也投手は初回に2安打、2回にもヒットと四球でランナーを許すなど、埼玉大会に比べてやや勢いがない投球だった。それでもマウンド上では非常に落ち着き無失点で切り抜けた。4回にはホームランを浴び、やや驚きの表情も見せたものの、そこから顔が引き締まる。終盤にかけて外角ストレートの力が増すとツーシームやスプリットなどの変化球で空振りが奪えるようになり、6回、7回には2つの三振を奪った。9回148球を投げて10安打を許したものの11奪三振で粘って1失点、完投勝利だった。

大曲工業の打線も素晴らしかった。序盤はストレートを狙い、高橋投手を調子に乗せる事をさせなかった。しかし終盤は変化球を織り交ぜられ、次第に高橋投手のペースに持っていかれた。

「スピードもキレも悪くなかった。だんだん修正できた」と話す高橋投手、この日はとにかくマウンドでの落ち着きが非常に目立った。ランナーを背負っても、ホームランを打たれても全く動じない、非常に自信を持った投球に見えた。

スカウトは高い要望も

高橋昂也投手へのスカウトのコメントは以下の通り。

東北楽天・立花球団社長:「力感が無くて速い球が来るからバッターが打ちづらいと報告を聞いている。BIG3と言われるものはある。まだ本気を出していないように感じた。これからもっと上がっていきそう」

埼玉西武・渡辺SD:「投げ方の上下のバランスがいい。マウンド上の雰囲気も持っている。左で高校生であれだけの球を投げる投手はそういない。地元埼玉の選手だし、今後も追いかけていく」

埼玉西武・前田スカウト部長:「地元の投手として、ずっと見てきている。本来の調子ではなくても、11奪三振で1失点に抑えたように、成長を続けている」

巨人・山下スカウト部長:「体が重そうに見えるし、もっと腕が振れてきてもいい。県大会ではもっと変化球にきれがあったが、いい時をみているから評価は変わらない」

東京ヤクルト・小川SD:「指にかかった時の球はいい。どんな状況下でも試合を作れるという事は大事なこと」

横浜DeNA・吉田スカウト部長:「埼玉ではもっと腕が振れていたし、躍動感もあった。踏み出した右ひざが突っ張っている感じになっている」

北海道日本ハム・今成スカウト:「投球の中に強弱を作られるようになった。故障するまではパワーピッチャーだったけど、打者を見る事もできるようになった。故障明けの6月からの急成長。セットでもクイックでも球速は落ちない。」

千葉ロッテ・松本球団本部長補佐:「高校生であれだけの角度でスピードを出せるのは凄い。今日は調子が悪いかもしれないが抑えている。もう少し低めに投げられたら上でも十分やれる」

阪神・中尾スカウト:「もうちょっとフォームにメリハリがあって良かった。ちょっと大人しすぎた。37回無失点の埼玉大会とは違った投球だった。埼玉の決勝以来の実戦で、調整が難しかったのかな」

中日・中田宗男スカウト部長:「圧倒的なパワー型の投手。上位に入る素材だと思う。」

オリックス・中川アマスカウトグループ長:「真っすぐで打たれだしたら変化球を織り交ぜるテクニックがある」

ブレーブス・大屋博行スカウト:「ストライクがしっかり取れる。今日は躍動感はあまりなかったけど、どっしりとした印象。井川などもそうだった。」

アストロズ・大慈弥環太平洋担当部長:「調子は良くなかったと思うが、要所で踏ん張っている。プロの先発も絶好調は3,4試合。勝てる投手になればいい。」

 

スカウトは一様に埼玉大会と比較して調子は良くないと評価した。そして寺島成輝投手、藤平尚真投手との比較でもスカウトによって差が表れているように見える。フォームの柔らかさは寺島投手の方が上で、故障の少なさや1シーズンを通して活躍できるかというところに差が出てくる可能性もある。しかし外角のストレートの強さや勝負度胸、コントロールは寺島投手と比較しても遜色なく、強い球を投げられるのは高橋投手の方に分があると個人的に感じた。

いずれにしてもこの甲子園と、おそらく選ばれるであろう侍ジャパンU18代表の戦いがBIG3の評価の機会となりそうで、スカウトにも決断の時が来ている。

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3、4回以外は毎回得点圏に走者を背負ったが、直球狙いの相手にツーシームなど変化球を使い「狙うところは狙って」11三振を奪った。被安打10も1失点で148球を投げ抜いた。複数球団のスピードガンで148キロを計測し、オリックスの中川隆治アマスカウトグループ長は「真っすぐで打たれだしたら変化球を織り交ぜるテクニックがある」と称賛した。

相手の直球狙いを察して中盤から変化球を増やし、「打たせて取る投球を心がけた」と昂也。ソロの1失点のみに抑えた。巨人などのスピードガンでマークした最速149キロの直球にスライダー、フォークをちりばめ、11奪三振のうち、10個を空振りで仕留めた。巨人・山下スカウト部長は「本来のキレはないけど、三振を取る力はある」と再確認した。

西武・前田スカウト部長「(埼玉・久喜市在住の)地元の投手として、ずっと見てきている。本来の調子ではなくても、11奪三振で1失点に抑えたように、成長を続けている」


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