阪神はドラフト会議で指名した6選手の入団発表を行った。
課題多く埋める指名に
リーグ戦では3位以下の4球団に差を付けて2位となった阪神だが、終盤に勢いを失いCSでも早々と敗退してしまう。さらに、スタンリッジ投手が流出し、メッセンジャー投手にも移籍の話が出るなど、先発投手陣の層の薄さを見せた。
さらに課題として埋まり切れていない捕手や、ポスト金本の外野手など、補強ポイントが多く、全てに対応しようとしたドラフトとなった。先発投手については大瀬良大地投手などを外したものの、岩貞投手を獲得した。しかし先発型投手の指名は岩貞投手のみで全体の底上げにはならず、不安は持ち越しとなっている。
外野手については即戦力を狙わず、横田選手を獲得した。将来が楽しみな左のスラッガーとなりそうだ。また内野手でも右のスラッガーとなる陽川選手を指名し、現在のクリーンナップを脅かす存在として期待される。遊撃手を守り、大砲型のセカンドやポスト鳥谷としても期待できる。
4位では昨年同様に良い捕手が残っていたラッキーがあった。梅野選手は打撃も注目だが捕手としての素質も高い。小豆畑選手のような強烈な肩というよりは、リードも含めた総合力が高いタイプで楽しみだ。
山本投手、岩崎投手はリリーフの強化とりなりそう。下位候補なので可能性は未知数ではあるが、岩崎投手は貴重な大型左腕として、球速以上の球の勢いがあり三振を奪う。1年目から活躍しそうな投手だ。
多方面補強
課題が多いため、現在の補強ポイントを埋めるドラフトとなり、将来のチームを見据えた形にはならなかった。しかし今年のドラフトではベストを尽くしたかもしれない。この中から多くの選手が、もうこれ以上このポジションの指名はしなくても良い、という活躍をすることができれば、来年以降はチームの将来を担う選手を獲得してゆけそうだ。
ドラフト | 名前 | ポジション | 背番号 | 特徴 | 出身チーム | 決意 | 説明 |
1位 | 岩貞祐太 | 投手 | 17 | 182cm78kg 左左 | 横浜商大 | 初志貫徹 | 148km/h速球をインコースに投げ込む |
2位 | 横田慎太郎 | 外野手 | 24 | 186cm85kg 左左 | 鹿児島実 | 飛躍 | 高校通算29発と141km/hの肩、俊足も魅力 |
3位 | 陽川尚将 | 内野手 | 55 | 179cm86kg 右右 | 金光大阪-東京農業大 | 不撓不屈 | 東都2部ながら24本塁打放つスラッガー |
4位 | 梅野隆太郎 | 捕手 | 44 | 173cm80kg 右右 | 福岡大 | 恩返し | 大学全日本の4番、大学では不動の捕手 |
5位 | 山本翔也 | 投手 | 47 | 182cm90kg 左左 | 王子 | 一意専心 | 130km/h台のキレのある球で勝負 |
6位 | 岩崎優 | 投手 | 67 | 184cm81kg 左左 | 国士舘大 | 全力投球 | 最速140km/hも三振奪える角度ある左腕 |
猛虎の一員となった岩貞は、自信に満ちあふれていた。ファンとの交流会で「数字を言うとプレッシャーになるけど、10勝以上、背番号(17)くらい勝ちたい」と大きな目標を掲げた。
「タイガースの17番と言えば、自分の名前が出てくるくらい活躍したい」と力を込めた。阪神の背番号17は、05年にブラウンが勝って以来、勝ち星がない。しかし、昨年のドラ1で今季10勝を挙げた藤浪の背番号19も、04年に筒井が勝って以来、8年間未勝利だった。「同じ1位で比較されることが多いと思う。昨年の1位がそこまでできたのだから、今年もできると期待を持ってもらえる。応えられるよう全力で頑張りたい」と言い切った。
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