阪神、正捕手不在の緊急事態!捕手のドラフト候補を探る

阪神ドラフトニュース 2012年ドラフトニュース

 阪神は城島健司選手が故障の影響でマスクをかぶることができず、正捕手は昨年マスクをかぶった藤井彰に任せるはずだった。しかし左腹斜筋筋挫傷で離脱することになり、正捕手不在でシーズンを迎える事になる。なぜこのような事態になってしまったのか。

 阪神の過去5年間のドラフト会議の指名を見てみると3人を指名している。昨年は育成枠で群馬ダイヤモンドペガサスの廣神捕手を指名、2010年は福岡工大城東の中谷将大選手を3位で指名、09年は帝京の原口文仁選手をドラフト6位で指名している。即戦力捕手の指名では2006年大学社会人ドラフトで指名した清水誉選手(関西学院大)までさかのぼり6年間指名しておらず、ドラフト上位では2004年に自由枠で獲得した岡崎太一捕手に遡る。

 12球団の正捕手(候補)をまとめてみた。捕手は経験が物をいう部分もあり年齢が高い選手が多く、FAやトレードなどで獲得した選手も多い。常に成績を求められる上位球団は若い選手に経験を積ませることが難しく、他球団から経験を積んだ選手を獲得する必要があるのだろう。しっかりした正捕手がいる球団は控えの捕手の層が薄いのもやはり経験を積ませる機会が少ないことによる。

球団捕手球団捕手
中日谷繁、小田福岡ソフトバンク細川、山崎
東京ヤクルト相川北海道日本ハム大野、鶴岡
巨人阿部埼玉西武炭谷、武山
阪神藤井オリックス伊藤、鈴木
広島石原、倉東北楽天嶋、伊志嶺
横浜DeNA鶴岡、黒羽根千葉ロッテ里崎、的場

 これは各球団とも大きなリスクを抱えることになる。まず高年齢選手が多いということは蓄積した疲労によるケガなどで離脱する可能性が高いという事になり、控え選手がいないということは正捕手が離脱したときのリスクが非常に大きくなるという事になる。阪神以外でも、ヤクルト、巨人は正捕手がケガをすると一気にピンチに陥る可能性もある。

 逆に下位球団は若手捕手の層が厚い。横浜DeNAはFAで元横浜の鶴岡を獲得したが、24歳の黒羽根とルーキー高城も期待が高く、昨年まで正捕手だった武山を西武にトレードする余裕を見せた。東北楽天も嶋、伊志嶺と若手捕手が育ち、オリックスはまだ22歳の伊藤に正捕手をほぼ任せている。下位球団はチーム作りという意味合いで若い捕手に経験を積ませることができ、数年後に上位に入るための正捕手作りをしている。

 その中で北海道日本ハムは上位にいながら鶴岡、大野という試合を任せられる2人の捕手がいる。鶴岡は2002年に三菱重工横浜からドラフト8位で獲得した捕手で2006年頃から正捕手としてマスクをかぶるようになった。鶴岡が油が乗っている2008年に東洋大の捕手だった大野奨大を1位指名したが、この指名が会心の指名で今後数年は捕手の獲得を考えなくても良くなった。

 経験を積ませられる球団であれば、ドラフト下位で捕手を指名してもある程度育てられることができる。それでも正捕手のマスクをかぶるのはドラフト1位2位で指名した選手が多い。城島、藤井、阿部、炭谷、里崎、谷繁、大野など。捕手はチームの要、貴重なポジションでありながら、ドラフト上位では投手やスラッガー候補が優先される事が多い。

 阪神のような常に結果を求められる球団は基本はFAやトレードで他球団で経験を積んだ捕手を獲得するのがよいのだろうが、ドラフト会議で考えるならば、下位で捕手を指名するのでなく、これぞ即戦力という捕手がいたら、投手やスラッガーよりも優先してドラフト1位で指名したほうが良いのではないかと思う。

 2012年は幸いにも捕手の候補が意外と多いように感じる。有名どころでは東海大・伏見寅威捕手。打撃も良い選手だが、下級生の時から菅野智之など好投手をリードしている経験があることが良い。他には社会人で東洋大時代にも阪神が注目していたセガサミーの佐藤貴穂捕手、JR東日本で好投手をリードしている石川修平捕手、高校時代から注目されている住金鹿島・鮫島哲新捕手、そして社会人1年目から評価の高かった富士重工・唐谷良磨捕手などがいる。これらの捕手は当然他球団も狙っている。阪神がこれらの選手を1位2位で指名するか、注目したい。

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コメント

  1. 個人的意見ですが 捕手は時間がかかるポジションだと思います
    試合で使わないと いつまでたっても 一本立ちしないのでは?
    その意味でいくと 阪神は 狩野をつぶし FAで獲得して 出かけた芽を
    つんでいるように思います。
    広島の白浜が出てきました やっとという気もしますが・・・・
    使わなければ ものにならないのでは 難しいポジションですから固定が
    一番ですが 固定できるまでは多少目をつぶらないとと考えます

  2. 私は、ドラフトの補強ポイントの優先順位を①捕手②エース③4番④遊撃手⑤左腕⑥抑えの順と考えています。特に捕手と遊撃手は外国人やFAでタイミングよく補強する事は難しく、トレードは控えレベルが多くなります。近年は、試合数増加と、走塁重視の野球で、捕手の負担は大きくレギュラー級の捕手が3人くらいは必要と考えます。
    捕手のチェックポイントは、①強肩とスローイング②リード③コミュニケーション能力だと思います。

    試合経験、下位球団が、捕手の層が厚くなるというのは、間違った現状分析だと思いますね。負け試合や、未熟な投手と未熟な捕手が何度も組んでも、果たしてどうなのか。
    上位球団の捕手戦略は、やはり巧みで現実、層も厚い。
    確かに巨人は鶴岡と星が抜けて一気に層は薄くなりましたが、投手陣の実松、加藤への信頼は厚く、ファームには河野が育成なのにレギュラーで経験を積みました。横浜は、捕手戦略を甘く見ているとしか思えない動きで、相川と鶴岡の同時流出の教訓が生きているとはとても思えない動き:斉藤を出し、武山を出しました。捕手の出入りの多い球団は、色んな意味でマイナスの悪循環です。まずは、投手をよく知る捕手がライバルに移るわけですから。横浜は若手といっても黒羽根だけです。高城がすぐに活躍しても、それは捕手戦略の成功ではなくスカウトの勝利。ソフトバンクは、山崎、高谷、堂上、山下、日ハムは、大野は人間性に問題があると思われ、鶴岡がいるから弱点が目立たないだけです。フルのレギュラー捕手は容易ではないです。日ハムの素晴らしいのは、鶴岡、大野、今成、荒張がいながら、大島、近藤をとり、近藤は高い評価を受けています。中日は、小田がいて、松井、前田、吉田、田中、赤田の完成型が揃っています。阪神も、岡崎、清水、小宮山、橋本がいるので、原口、中谷は外野手起用の動きです。

    やはり、横浜、ロッテ、オリックスら下位球団は、捕手戦略に失敗しています。表面上、いくら若手捕手を起用しても、それが層の厚さに繋がると言うのは、それじゃ下位球団は強くなっているのか、というと強くなっていないと思いますね。

  3. 全体的に評価に偏りを感じます。
    ①北海道の2名がスタメン級なのは確かですが、昨年までの巨人阿部・鶴岡体制と変わりません。むしろ若い二人なだけに、そのキャリアを無駄にしているとも言えます。過去の巨人が同一ポジションに主力を配置して批判されたのと変わりません。正直もったいない。
    ②他チームの控え捕手のメンバーを見れば巨人は實松捕手で十分です。(攻撃面では痛いですが)ベテランと言う意味では楽天から中谷捕手、生え抜きで加藤捕手がカバー。ファームでは大卒1名高卒2名が競争中です。それに加えチャンスがあれば阿部捕手の時のように上位指名も可能な状況。実際は意外と育成河野捕手が出て来そうな感じです。
    ③昨年の順位のみで上位下位を判断していますが、そもそも上位争いでの経験と下位での経験には、質的に差があるので一概には言えないと思います。一覧表を見てバランス的には広島かなと思います。

  4. ここ数年のドラフトで獲得した捕手で活躍してるのゎ炭谷選手と大野選手だけだもんね。
    谷繁⇒古田⇒矢野がいた時代もありましたね。