2005年ドラフト1位、東北楽天・片山博視選手が野手転向、花の2005年組の生きざま見せる

東北楽天球団ニュース

 2005年の高校生ドラフトは浪速の四天王を中心に大豊作と言われた年だった。そしてその年の東北楽天ドラフト1位・片山博視投手も注目の一人だった。

大豊作の2005年高校生ドラフト

 2005年の高校生ドラフトは、大阪桐蔭の150km左腕・辻内崇伸、高校通算70本を放った大阪桐蔭の平田良介、その平田以上の飛距離を誇った履正社の岡田貴弘(T-岡田)、そして1年時に150km/h近い速球を投げた近大付の鶴直人といった浪速の四天王と注目された高校生がいた。

 さらに平安の炭谷銀仁朗、青森山田の柳田将利、福岡第一の陽仲壽、柳ヶ浦の山口俊、そして報徳学園で191cmからの速球と通算36本塁打の打撃で評価の高かった片山博視が注目されていた。

 ドラフト会議では辻内には巨人とオリックスが指名競合し巨人が獲得、陽には日本ハムとソフトバンクが競合して日本ハムが獲得、陽選手は涙を流して話題となった。そして片山選手には東北楽天と広島が指名し東北楽天が獲得した。

 東北楽天創立から2回目のドラフト会議で、高校生ドラフト1位で獲得した片山投手には期待が集まった。

 

プロの壁

 注目の高校生たちには壁が立ちはだかった。辻内投手や鶴投手は故障が多く、辻内投手は引退している。鶴投手は投球スタイルを変えて先発で時折活躍を見せる。平田選手は主力として活躍するものの、高校時に期待したほどにはなっていない。T-岡田選手は主軸として活躍を見せている。

 柳田選手はプロの壁に当たり引退、炭谷選手は捕手として出場しているが、1年目に期待させたような打てて守れる捕手ではなくなった。山口投手はリリーフとして成績を残し、昨年から先発となると柱の活躍を見せている。そして陽選手はチームの主力として、台湾のスターとして大活躍を見せている。

 片山選手は3年目となる2008年にプロ初完投勝利を3安打完封で飾り、左のエース候補として期待された。しかし2009年は故障もあったものの活躍ができず、2010年からはリリーフとして登板し出場機会は増えていたが、昨年はフォームをサイドスロー気味にするなど苦労をしていた。

 そして左肘の痛みもあり野手転向を決意した。

 

野手転向

 プロ入り9年での決断となった。高校時代から打撃の評価も高く、野手でもドラフト上位候補と評価されていた。しかし191cmの左腕という特徴があり、2008年の完封デビューがあり、登板すればそこそこの投球ができた事が、これだけ時間がかかった結果となってしまった。

 似た選手が東京ヤクルトの高井雄平投手だろう。高井投手も東北高校で150km/hを記録する左腕投手として注目されたがコントロールが悪く、打撃の評価が高かかった。それでも速球派左腕という特徴は魅力的で、投手として7年間挑戦したが、2009年に野手転向を決めた。

 それから5年をかけた昨年、23本塁打を放ち野手として大きく成長を見せ、球界を代表する選手として注目されるようになった。プロ入り10年目のことだった。

 片山選手はそれ以上に時間がかかってしまった。しかしまだ27歳、球団が3年間をくれれば左のスラッガーとして雄平選手のような活躍劇が見られるかもしれない。

 応援している。

 昨季から左肘の状態が悪く、キャンプの第1クールで再び痛みが出たのを機に決断したという。投手としては9年間で206試合に登板し、8勝16敗だった。1メートル91の長身を生かし、左の大砲候補として再スタートを切る。

 

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