済美・安楽智大投手、この日も134球で完投、高知・和田恋選手がホームラン放つ

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 高校野球センバツ大会準決勝、済美vs高知の対戦では、昨日まで3試合529球を投げている2年生・安楽智大投手が先発すると、高知高校の注目のスラッガー・和田恋選手にホームランを打たれるなど2失点したものの、134球を投げきって完投した。

 この日の最速は146km/hを記録、昨日まで記録していた150km/h台は記録できなかったがそれでも速い。1点をリードした9回は先頭打者に不運な3塁打を許してノーアウト3塁、同点の大ピンチだったが、続く和田恋選手をストレート勝負で内野フライに打ち取ると、後続も145km/hの速球で打ち取り得点を許さなかった。

 怪物の名にふさわしい快投を見せている。今日の決勝も投げる事になると思うがこれで球数は合計663球、球数はどうしても気になる。

 高知・和田恋選手は安楽投手の144km/hの速球を見事に左中間のスタンドに放り込んだ。プロ注目のスラッガーとして甲子園での1発は大きい。しかし9回、前の打席でホームランされたストレートは投げてこないと変化球を狙っていた。しかし安楽投手は全てストレートだった。チャンスにことごとく打ってきた和田選手だったが、怖いもの知らずの2年生投手に抑えられた。和田選手は試合後「夏に戻ってきたい」と話した。9回のあの打席でタイムリーを打つために、夏の甲子園を目指す。

 

  怪物の中で、何かが突然、目覚めた。1点リードの9回無死。先頭の市川豪に右翼線にポトリと落ちる不運な三塁打を許した直後だった。「あそこでギアが入りました」。安楽を超える“スーパー安楽”が出現。前打席で本塁打を浴びた4番・和田恋をオール直球勝負で二飛、股川涼有は遊ゴロ失策で出塁を許すも、次打者を三ゴロ。最後は145キロの速球で、杉本大紀を右飛に打ち取り、守り切って試合を締めた。

   きっかけは“あそこ”の場面での、相棒のひとことだった。最終回、無死三塁のピンチ。和田恋を迎え、マウンドに駆け寄ってきた金子昂平に、安楽は「敬遠しましょうか」と申し出た。ところが先輩捕手の答えは「何を言ってんだ。びびるな。思い切ってこい」。頭を叩かれて目覚めた。8回までの変化球を多く織り交ぜた制球重視の投球を一転させ、快速球をビシビシ投げ込んだ。「ピンチで動じることなく、イン(コース)を突けたのは成長です」。怪物自らも納得の変化だった。

 待っていたボールは来なかった。1点を追う9回無死三塁。高知・和田恋は安楽の1ボール2ストライクからの142キロを打ち上げ、二飛。プロ注目のスラッガーが天を仰いだ。「変化球狙いだけでした」と、絶好のチャンスは、オール直球のまさかの真っ向勝負でねじ伏せられた。

   今大会初の4番に座り、7回に144キロをとらえて左中間へ高校通算35号の同点ソロ。直球を打ち砕いたことで、次はかわしてくると読み間違えた。

   昨秋は今大会の出場選手中トップの打率6割7分6厘。「わだ・れん」の名は知れ渡り、2度目の聖地は徹底マークの中で15打数4安打(1本塁打)2打点に終わった。「(安楽との)対戦は楽しめた。夏は日本一になる」。自身未経験の夏こそ、甲子園で主役を張れる打者になる。

 済美・安楽は奮い立った。1点リードの9回。無死三塁で迎えた4番との勝負。高知・和田恋(れん)には前の打席で本塁打を浴びていた。「やばい、敬遠しましょうか…」。怪物とはいえ、まだ16歳。捕手・金子に申し出た。先輩の返事は「何言っとるんや。勝負や」―。強気の勝負を選択してからが、真骨頂だった。「ギアが入った。逃げずに内角を攻めていけた」。1ボール2ストライクからの4球目。内角への142キロの直球で二飛に打ち取ると、その後も直球勝負。最後は杉本を145キロで右飛に仕留めた。

   初回は土居、7回に和田恋に被弾。安楽は「人生で2、3本目です」と振り返ったように、疲労から決して本調子ではなかった。最速は146キロ止まり。試合前には「握力が落ちてきた」とも漏らしていた。

   常に思い出す言葉がある。「天狗(てんぐ)になれ」。父・晃一さん(51)から送られた言葉だ。「マウンドで一人だけ高い場所にいるのだから、天狗になりなさい。鼻を折られたら、また立ち上がればいい」―。だから、最後は強気に攻めた。

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