履正社の永谷暢章投手が春季大阪大会の2回戦で5回コールドながらノーヒットノーランを記録した。投球の幅を広げた右腕だが、球速も149km/hを記録しているという。
大型右腕
永谷暢章投手は187cm90kgの大型右腕で、1年時から147km/hを記録して注目されていた。剛球を投げるものの四死球も多く制球が課題だったが、2014年のセンバツではコントロールも安定しており、チームの準優勝に大きく貢献している。
しかし夏の大会では準決勝の大阪桐蔭戦で1回に5失点で降板した。甲子園で優勝した大阪桐蔭だったが、春準優勝のプライドが砕かれ、「情けない年になった」と反省をすると、冬にはトレーニングで球速は149km/hを記録するまで成長し、さらにフォーク、ツーシームなども習得したという。
5回ノーヒットノーラン
永谷投手の3年生のスタートとなる春季大会2回戦、この日は3回1アウトから5回まで6者連続奪三振を奪うなど、5回を投げて死球一つでノーヒットピッチング、チームも高津高校から5回までに10点を奪い、5回参考ながらノーヒットノーランを記録した。
永谷投手は「狙い通りの投球ができた」と、習得したフォークボールで三振を奪えた事で、打倒大阪桐蔭の気持ちが強くなった。
この日はオリックスの谷口スカウトが視察し、「体が大きくなればもっと剛速球が投げられる」と話した。十分体が大きいと思うが、まだ成長の余地があると感じたのだろう。
高校生投手では高橋純平投手の評価が抜きんでているが、素質の高さは永谷投手も負けていない。昨年のドラフト会議で指名された安楽智大投手、立田将太投手も1年時から150km/h前後の球を投げて注目されたが、安楽投手はドラフト1位、立田投手はドラフト6位指名となっている。永谷投手は安楽投手になるか立田投手になるか、この最終学年の活躍にかかっている。
永谷のギアが上がったのは3回だった。1死から直球で連続三振を奪うと、続く4回はフォークで3人を空振り三振に斬る。5回の先頭打者は、再び直球で仕留め6者連続K。「狙い通りの投球ができた」とドラフト候補右腕の笑顔がはじけた。
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