中京大中京の上野翔太郎投手は、5回までノーヒットピッチング、8回まで関東第一の強力打線を4安打に抑える好投を見せていた。しかし9回裏のマウンドで一球の失投で敗れた。
9回1アウト
140km/h前半のストレートを武器に、中京大中京の上野翔太郎投手は快投を続けていた。序盤は四球を与えるなど本人としては納得はしていないかもしれないが5回までノーヒットに抑える。しかし終盤にやや疲れを見せ6回に1本のヒットを許すと、7回は2本、8回はヒットの後に四球を与えピンチを作った。
それでもそのピンチを強気のピッチングで無失点に抑え9回を迎える。9回、まず4番の五十嵐滉希選手をファーストゴロで1アウトを奪い、5番長嶋選手を迎える。その初球、真ん中に入った速球を楽なスイングで振りぬかれると、打球はレフトポール際のフェンスを越えた。
打たれた時は、その瞬間に負けが確定したことがわからない感じで、膝を落とすこともなくマウンドで打球を見送り、ランナーに目をやっていた。相手チームの全員がベンチから出てくるのを見て、ようやく負けたことが分かったようだった。上野投手の成績は8回1/3を投げて5安打5奪三振3四球で1失点、1球の怖さを思い知らされたサヨナラの敗戦だった。
大学へ
上野投手は大学に進学する可能性が高いようだ。この日は甲子園の土を持ち帰らなかった。「日本一じゃないと目標達成ではないから」と上野投手は話した。9回1アウトからの続きは、そして目標としていた全国制覇は、大学野球で果たす。
土は持ち帰らず 中日スポーツ紙面 2015/8/17
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