高校日本代表は7投手が登板しBIG3は無失点、野手陣は18三振喫す

高校野球ドラフトニュース 侍ジャパン 2016年ドラフトニュース

侍ジャパンU18代表vs大学日本代表の試合は5-0で大学日本代表が勝利した。高校日本代表の選手について振り返る。

投手

投手成績は次の通り

投手打者安打三振四死失点
早川隆久2126015
藤平尚真130100
寺島成輝151100
島孝明141100
高橋昂也141100
堀瑞輝140110
今井達也271500

先発した早川投手は1回に、大学屈指の俊足・大西千洋選手のセカンドゴロを伊藤優平選手が待って取ってセーフになるミスでランナーを許すと、大学生が逆方向に打つなどして攻略され、牛島将太投手に2ベースヒットを浴びるなど5点を失った。結果ほど悪い投球ではなかったが、あと1点を抑えることができなかった所は課題となる。しかし2イニング目は伊藤優平選手のファインプレーと、ヒットで出塁した俊足の辰己涼介選手を九鬼隆平選手が二塁で刺すなどし3人で抑えた。アジア選手権では先発としてやれると思うし高校生ではトップクラスの球を投げているが、やはり大学などでパワーアップが必要だろう。

3回から2番手で登板した藤平尚真投手は大学生4番・大山悠輔選手に初球148キロの速球を投げると、149キロの速球で詰まらせてセンターフライに打ち取る。5番のドラフト上位候補・吉川尚輝選手には148キロ速球とスライダーで追い込むとやや制球が荒れたものの高めの147キロのストレートで空振り三振を奪った。森下選手もファーストファールフライに打ち取り3者凡退に抑えた。藤平投手は「プロ注目の打者を空振りに取れたのは自信になります」と話した。藤平投手について東北楽天の長島スカウト部長は「これだけの大舞台で自分のパフォーマンスをしっかり出せるのは、プロ1軍レベルでも大事な要素」と評価した。

4回は寺島成輝投手が登板、寺島投手は球速こそ最速145キロだと思うが141キロから143キロの速球を右バッターのインコースに投げた。ヒットとセカンドのエラーでピンチを背負ったもののしっかりとコントロールして抑えた。「コースに投げれれば大丈夫だけど、ちょっとでも中に入ると持っていかれる」とレベルの高さを感じたが「指先の感覚はいい」と制球に手ごたえを感じていた。球速はそれほど出していないが、ドラフト1位で重複するだろうなという投球を見せた。

5回に登板した島孝明投手も素晴らしかった。速球は常時145キロ前後を記録し、インコース高めに伸びてくるストレートは素晴らしかった。またスライダーも小さく鋭く曲がった。4番の大山悠輔選手には逆方向に返されて3ベースヒットを打たれたが、その後、吉川尚輝選手、森下翔平選手を打ち取った。最速153キロで力投型という印象を受けされるが、腕の振りが良くストレートに伸びがある。コントロールも良く速球のある好投手タイプで、BIG3に匹敵する投手だと思う。

6回には高橋昂也投手が登板、こちらも140キロ中盤の速球を中心にカーブやフォークボールなどを投げ、ヒット1本を許したものの落ち着いた投球で無失点に抑えた。甲子園よりもフォームもスムーズで、特に変化球をコントロールよく投げ、こちらもプロで使える投手という印象を受けた。

7回には堀瑞輝投手が登板、左横から素晴らしい腕の振りを見せ、そこから投げられる120キロ台のスライダーは、変化の鋭さもそうだが完全にタイミングを外される。それを待つとキレの良い速球が来て差し込まれる。プロでもリリーフとしてすぐに使えるほど、質の高い投球を見せた。1回をノーヒットに抑え、さすがの投球を見せた。

8回から登板した今井投手は、今井達也投手が大学生を2回5奪三振、ドラフト1位指名重複もに書いた通り、頭一つ抜き出た投球を見せた。

投手陣をランク付けしてみる

この日の投球ならば、圧巻クラスは今井達也投手で、その次にランクされるのは寺島成輝投手、島孝明投手、その次が藤平尚真投手、高橋昂也投手、堀瑞輝投手、そして早川隆久投手と評価する。

寺島投手、島投手はもっともっと成長できるし非常に楽しみな投球となった。藤平投手もやはり馬力ではNO.1、高橋投手は変化球のコントロールの良さも見せ、堀投手の特徴ある投球も良かった。早川投手はやはり大学でという事になりそうだが、他の6投手はドラフト会議でも2位までに大部分は指名されるだろうし、3位までには確実に消えていると思う。

大谷翔平投手と藤浪晋太郎投手のいた2012年のU18代表と比べても史上最強の投手陣といえるだろう。

野手陣は課題

野手陣は課題が浮き彫りとなった。まず守備に関しては内野手にミスが目立ち、失点へとつながった。足の速い選手の場合には内野ゴロはもっと攻めていかないといけないし、外野手も間を割られなくても足の速い選手ならばセカンドを狙えるような感じもあった。またレフトの藤嶋健人選手もやはり本業は投手で不安を感じさせ、専門の外野手は2人しかいない事が大きな課題にになるかもしれない。

また捕手の九鬼選手も、ファーストへカバーリングをしていたが、悪送球をカバーすることができず一塁ベンチに入ってしまいランナーを2塁に行かせてしまった。アジア大会では決勝戦はスキを与えてはいけない戦いになることが多い。カバーリングなど細かい部分や守備位置、守る姿勢を含めて非常に不安を感じさせる内容だった。

また攻撃でも18三振を奪われた。昨年の壮行試合では大学代表の田中正義投手から平沢大河選手と清宮幸太郎選手で1点を奪う場面が見られたが、今年はそういう打撃が見られなかった。また工夫も見られず18個の三振を喫した。相手は大学でもトップクラスの投手たちで点を奪えないのは仕方ないのかもしれないが、これだけ三振を奪われるというのは正直いってひどい。

コンパクトにして出塁し、送ったり足を使って1点を奪っていかなければこのチームでは得点は難しい。アジア選手権とはいえ決勝ではこの日の大学生と同じレベルの投手が出てくる可能性もあり、セーフティバントや逆方向に弾き返す打撃などが必要だし、必死に粘ってという姿勢は必要だ。

鈴木将平選手の初回にヒットや松尾大河選手の2回のヒット、小池選手の8回の内野安打、九鬼選手の9回のレフトへの飛球を参考に、もっと謙虚に、がむしゃらに食らいついてほしい。

守備選手打数安打三振打点
(二三)伊藤優平4030
(一)林中勇輝3020
渡辺雄太1010
(中)鈴木将平4120
(捕)九鬼隆平4010
(三遊)松尾大河3120
(右)納大地3020
(指)入江大生2010
(左)藤嶋健人2020
(遊)佐藤勇基2020
小池航貴1100

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