沖縄尚学が8点差を逆転優勝、日本文理・飯塚悟史選手の2打席連続弾に巨人スカウト評価

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 明治神宮大会、高校生の部決勝は、史上稀に見る大逆転劇で沖縄尚学が勝利した。

因縁の日本文理

 序盤は日本文理の強打が爆発した。初回に1年生・星兼太選手の先頭打者ホームランで幕を開けると、3回には捕手の鎌倉航選手、4回、5回には飯塚悟史投手が2打席連続ホームラン、6回には4番・池田貴将選手がホームランと、合計5本のホームランで8点を奪い6回で8-0と勝利を確信してもよい点差をつけた。

 しかし7回に沖縄尚学・山城大智投手が3ランホームランを放って8-3とすると、8回には打線がつながり6点を奪って9-8と逆転した。日本文理は2009年の夏の甲子園決勝で4-10の9回2アウトから9-10まで追い詰めた事があり、油断が大敵であることは分かっていたのだろうが、この日は相手に逆にやられ優勝もさらわれた。

飯塚悟史選手に巨人スカウト評価

 しかし、187cmの飯塚悟史選手の打撃は素晴らしかった。この日は4回にインコース低めの球を小さい回転でコンパクトに振りぬいたのだがぐんぐん伸び、ライトスタンド中段に放り込むと、続く5回にはやや外よりの球をコンパクトにセンター前にはじき返すと、打球はライナーでバックスクリーンに突き刺さった。龍谷大平安戦でもホームランを放っており、今大会3本塁打を記録した。

 この打撃に巨人の井上スカウトは「ゴルフでいうパンチショットであそこまで飛ばすのは高校生離れ。粗削りだけどあの飛距離は魅力」と話し評価をした。今大会でようやくスカウトの評価が聞こえ、チームは敗れたものの、飯塚選手が主役に躍り出た形となった。

 史上最大の逆転劇だった。中盤までに5本塁打などで8点を奪われながら、7、8回の2イニングで2本塁打を含む8安打9得点。比嘉公也監督は「このまま帰れない、諦めるなと言い続けた。でも、まさかここまでできるとは…。選手たちはすごい」と驚嘆した。

 7回の3ランで反撃を始め、8回は先頭の2番・久保の右前打を皮切りに4点を奪って1点差に。さらに2死満塁で再び久保が打席に入った。本職は二塁手で背番号4ながら右翼を守り、この日は5回から救援登板。ただ、2回5失点と崩れた負い目があった。「みんながつないでくれた。絶対打つ」と、フルカウントから詰まりながら右前へ運んで2者を生還させた。20日が17歳の誕生日だった久保は「いい思い出になった」と表情を緩めた。

 チームは1球で打者が交代するフリー打撃を繰り返してきた。今大会打率・357。終盤でも集中力を研ぎ澄まし、99年に6点差を逆転し優勝した四日市工を上回る、決勝史上最多得点差をひっくり返した。

  ミラクルへの足音が聞こえ始めたのは、エースの一発だった。0―8の7回。山城大が左翼席へ3ランを運んだ。先発したものの、3被弾で4回3失点。マウンドを降りて右翼に回っていた。「自分がゲームをぶち壊した。それを取り返すのが、自分に課せられた使命だと思った」。再登板した7回から3イニングは無失点。別人のような力投が奇跡の連鎖を呼んだ。

 8回、1点を返して、なおも無死一塁。安里健が初球を打ち上げたが、一塁手が落球。直後に左越え2ランが飛び出した。2死一、三塁からは一塁線へのゴロに対して、投手が処理を焦り、ボールが手につかずに1点追加。満塁までつなぎ、この日が17歳の誕生日の久保柊人が逆転2点打。ついに試合をひっくり返した。

 比嘉監督は劣勢の中で呼びかけた。「日本文理対中京大中京のような試合にしよう」。09年夏の甲子園決勝。日本文理が4―10の9回2死から5点を返し、中京大中京を追い詰めた。今もファンの語り草となっている猛反撃を、当時の主役を相手に、それも逆転まで完成させてしまった。

飯塚、バックスクリーン越え弾 - 西日本スポーツ:2013/11/21

 

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