都市対抗東京地区2次予選では最後の枠となる第3代表決定戦が行われ、東京ガスの山岡泰輔投手が鷺宮製作所を完封して本選出場を決めた。この日は11球団のスカウトが集結し、高い評価を示した。
最速146キロも
満を持して先発した東京ガス・山岡泰輔投手は、この日は最速146キロで9安打を許すなど調子は良くなかった。それでも「完封は最初から狙っていた」と話し、スライダーを中心に要所を抑え、堂々の完封勝利を挙げた。
山岡投手は今年は4月の四国大会で152キロで完封するなど、社会人NO.1右腕として圧倒的な投球を見せていたが、今大会前は右肘の状態が良くなかったようだ。それでも先日のJR東日本戦では8回に満塁弾を浴びたもののそれまでは無失点を続けており、苦しい中でも試合を作れる投手に成長した。
11球団スカウト視察
この日は横浜DeNAが4人態勢で視察し、巨人、広島、千葉ロッテなど11球団のスカウトが視察し、それぞれ高い評価をしている。
横浜DeNA・吉田スカウト部長:「フォームもボールもいいし、変化球のコンビネーションもいい」
巨人・山下スカウト部長:「社会人のトップクラス。ランナーを出してから粘り強く、完成された投手」
中日・中田スカウト部長:「トップクラス。失投がほとんどない」
広島・尾形スカウト:「スライダーはプロの1軍クラス。社会人NO1選手でしょう。必ずゲームは作れる」
千葉ロッテ・諸積スカウト:「カウントを取るスライダーと、追い込んでからのスライダーを使い分けている。西口みたい」
社会人1年目はリリーフとして手も足も出ない投球を見せ、昨年は先発転向も苦労していた。今年は先発としても申し分ない投球ができるようになり着実な成長を見せた。右肘の状態は気になるものの、1年目から先発ローテーションに入って10勝の可能性がある投手として、田中正義投手と肩を並べる存在となった。
ドラフト会議ではドラフト1位で指名が重複する可能性もある。
鷺宮製作所は3連敗で出場逃す
鷺宮製作所は第1代表決定戦のJR東日本、第2代表決定戦のNTT東日本、そしてこの日の第3代表決定戦でも敗れ、本選出場を逃した。
序盤は球速が出ず「スライダー主体で打たせて取ろう」と切り替えて3者凡退は9回だけ。「9安打されるなんて記憶にない」と苦笑いしたが、要所で低めにスライダーを決めて133球を投げ抜いた。11球団のスカウトが見守る中で最速は146キロ。中日の中田宗男スカウト部長は「トップクラス。失投がほとんどない」と絶賛した。
ネット裏にはプロ11球団のスカウトが集結。ロッテ・諸積スカウトは「カウントを取るスライダーと、追い込んでからのスライダーを使い分けている。(元西武の)西口(文也)みたい」と、プロ通算182勝右腕に重ね合わせた。広島の尾形スカウトは「スライダーはプロの1軍クラス。社会人NO1選手でしょう。必ずゲームは作れる」と、投球術にうなった。
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