早大、吉永健太朗投手が今季初勝利、復活に手ごたえ

大学野球ドラフトニュース 2015年ドラフトニュース

 伝統の早慶戦、早稲田大は2戦目に2年生の吉永健太朗投手が先発すると、7回を6安打7奪三振で無失点に抑え今季初勝利を飾った。この日は最速142km/h、シンカーも昨年ほどの切れは無かったものの、それでも元気の無い慶大打線から要所で三振を奪った。

 昨年の春は1年生で7勝を挙げてMVPとなった。しかし秋は3勝2敗と後半に調子を崩し、アジア大会では好投を見せたものの、疲れと共にレベルアップが必要と感じたのだろう。オフは制球、変化球、そしてスピードにこだわり、体力強化やフォームの改造を行ったが、スピードを求めるあまりフォームに力みが入り、スムーズな流れができていなかった。プロ野球のスカウトも「スピードガンと格闘しているようだった」と話していたとの事。

 オープン戦から調子が良くなく、六大学では有原航平投手、高梨雄平投手に先発を奪われてしまう。リリーフで登板しても8イニングで7四死球と制球を乱し、コントロールを意識して球速が落ちて140km/h前半しか出なくなるという悪循環に陥っていた。

 この日の投球はまだまだ復活とは言えないが、勝ったと言う事が夏のオフシーズンのモチベーションにつながりそうだ。まだ2年生、この時期にこういう経験をした事は良かったのではないかと思う。また、昨年のように投げ続ければ、甲子園優勝投手の斎藤佑樹投手や東浜巨投手のように、4年生の時には疲れて球速が出なくなってしまうのではないかと心配もしていた。そういった意味ではこの2年生の1年間は貴重な年となりそうだ。

 少し懐かしい感触だった。観衆2万1000人の歓声を一身に、吉永がまっさらなマウンドを踏みしめた。「木曜(5月30日)に監督から先発で行くと言われた。試合前からワクワクしていました」。217日ぶりに帰ってきた“主戦場”。6回以外は毎回安打を浴びながら、宝刀シンカーを織り交ぜ、今季初勝利だ。

 向上心がアダとなった。日大三から甲子園V投手として鳴り物入りで入学すると、1年春にいきなり「投手3冠」を達成するなど年間7勝をマーク。しかし、飛躍の2年目へ「制球、球種、球速、すべて1ランクアップさせようとしたことが、思うようにいかなかった」と岡村猛監督(58)。春先からフォームが崩れ、制球が安定せず。今季は中継ぎの4登板にとどまり、あるプロのスカウトは「スピードガンと格闘しているようだった」と指摘する。

 この日は初回に142キロをマークしたが、2回以降は140キロを超えたのが1球だけ。それでも、149キロ右腕は「フォームも安定していた。球速が出なくても抑えられることが分かった」と光明を見いだした。チームは4位と低迷。逆襲の秋へ、この男の復活が欠かせない。

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