富士大学のドラフト1位候補・多和田真三郎投手が今季初登板すると、この日はスカウトのスピードガンで149km/hを記録、それでもスライダーやフォークを多めに使い、1安打13奪三振で完封勝利を飾った。
変化球のレベルアップ
多和田真三郎投手は、180cmの右腕投手で最速151km/hの速球を投げる。身長は大きいものの、スタンスを大きく取り身体を低く沈めて投げるため、下から浮き上がってくるようなストレートに見える。
これまではそのストレートを中心にぐいぐいと押すピッチングだったが、今年はそのストレートを狙われると考え、キャンプから変化球の精度を上げる事を目標に取り組み、この日は、「変化球でストライクを取れるようになった。去年とは違う」と、取り組んできた事が結果につながった事を喜んだ。
フォークやスライダーも鋭く低めに決まる球を持っていたが、ストライクを取る変化球を習得したことで、ますますピッチングの幅が広がる。大学最終年度でも大きな成長を見せたことは、プロでもますます成長することを感じさせる。
10球団14人のスカウト集結
多和田投手へのプロからの注目度は高い。この日も10球団14人のスカウトが集まり、巨人の山下スカウト部長は「球の質がいい。レベルの高い投手」と話すと、埼玉西武・前田編成部長も「メリハリがあって落ち着いている」と総合的なピッチングに高い評価をしている。
また北海道日本ハムの木田GM補佐も「スピードもあるし、しっかりスイングさせないピッチングができている」とこちらも全体的な投球に評価を下した。
中部商時代から速球派投手と注目され、大学1年生の明治神宮大会でノーヒットノーランを達成し、その後も全国の舞台を経験しながら成長してきた。高校生の時ならばドラフト下位か育成ドラフトでの指名だったと思うが、大学4年間を順調に成長した。大学4年間を上手に使った選手だろう。
秋にはドラフト1位での指名が待っていそうだ。
この日もスカウトのスピードガンで149キロを出すなど、速球は多和田の持ち味。だが、直球を狙われることを予想し、2月の沖縄キャンプから変化球の精度を高めてきた。投げ込みでも変化球を増やし、打者を立たせたりと実戦に近い状況でキレや制球の向上を意識。
富士大の今秋ドラフト候補右腕、多和田真三郎(4年=中部商)が、10球団14人のスカウトが見守る中、13奪三振1安打完封で春1勝目を挙げた。
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