高校野球東東京大会では関東一・中村祐太投手が登板した。
中村投手は106球の内、変化球は5,6球と自己最速142km/hを記録した回転の良いストレートで三振を奪っていく。結局8回6安打1失点10奪三振という内容で好投を見せた。
この投球に12球団のスカウトが集結した。
巨人・吉武スカウト:「松井君の方が球は速いが、中村君は切れがあって球質がいい。腕を力強く振れていて球に伸びがある」
阪神・平塚スカウト:「球の持ちがいいので、打者は短く感じるはず。低めへのコントロールもよかった。春はそれができていなかった」
横浜DeNA・吉田スカウト部長:「候補かは別として、いい投手。特にフォームがいい」
広島・苑田スカウト統括部長:「前田も高校時代は142km/hくらいでしたね。腕の振りが似ていますね。ひじの柔らかさは天性」
2年生のセンバツで登場し来年のドラフト候補として注目された。その後、股関節の骨折の影響で伸び悩んでいたが最後の夏に復活を見せた。プロのスカウトの評価は高く、ドラフト会議で指名がありそうだ。中位で各球団が駆け引きをして、3位あたりで指名されるのではないでしょうか。
松井に投げ勝った男が、プロ12球団のスカウトが集結した神宮でも輝いた。中村は8回106球を投げ、足立学園打線を1失点に抑えた。「ストレートが持ち味ですから。自分が復活したと思ってくれれば、試合が有利に運べるんじゃないかと思いました」
故障を乗り越えたエースは直球主体に押しまくった。四回に1失点したが、6安打を浴びながら10奪三振と力は存分に見せた。
昨春、2年生ながらエースとしてセンバツに出場。4強入りに貢献したが、直後に左腸骨(股関節の付近)の剥離(はくり)骨折で1カ月以上も投球できなかった。なかなか直球の調子が戻らない時期に「変化球を2つは作らないと」と、スライダー、スプリットを決め球として使えるようにしようと前向きに取り組んだ。骨折が癒えて直球の球威を取り戻し、変化球もマスター。まさに禍転じて福、となった。
この日の最速は141キロ。巨人・吉武スカウトは「松井君の方が球は速いが、中村君は切れがあって球質がいい。腕を力強く振れていて球に伸びがある」と高評価。「(ドラフト)候補の1人? そうでしょうね」とうなずいた。
コメント