福岡ソフトバンク、東浜巨投手がプロ1勝目、「アマチュア時代の実績」から「プロでのこの1年の悔しさ」に武器に持ち替えて

福岡ソフトバンク球団ニュース 2012年ドラフトニュース

 ルーキーが活躍する中で、昨年のドラフトで最も注目されながら、勝利を挙げられずに苦しんでいた福岡ソフトバンクの東浜巨投手がついにプロ1勝を挙げた。

 東浜投手は球速は144km/hと大学3年時の球速には戻っていないが、大学時代に磨いた多彩な変化球で6回3安打3奪三振で3失点に抑えた。緩いカーブをホームランされるなど2本のホームランを浴びたが、ツーシームを中心に打たせて取るピッチングを見せた。

 東浜巨投手は東都リーグ通算35勝、420奪三振という大記録を打ち立ててのプロ入りだったが、球威は大学3年をピークに落ちており、4年夏には社会人に進み指導者の道を模索するなど、自らも状態を分かっていたのだろう。

 秋に奮闘してプロ入りを決意し、ドラフト1位で3球団が競合してのプロ入りも、4月には3回1/3で6失点、5回6失点と結果を残せずに2軍で長期の調整をする事になった。そして5ヶ月、球威はまだまだだが制球力が良くなりプロ1勝目を手にした。

 高校野球センバツで優勝、大学通算35勝という実績に頼ったのでは、これまでのような華々しい成績を残すのは難しい。しかし、プロでのこの1年の悔しさと、この日の初勝利が新しい東浜巨投手の武器となりそうだ。プロでも勝ち星を積み重ねて欲しい。

 ウイニングボールを大事そうに握り締めた。活躍する同期たちを尻目に、もがき苦しんだルーキー東浜がようやく初勝利をつかんだ。「最後にチームの勝利に貢献できてよかった」。2位を争うロッテとの直接対決でチームの連敗を3で止めた。秋山監督らに祝福されて、白い歯がこぼれた。

 約5か月ぶりの1軍マウンドで2軍での成果をぶつけた。「直球を磨いてきた。甘く入ってもファウルが取れるように」。序盤はMAX144キロの直球を中心に攻めた。2回にブラゼルに2ランを浴びたが、崩れなかった。3回からは得意のツーシームを中心に組み立て、6回で降板するまで3者凡退に抑えた。1点リードの6回2死から井口に同点弾を浴びたが、直後の7回に亜大の先輩・松田が勝ち越し2点打を放った。「打ってほしい一心だった」の祈りが通じた。

 4月11日のオリックス戦(ヤフオクD)は3回1/3、同18日の楽天戦(Kスタ)は5回を投げてともに6失点。直球の威力を欠き、打者をかわす小手先の投球になっていた。翌19日に登録抹消。体力強化のため5月末から約1か月間は2軍戦にも登板せず、ミニキャンプで下半身、体幹を鍛え上げた。1月の新人合同自主トレ中に受けたメディカルチェックで「肩は一流だけど、それ以外はアマチュアレベル」と“酷評”されたが、徐々にプロ仕様の体になってきた。「(2軍本拠地)雁の巣焼けです」と日焼けした顔に充実感が漂った。

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