安楽智大投手がベネズエラを2安打16奪三振で完封、日米スカウトが絶賛

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 18Uワールドカップ、当初リリーフが予定されていた安楽智大投手がWヘッダーの2試合目・ベネズエラ戦に先発した。

 安楽投手は合計100球を投げストライクは83球、ストレートとスライダーの2種類をどんどんストライクゾーンに入れてベネズエラ打線を押し切った。球速は150km/hを記録し勝負どころでは140km/h後半をマーク、しかしほとんどは140km/h前半の球をコースに投げ分けていた。

 センバツ大会では772球を投げ、夏の愛媛大会でも506球を投げ、その疲労からか甲子園入り後に微熱を出し、関節が腫れるなどしており、甲子園ではフォームに力がはいり思ったようなピッチングができなかった。この日は力を抜いたリラックス下フォームから140km/h前半だがキレの良いストレートで面白いように空振りを奪った。

 このピッチングに巨人、北海道日本ハム、阪神のスカウトの他、メジャーリーグ9球団のスカウトも視察し評価している。

○パイレーツ・江富群スカウト:「甲子園で155km/hを投げたと聞いて見に来た。コントロールがとても良い。今来ているアメリカのスカウトはみんな彼を見に来ているんじゃないか」

○ブルージェイズ・ロジースカウト:「パワーピッチャーで力のあるストレートを持っている。17歳でこれだけの投球は素晴らしい。メジャーでやれるポテンシャルが十分にある

○ヤンキーズ・デイブ・デレイタススカウト:「体が強くて良いストレートを投げている。スライダーも素晴らしいし肩に疲れもない。

○巨人山下スカウト部長:「甲子園と全く違う。力みも無くテンポも良い。140km/h台で十分力があるのだから無理にスピードを求める必要は無い

○北海道日本ハム・大渕スカウト:「甲子園と違ってのびのび投げていた。コントロールが抜群。国際舞台でこれだけの投球をしたら、大きな自信になるはず。

○阪神・佐野統括スカウト:「真っすぐに力があるし、コントロールが良かった。甲子園よりストライクゾーンが狭い中で低めに決まる。もう完璧じゃないですか。

 安楽投手はまだ2年生だが、既にメジャーも含めたスカウトによるつばぜり合いが始まっている雰囲気がある。来年のドラフトでは高橋光成投手や高濱祐仁選手なども含めて大豊作のドラフトとなりそうだが、その中でも安楽投手に指名が集中しそうだと感じるほど、素質やセンスが抜きん出ている。

 100球目は149キロ直球だった。9回2死。安楽は最後の打者から空振りで16個目の三振を奪う。2年生右腕は納得の表情で整列に加わった。  「スピードを意識せず、丁寧に投げた。フォームと制球だけを意識した。安楽の進化を見せることができた」

 初回は3者連続三振。下半身に重心を乗せ、腕をしっかり振ることだけを意識した。中継したテレビ局のスピードガンで最速150キロを記録した直球と、スライダーを丁寧に低めに集め、2安打無失点。無四球完封で世界デビュー戦を飾った。

 日本で行われた練習試合2試合では抑えを任された。前日の台湾戦もブルペンで救援待機。この日の先発について西谷浩一監督は「ナイターは球が見えにくい。重い球を投げる馬力のある安楽が最適」と説明した。

 今夏の甲子園の3回戦で花巻東(岩手)に敗戦後、「どうして150キロのスピードを出す自分が負けたのか」と考え、眠れない夜が続いた。たどり着いた答えは「スピードにこだわりすぎている自分がいる。コースに投げれば打たれない」。制球重視で臨んだ世界大会。代表チームでは松井にスライダー、高橋光成(前橋育英)にフォークの投げ方を尋ねるなど、投球の幅を広げようと努めた。

 打者30人に対して初球がボールとなったのは4人だけ。3ボールは一度もなく、100球中、ストライクは83球を数えた。右打者7人が並んだ打線に対しても「内角のスライダーが有効だった」と振り返る。視察したパイレーツの江富群スカウトも「甲子園で155キロを出したと聞いていたがイメージが違う。制球力がとても良い」と変化を感じ取っていた。

 安楽が圧巻の奪三振ショーを演じた。最後の打者を143キロの直球で空振り三振に仕留めると、ようやく笑みがこぼれた。人生初の世界の舞台で、昨年の藤浪(現阪神)の13、大谷(現日本ハム)、そして初戦の松井裕樹(桐光学園3年)の12を上回る16奪三振。「『安楽はどうなっている』の声をたくさん聞いたので、結果を出したかった。勝ててホッとした」。9回を100球、無四球での完封勝ちにほおを緩めた。

 試合前、ベネズエラがスライダーに弱いという情報を入手。球場がナイターで照明が暗く、速球が有効的だと判断し、田口麗斗(新庄)から安楽に先発をチェンジ。急きょ巡ってきたマウンドで、進化した姿を見せた。「ぼくの速球は世界で通用しない。変化球中心でいく」と自慢の剛速球を封印して臨んだ一戦。初回に3者連続三振を奪い、ギアを上げた7回にも3者連続三振。最速は球場表示で148キロながら、スライダー中心の投球で三振の山を築いた。ボール球はわずか16球。今春センバツでは球数の多さから物議を醸したが「アメリカの方にも100球で勝てる姿を見せられた」と胸を張った。

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