履正社・溝田悠人投手が1安打完封、小山台・伊藤優輔投手は8奪三振も11失点

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 センバツ大会1日目、履正社vs小山台の試合は11-0という大差となった。履正社のエース・溝田悠人選手が8回までノーヒットピッチングで9回1安打8奪三振完封、対する伊藤優輔投手は8奪三振も8四死球と制球を乱し11失点で敗れた。

エース

 履正社高校には力のある3年生の投手もいるし、2年生に147km/hを投げる永谷暢章投手もいる。しかし背番号1をつけるのは2年生の溝田悠人投手で、その評価に見事に応える安定感を見せた。ストレートは130km/h前半だが、腕を思い切り振り切って投げてバッターの懐に差し込むと、同じ腕の振りから投げられるスライダーで次々と内野ゴロを奪った。

 8回までノーヒットを続けたが9回1アウトからショートの前にボテボテの内野安打を打たれノーヒットノーランの記録は断たれた。しかし、その後も気持ちを乱すことなく1安打8奪三振で完封、小柄なエースが活躍する履正社のエースらしいピッチャーだと感じた。

 ドラフト会議の視点から見ると多くの実績を積んで評価されるタイプの投手だと思う。この安定感ある投球を続けて甲子園優勝、大学野球、社会人でも経験を積んで欲しい。その一歩目として非常に大きな好投となり、今後、溝田投手を語るのに必ず出てくる試合となったことでしょう。

 

プロ注目の伊藤優輔投手

 昨年秋の東京都大会で堀越、早稲田実業を破り、日大豊山を完封してベスト8まで勝ちあがった小山台のエース伊藤優輔投手だったが、この日は11失点を喫した。昨年秋は7試合60回を投げて19四死球、少ないということも無いがこの日は8つの四死球を与えてしまい制球を乱していた。それを恐れて腕の振りが縮こまると、履正社の打者は見逃さずにヒットをして9安打を許して敗れた。

 しかし、腕を鋭く振って投げたストレートは球速は130km/h前半でも打者を詰まらせた。キレイなフォームから投げられる点もプロが注目している事がわかる。以前、松本工の柿田裕太投手が甲子園で九州学院に5回で12失点をして敗れた。しかし3年後、日本生命のエースとして2013年のドラフト会議でドラフト1位でプロ入りしている。ストレートでもスライダーでも腕を振りきることができれば、将来のプロ野球を意識できる投手だと思う。

 

  スコアボードに「H」のマークが点灯すると、溝田悠人は何とも言えない笑みを浮かべた。9回1死、竹下直輝の三塁へのボテボテの当たりが内野安打となった。「日頃の行いが悪いのでしょう。切り替えて完封を目指した」。あと2人のところでノーヒットノーランの快挙を逃したが、2年生右腕は笑っていた。

 小山台打線を完全に手玉に取った。「あまりいい球がなかった。きょうの投球は納得がいっていない」。そう言いながらも、直球と切れ味抜群のスライダーで凡打の山を築いた。2月下旬にインフルエンザに感染。調整が心配されるなかマウンドに上がったが、終わってみれば1安打完封劇。岡田龍生監督(52)を「本来の投球ができた。溝田の頑張りが非常に大きかった」とうならせた。

 “歴史”は繰り返された。溝田は中学2年時に、甲子園で行われた関西NO1を決める少年野球大会「タイガースカップ」に出場。この日と同じ1回戦、同じ最終回(大会規定で7回)。1死まで無安打の好投を見せたが、当時も安打を許し偉業を阻まれた。あまりにそっくりな状況での被安打に「あの時を思い出した。こんな偶然あるのかと。甲子園ってすごいなと思うと自然に出た」と笑顔の理由を明かした。

  「アウトにしてくれるかなと思ったけど、ギリギリセーフ。仕方ない。日ごろの行いが悪かったからかな」

 序盤は高めに浮く場面もあったが、二回に5点の援護を得ると波に乗った。内角をえぐるシュート系と外角へのスライダーを効果的に使い、東京都大会で早実や日大豊山などの強豪を撃破した小山台から凡打の山を築いた。一回一死から味方の失策で出塁を許したが、そこから打者23人を完璧に抑え込んだ。四死球すら与えず、8奪三振。圧巻の内容だ。

 快挙を狙った九回。一死を取って過去の記憶が蘇った。3年前の甲子園。少年野球の関西NO・1を決めるタイガースカップの1回戦で、最終回(七回制)一死まで無安打投球しながら、右前にヒットを打たれた。

 強打の大阪王者に真っ向勝負した。エース・伊藤は2回に4四球と乱れ、押し出しと満塁弾で5失点。「球場の雰囲気にのまれた」。それでも、5回までに8三振を奪って178球完投した。打線は9回1死から代打の竹下直輝(2年)が相手右腕のノーヒッターを阻止する三塁内野安打。4000人超えの三塁側アルプスの大声援を受け、21世紀枠の意地を見せた。


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