沖縄尚学・山城大智投手が完封、報徳学園・岸田選手が捕手・投手こなす

報徳学園, 沖縄尚学, 山城大智, 岸田行倫

 昨年秋の明治神宮大会で優勝した、今大会優勝候補の沖縄尚学が登場した。対戦相手はこちらも強豪の報徳学園、戦力的には劣ると評価されていたが1-0と勝利と敗戦が紙一重の試合となった。

山城大智投手が完封

 沖縄尚学の山城大智投手は、昨年秋の決勝で4回までに3失点して外野へ下がった。その後再びマウンドに戻ると3回1安打4奪三振の熱投を見せ、9-8の大逆転勝利に結び付けている。この日は最速141km/hを記録したが、ストレートは130km/h前後で、捕手のミットから目を離さず制球力で報徳打線を抑えた。結局9回を4安打6奪三振1四球、安定感のあるピッチングだった。

 昨年秋からどのような成長を見せるか注目していたが、より勝てる投手になってきた印象を受ける。プロというと大学、社会人で実績を積んでという感じだが、力を入れたときの130km/h後半のストレートは、低めに糸を引くように伸びていく。将来のプロ入りが十分考えられる投手だと思う。

 

岸田選手フル回転

 報徳学園は昨年夏に、ドラフト上位候補と言われた乾陽平投手がフォームを崩し、代わりのエース候補と期待していた長島亜蘭投手などもケガで投げられなかった。それでも兵庫大会準決勝まで勝ち進む実力があるのだが、厳しい戦いとなった。

 今年は、プロ注目候補というエースはいないものの、安定感の高い中村誠投手を中心に守りのチームとなっているが、まだ選手の数が足りず、昨年までショートを守っていた岸田行倫選手は今年はマスクを被り、この日はリリーフ投手もこなした。

岸田選手は捕手としては中村投手をよくリードしたものの、2回に自らの打撃妨害でランナーを溜めて1失点するが、投げては5回2アウトの場面から登板すると、鋭いスライダーがあり、勢いで押すピッチングで、4回1/3を投げて1安打6奪三振と好投を見せた。

 2回に失った1点が重く0-1で敗れたが、それでも収穫の多い試合だったのではないかと思う。昨年夏のようなことはないだろう。

 

  青空へ向け、大きく左足をけり上げた。9回2死、沖縄尚学・山城の112球目は、この日最速の141キロをマークし空振り三振。「最後は力で行きました。(援護が1点でも)気持ちで投げました」。強豪・報徳学園を1―0で完封。昨秋の神宮大会王者が、接戦で勝ち取った。

 ヤクルト・小川のような“ライアン投法”。「マネしていない」が、球威を追い求めてこのスタイルになった。四球は、初回先頭打者にストレートで出した1つだけ。4回以降は走者1人と調子を上げ、比嘉公也監督(32)も「ベース上で球の強さがあった」とうなずく投球だった。

 初回、四球と安打で1死一、三塁のピンチを招くが4番・岸田を一邪飛、続く普久山は二飛に、どちらも直球勝負で打ち取った。「真っすぐは走っていたと思う。高めを打ってくれてフライが多く助かった」と序盤は力で押した。3回からはスライダー、ツーシームをバランスよく混ぜた。4回以降はわずか1安打無四球。危なげなく虎の子の1点を守りきった。

 大リーグの名投手、ノーラン・ライアンばりに左足を大きく上げるフォーム。「まねをしたわけではなく自然にこうなった。上げる、ではなく上がるという感じ」という。1メートル76の身長をより大きく見せ、打者に威圧感を与えたいと生み出したオリジナル投法。このフォームで昨秋は九州大会を制し、神宮大会優勝をもたらした。オフには「軸がぶれないように体幹強化と走り込みに取り組んだ」。1日100球の投げ込みを1週間続けてフォームを固め、スタミナも養成した。9回にこの日の最速141キロを記録したのはオフの強化の成果だった。

 昨春は遊撃手として出場した報徳学園(兵庫)の岸田は、コンバートされた捕手で打者のバットにミットを当ててしまう二回の打撃妨害が唯一の失点につながり「冷静に抑えていこうと思っていたのだけど…」と唇をかんだ。4番打者としても一回の好機で凡退するなど、4打数無安打。それでも五回途中からの救援登板では6三振を奪い「気持ちは熱く持って、頭は冷静に投げられた」と意地を見せた。


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