山崎康晃投手が10回11奪三振1失点完投、亜細亜大が6連覇

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 東都大学リーグでは亜細亜大vs国学院大の対戦が行われ、亜細亜大が延長10回の末2-1で勝利し6連覇を果たした。エースの山崎康晃投手が10回を6安打11奪三振で1失点に抑え、今季5勝目はエースとして申し分のない投球だった。

エース・山崎康晃

 山崎康晃投手はこの日は気合十分、一昨日のマウンドで9回2/3、128球を投げたもののサヨナラ満塁弾を浴びたが、そのショックも疲れも感じさせない投球が続いた。

 5回にタイムリーヒットで1点を先に与えるも味方が7回に同点に追いつくと、そのまま10回までを無失点に抑えた。10回のマウンドでは2アウトながら1,3塁のピンチを迎えた所で右でん部が痙攣し、一度ベンチに退いた。しかし「行かせてください」と直訴しストレッチをして状況を回復させると再びマウンドに登った。

 その4年生エースの姿を見た野手陣の気持ちが高まる。国学院大の佐々木選手の打球は三遊間の痛烈な打球で、サードの藤岡裕大投手がはじいた。しかし素早く状態を起こすとボールを拾い、高校時代は148km/hを記録していた強肩でファーストに送球し、一瞬足をゆるめた走者をアウトにして優勝を決めた。

 

最優秀選手に山崎康晃投手

 山崎康晃投手は10回を投げて6安打11奪三振1失点で1回戦のリベンジを果たした。これで今季5勝、昨年までは東浜巨投手、九里亜蓮投手がいたためリリーフが多かったが、今季は6試合に完投とエースの投球を見せた。

 今季は昨年のような150km/hを超すストレートでビシビシと三振を奪って完封するような投球よりは、解禁したナックルやカットボールなどの変化球を巧みに使って、1失点、2失点で完投できるピッチングだった。

 昨日の広島のスカウト会議でも「現在では有原の一人勝ち」と大学生投手として有原航平投手が頭一つ抜き出ているという評価となっている。しかし、1シーズンを先発で投げ切った事で、秋は先発でも手がつけられないようなピッチングをするのではないかと思う。

 最優秀選手と最優秀投手に選ばれた山崎康晃投手、秋までの成長も楽しみだ。

 

国学院大、あと一歩

 国学院大はこのカードの初戦で勝利し先に王手をした。またこの試合も10回は同点までわずかの差だった。しかしその僅かの差が、まさにあと一歩、亜細亜大に追いつかなかった。

 10回の表は1アウト3塁のピンチを迎える。そこで相手のスクイズを読みウエストしたが、一瞬その動作が早かったのか、亜細亜大のサードランナー・池知選手がスタートを切ったもののサードに戻った。その後タイムリーヒットで1点を失い。

 1点を勝ち越された10回裏も2アウト1,3塁の場面で三遊間のヒット性の当たりを打ちヒットを確信して一瞬足を緩めたが、サードがミットに当てて拾い直すと、矢のような送球でアウトを取られた。

 エースの田中大輝投手はこのカードの初戦を10回6安打完封、この日も10回を8安打5奪三振で2失点に抑えたものの、優勝はできなかった。しかし今季4勝1敗、防御率は山崎康晃投手を上回る1.11でリーグ2位と大活躍を見せた。

 今季の投球はプロへとつながる投球となった事は間違いない。182cmの大型左腕はいつかプロで投げている姿を見せるだろう。

 

 こみあげる感情を抑えきれなかった。整列を終えてベンチ裏に下がった山崎は、人目をはばからず声を上げて泣いた。

 「仲間のおかげ。優勝が決まってホッとしました」

 重圧を乗り越えた安どの涙だった。雌雄を決する大一番。27日の1回戦で延長10回にサヨナラ満塁弾を浴びた右腕は、気温28度の暑さの中で初回から飛ばし、9回まで1失点。しかし、2日前に128球を投げた体は限界に近づいていた。1点を勝ち越した直後の10回、熱中症から右臀(でん)部がけいれんを起こし、軸足で踏ん張れずに球はすっぽ抜けた。安打と四球で2死一、三塁。頂点まであと1アウト。だが、9番・佐々木に1球目を投じたところで、1度ベンチに下がった。それでも「ここで降りてはエースの名が汚れる」と生田勉監督に続投を志願。ストレッチを施して、再びマウンドに戻ると、三ゴロに仕留めて140球を投げ抜いた。

 1回戦の延長10回、山崎はサヨナラ満塁弾を浴びて敗れ、膝から崩れ落ちた。しかし、指揮官の「下を向いても、心だけは折るな。3回戦は頼むぞ」という言葉で、必死に気持ちを保った。2回戦を勝ち「仲間がつないでくれたチャンスを無駄にはできない」。その思いをボールに込め、魂の140球、11奪三振につなげた。

 何度勝っても「また本当のエースじゃない」と叱咤(しった)し続けた生田監督も「エースの根性を初めて見た。本当の大黒柱。今日は100点満点」と、初めて褒めた。今季は背番号17の2番手投手・花城直(ちょく、3年)が難病の「黄色じん帯骨化症」で離脱。特別な思いを抱え、フル回転でリーグトップの5勝をマークし、今秋のドラフト1位候補の力を見せつけた。


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