亜細亜大7年ぶり優勝、嶺井博希選手が先制ホームランと決勝タイムリー

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 明治神宮大会は決勝が行われ、大学の部では亜細亜大と明治大が対戦し、亜細亜大が2-1で勝利した。

嶺井のチーム

 亜細亜大の生田監督は「このチームは嶺井のチーム」と何度も話すほど、捕手の嶺井博希選手を信頼していた。2年生からマスクをかぶり東浜巨投手などをリードして成長し、いよいよ最上級生となって臨んだこの1年、九里亜蓮投手、山崎康晃投手をリードして大エースの東浜巨投手の穴を埋めるだけでなく、届かなかった全国制覇も達成して昨年を越えて見せた。

 この日は4回の第2打席でインコースの変化球をすくい上げると、レフトスタンドに飛び込むソロホームラン、嶺井選手は走る最中も何度も喜びを表した。6回には2アウト3塁の場面で、日米野球のエースでバッテリーを組んだ関谷亮太投手からセンター前にタイムリーを放つ。この1点が決勝点となり亜細亜大学は優勝した。

 出身高校の沖縄尚学が先に優勝を決めていた。0-8からの逆転勝利で優勝し、負けられないという気持ちが膨らんだ。優勝が決まった時、嶺井選手は「力が抜けた感じ。ホッとしたのが一番。」と話した。チームを背負い続けた嶺井選手が手にした勲章は大きかった。

プロでもチームの中心に

 ドラフト3位で指名した横浜DeNAは捕手は鶴岡一成捕手や黒羽根利規選手(2005年高校生ドラフト3位)や、高城俊人選手(2011年のドラフト2位)などがおり、捕手の層は比較的に厚い。今年のドラフトでは即戦力投手の補強に専念し、ドラフト1位で柿田裕太投手、ドラフト2位で平田真吾投手を指名した。3位でも投手指名かと思われたが、迷わずに嶺井博希選手を指名した。

 球団関係者は口々に「3位まで残っていると思わなかった。」と話す。球団内ではドラフト1位の評価をしていたようだ。この日の嶺井選手の活躍を聞いた中畑監督は、「どんどんワクワク感が増すね。そもそもドラフト3位に残っていてくれたのがラッキー。」と話し、「バッティングに不安があるかなと思っていたけど、打つのも急成長しているとなると三拍子そろった即戦力。彼が入ることによってチームの心臓部分である捕手でレベルの高い競争をしてくれるといいね。」と早くも期待を示した。

 またこの日視察をした武居スカウトも「陰になり、リードする捕手の雰囲気がベスト」とあらためて評価をした。

九里亜蓮投手、山崎康晃投手のリレーで防御率0.00

 今大会で亜細亜大は、3試合全てで九里亜蓮投手、山崎康晃投手の2人のリレーで勝利した。広島にドラフト2位指名された九里亜蓮投手は3試合で、18回1/3を投げて10安打23奪三振6四死球、2失点も自責点は0。四死球の少ない九里投手にしては四球が多かったものの、三振を奪う力強い投球も見せ、ドクター0ぶりを発揮した。

 そして山崎康晃投手は8回1/3で3安打6奪三振0四死球で失点・自責点0、日米野球でもリリーフとして無失点に抑えたが今大会でも140km/h中盤のストレートとスライダー、チェンジアップで格の違いを見せ付けた。

 九里投手は「うれしい。ただそれだけです。」と話し、「自分の色をしっかり見つけ、人に憧れてもらえるプロ野球選手になれれば」とプロでの思いを語った。そして山崎康晃投手は来年のドラフトに向けて注目される1年間が始まる。ただし、九里投手が抜けてエースの重圧がかかるばかりでなく、嶺井捕手が抜けるため捕手を育てなければならず、かなりの負担が予想されるのは間違いない。

明治大は力及ばず

 結果は1-2で惜しくもというものだが、試合も勝利への思いも亜細亜大の方が強かった印象が残る。先発した山崎福也投手はストレートと変化球が同じフォームから投げられ。140km/h前半のストレートで5回2/3で5安打2失点とまずまずのピッチング、ドラフト候補として注目された関谷亮太投手も嶺井選手にタイムリーを浴びた。

 打撃でも5番に入った、北海道日本ハムドラフト3位の岡大海選手も4打数1安打など、全体でも4安打に終わった。東都大戦では2年生2人のホームランで勝利し、準決勝は主将・中嶋啓喜選手の勝ち越し打で共に4-1で勝利したが、チーム全体ではそれぞれ4安打、5安打しか打てず、3試合で13安打という内容だった。

  「優勝の瞬間、ホッとしたのが一番。“人間はどうあるべきか”を教えてくれる監督さんについてきてよかった。最後の最後で日本一の胴上げができた」

 沖縄尚学高では1年先輩の東浜(現ソフトバンク)とバッテリーを組み、2008年のセンバツを制した。昨年まで東浜がエースだった亜大はリーグ戦で5季連続優勝中。嶺井はそのうち4季でマスクをかぶっているが、今春まで全国大会の優勝とは縁がなかった。

 今年6月の大学選手権決勝で敗れると、練習メニューは選手に委ねられた。入学時から生田監督が4年時の主将と思い描いていた嶺井は後輩の話にも耳を傾け、チームをまとめ上げた。この日の2安打は「常につなごうという意識で打席に立った結果」という。

 ドラフトではDeNAから3位指名を受けた。「陰になり、リードする捕手の雰囲気がベスト」と担当の武居スカウト。「プロでの背番号は何番でも。自分の番号にしますから。(広島2位指名の)九里と対戦したら勝ちたい」と芯の強さを秘める嶺井が、大学日本一を手にプロの世界へ踏み出す。

亜大7年ぶりV!DeNA3位・嶺井が全打点! - スポーツニッポン:2013/11/21

  昨年まで絶対的な存在だった東浜(現ソフトバンク)が抜け、苦悩の中での新チームスタートだった。今春の全日本大学野球選手権では決勝で涙をのんだ。生田監督は「何かを変えないと勝てない」と、練習メニューを選手に作成させるなど、自主性を重んじた。その先頭に立ったのが、捕手で主将の嶺井だった。学生コーチらと「勝つためには何が必要か」を考えミーティングを重ねた。スクイズ、盗塁、ヒットエンドラン…。リーグ戦中も練習メニューには工夫を凝らした。チームは今大会3試合で7盗塁を決めたが、いずれも選手の判断でスタートを切った。「最後の最後でいいチームが出来上がった」と指揮官は言った。

 試合前には母校・沖縄尚学が高校の部で初優勝を飾った。同校の比嘉公也監督から「次はおまえの番だ」と声を掛けられ、「後輩に負けていられない」と刺激に変えた。08年センバツでは東浜とバッテリーを組み、全国制覇。あれから5年。今度は主将としてチームを束ね、大学日本一をつかんだ。25日からは母校での教育実習に臨む嶺井は「まずは野球より勉強です」と、先生の顔で笑った。

 DeNA・中畑清監督 どんどんワクワク感が増すね。そもそもドラフト3位に残っていてくれたのがラッキー。バッティングに不安があるかなと思っていたけど、打つのも急成長しているとなると三拍子そろった即戦力。彼が入ることによってチームの心臓部分である捕手でレベルの高い競争をしてくれるといいね。早く会いたい。キャンプが楽しみだなあ。

  やっと、この日が来た。主将・嶺井を中心に亜大ナインが輪を作る。生田勉監督(46)が高々と3度、舞い上がった。「(胴上げは)日本一になってから、と決めていました」。東都リーグ戦5連覇では胴上げを封印。7年ぶりの頂点で監督を宙に舞わせた主将は、目にいっぱいの涙を浮かべた。

 名実ともに嶺井がチームを引っ張った。4回1死からスライダーを左越えに先制ソロ。6回2死三塁でも中前打を決めた。「つなぐ気持ち。自分で決めようとは考えていなかった」。守備でも九里亜蓮、山崎康晃を好リード。明大を4安打に抑え、1点のリードを守った。高校の部決勝で母校・沖縄尚学が初V。比嘉監督から「次はお前の番だ」とゲキを送られていただけに、喜びもひとしおだ。

 11年秋から4大会連続で全国大会の頂点を逃した今春以降、朝のミーティングから生田監督の姿が消えた。「自分たちのやりたいようにやれ」。ナインの自主性が試された。嶺井たちを中心に練習メニューを考え、実践。そして、東京六大学の優勝12度を超え、東都勢として大会最多の13度目のVを達成。壁を破った。

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