全国高校野球選手権徳島大会では1回戦で、部員わずか13人で戦う穴吹が城東に0-7で8回コールド負けを喫した。穴吹のプロ注目の最速144キロ左腕・瀧上春斗投手(3年)は、足をつるアクシデントに見舞われながらも7回を投げ抜き5失点と力投。試合後には、プロ志望届を提出する意向を明かした。
13人で戦った夏「最高の仲間たちと一緒に野球ができない」
「もう、最高の仲間たちと一緒に野球ができないと思うとさみしい」。試合後、瀧上春斗投手の目からは涙があふれた。この日、先発したエースは、3回まで無安打無失点、6奪三振と完璧な立ち上がりを見せる。しかし、5回途中に左脚をつってからリズムが崩れ、7回1死満塁の場面では押し出し四球で4点目を与え、一度は一塁の守備に就いた。
それでも、「彼がエースでやってきた。最後は抑えてもらいたかった」という石井大輝監督(32)の思いに応え、8回1死満塁の場面で再びマウンドへ。最後の打者をこの日11個目となる三振に仕留め、エースの意地を見せた。「ベストが出せなくて悔しい」と唇を噛んだが、徳島の夏に爽やかなものを残した。
巨人、ソフトバンクが視察 ソフトバンクスカウト「球のキレがあって、総合力が高い」
144キロ左腕・瀧上投手にはプロのスカウトも注目をしている。この日はネット裏に巨人と福岡ソフトバンクのスカウトが視察に訪れた。福岡ソフトバンクの大本スカウトは、その能力を高く評価した。
福岡ソフトバンク・大本スカウト:「球のキレがあって、総合力が高い」
プロ志望を表明、13人の野球部からプロ野球選手誕生なるか
母・翔子さんが「家に帰ってきても、気がつくと自主練習をしている」と感心するほどの努力家。その努力で掴んだ実力を、次のステージで試す覚悟だ。試合後、滝上投手はプロ志望届を提出する意向を表明した。部員13人の穴吹高校から初のプロ野球選手は誕生するか。ドラフト会議が注目される。
キレの良いストレートとスライダーなどの変化球を織り交ぜ、その能力を十分感じさせてくれた。またフォームのバランスもよく将来性も十分ある。ただし、まだ体が細くて小さく、球速帯は130キロ後半で、その出力を上げていく必要がある。巨人の井上温大投手のような形で体を作ってゆき、キレの良いストレートで勝負できるような投手になってゆきたい。
滝上春斗投手 プロフィール
- 氏名:滝上 春斗(たきがみ はると)
- 所属:穴吹高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:左投
- 主な特徴や実績:最速144キロを誇るプロ注目左腕。2025年夏の徳島大会初戦で7回3安打5失点、11奪三振の力投。巨人、ソフトバンクが視察し、ソフトバンク・大本スカウトから「総合力が高い」と評価される。卒業後はプロ志望届を提出する意向。


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