2023年の注目の高校生投手のドラフト指名予想をしてみます。
高校生投手のドラフト上位候補
選手名 | 学校 | 投打 | 特徴 | 評価 | |
---|---|---|---|---|---|
投 | 川勝空人 | 生光学園 | 右右 | 179/83 | 特 |
清水大暉 | 前橋商 | 右右 | 190/85 | A | |
洗平比呂 | 八戸学院光星 | 左左 | 177/76 | A- | |
小川哲平 | 作新学院 | 右右 | 183/90 | A- | |
津嘉山憲志郎 | 神戸国際大付 | 右右 | 178/92 | A- |
昨年1月には、前田悠伍投手、東松快征投手、松石信八投手、平野大地投手、中村海斗投手、坂井陽翔投手の6人を挙げ、2位までに入ったのは2人だった。今年は上記の5選手を上位候補として挙げる。前田投手のように、ドラフト1位確実という選手は今年はいない。
川勝空人投手はここ数年見た高校生投手の中で、強いストレートではNO.1とも感じさせる。特に昨年は坂井投手、河内康介投手、木村優人投手とシャープさを感じさせる投手が多かったが、川勝投手はグッと右足で踏ん張り、上体でも力を加えて腕を上から振り下ろす感じで、パワーがある。それでいて長いイニングを投げられ、ストレーとに得意のスライダーのコントロールも良い。まだ実績的な面でドラフト1位評価に至っていないが、個人的には即戦力とも考えられるほどバリバリのドラフト1位候補と予想する。
清水大暉投手はタイプが異なり、佐々木朗希投手に近い印象で手足が長く、身体自体はまだ線が細い。しかし、その長い体をたくみにつかって反動をつけ、それほど力感がなくてもラインを描く145キロ超のストレートを投げる所は本当に佐々木朗希投手を感じさせる。
洗平比呂投手は左のNO.1と評価、肩が良く周り、腕をうまく畳んでリリースでぐっと伸びてくる。ストレートはキレも十分で、高めのストレートで空振りを取れる。高校ではこのストレートとやイミングを外すチェンジアップ・スライダーで十分で、昨夏の甲子園は明桜を4安打7奪三振完封。今年さらに体が大きくなってもっと楽に腕が振れるようになって球速も147キロ前後になれば、ドラフト2位までに入ってくる可能性がある。
小川哲平投手と津嘉山憲志郎投手は1年時から活躍を見せており、知名度では上記の3人を上回る。小川投手は特に下半身が素晴らしくがっしりしており、すでに上のカテゴリの投手のようにマウンドで余裕を持って投げている。ストレートの威力で押すというよりはストレートと変化球をうまく組み合わせており、ストレートも楽に投げたりと球速差をを付けたりとテクニックも十分ある。津嘉山投手もがっしりとしており、投げていてブレる事が無さそうな安定した土台がある。ワインドアップからストレートの威力も十分、変化球もスライダーだけでなくフォークやカーブなどもしっかりと投げ分けられる。
川勝投手、清水投手が弾の威力などでインパクトで評価されるのに対し、この2投手は投球を通じて総合的にアピールをしていくタイプで、とにかく実績を残してゆけば2位までに入ってくると思う。侍ジャパンU18代表の主戦になりたい。
その他、ドラフトで指名されそうな高校生投手
選手名 | 学校 | 投打 | 特徴 | 評価 | |
---|---|---|---|---|---|
投 | 田中稜真 | 旭川実 | 右右 | 175/72 | B+ |
高沢奏大 | 一関学院 | 左左 | 188/85 | B+ | |
伊東尚輝 | 愛工大名電 | 右右 | 182/82 | B+ | |
藤田琉生 | 東海大相模 | 左左 | 193/75 | B | |
小船翼 | 知徳 | 右右 | 197/100 | B | |
平嶋桂知 | 大阪桐蔭 | 右両 | 187/84 | B | |
村上泰斗 | 神戸弘陵 | 右右 | 179/73 | B | |
今朝丸裕喜 | 報徳学園 | 右右 | 185/68 | B | |
高尾響 | 広陵 | 右右 | 172/72 | B | |
谷口優人 | 鹿屋中央 | 右右 | 177 | B | |
岡本琉奨 | 八戸学院光星 | 左左 | 176/82 | B- | |
冨士大和 | 大宮東 | 左左 | 184/71 | B- | |
十川奨己 | 立命館宇治 | 右右 | 195/86 | B- | |
岡村宝 | 高知商 | 右右 | 189/70 | B- | |
西尾海純 | 長崎日大 | 右右 | 177/77 | B- | |
河野伸一朗 | 宮崎学園 | 左左 | 189/70 | B- |
田中稜真投手はマウンド上ですでに大学生か社会人が投げているような印象を受けるほど落ち着きと完成度が高い。スリークォーターからの147キロの球も威力ある。高沢奏大投手は大型左腕だがバランスが良く、球速も146キロと伸びてきている。伊東尚輝投手は体もあり149キロの球をなげるが、力を入れていない感じで淡々と速い球を投げてくる。
ここからは素材型。藤田琉生投手は193cmの大型左腕で1年時にその良さを確認したが、2年時までに登板が少ない。小船翼投手は超大型右腕で150キロを記録、制球などに課題がありフォームにも引っかかりがあるが素質が評価されそう。平嶋桂知投手は大阪桐蔭で実績も十分あるが、体の線の細さを感じる。それでも154キロを投げており底知れない。村上泰斗投手はバランスの良い体から、シャープで角度のある152キロのまっすぐを投げる。制球や変化球はまだ課題で大事な所での登板はまだ少ない。今朝丸裕喜投手は185cmの長身で146キロを記録、先輩の盛田投手のように沈む球使うが評価は1ランク上になりそう。鹿屋中央の谷口優人投手はフォームはゆったりとしているが、ストレートはキレが十分で144キロの球速もかなり速く感じるギャップ萌え。
高尾響投手は1年時から投球能力が高く、すでに実績や十分。マウンドさばきやテンポ、そして147キロのストレートはキレもある。しかし思い切り投げなくても抑えられてしまう域に行っており、小川投手、津嘉山投手に似た感じである。しかし、それができるゆえに変化球が多くストレートは141キロくらいのキレで勝負し、体も二人ほど大きくない事から、うえのカテゴリへのアピールという点ではやや少ない印象を受ける。
他には岡本琉奨投手はダイナミックなフォームの左腕でストレートの威力がある。冨士大和投手もダイナミックさが光るスリークォーターで、低い位置から放たれるストレートに威力がある。十川奨己投手は高身長から投げられるストレートの角度は素晴らしいし、超大型だがフォームのバランスも良い。岡村宝投手も高身長でダイナミックに腕を投げ下ろすが、右足の蹴りと腕の振りで144キロのストレートはもっと速く感じる。西尾海純投手は体のサイズは無いが低めから低めに唸るようなストレートを投げる。河野伸一朗投手は高身長左腕投手でまだ線は細いが伸びと角度のあるストレート甲子園でも見せた。
指名順位予想
2022年に指名された高校生投手と比較して、指名順位を予想してみる。
順位 | 2023年 | 2024年 |
1~2位 | 前田悠伍・大阪桐蔭 坂井陽翔・滝川二 河内康介・聖カタリナ | 川勝空人・生光学園 清水大暉・前橋商 洗平比呂・八戸学院光星 |
3~4位 | 東松快征・享栄 木村優人・霞ケ浦 武田陸玖・山形中央 日當直喜・東海大菅生 杉山遙希・横浜 福田幸之介・履正社 成田晴風・弘前工 早坂響・幕張総合 | 小川哲平・作新学院 津嘉山憲志郎・神戸国際大付 村上泰斗・神戸弘陵 高沢奏大・一関学院 伊東尚輝・愛工大名電 冨士大和・大宮東 谷口優人・鹿屋中央 河野伸一朗・宮崎学園 |
5位以下 | 田中稜真・旭川実 今朝丸裕喜・報徳学園 平嶋桂知・大阪桐蔭 高尾響・広陵 | |
育成 | 武内涼太・星稜 寿賀弘都・英明 松石信八・藤蔭 清水麻成・樹徳 加藤大和・帝京大可児 川下将勲・函館大有斗 杉原望来・京都国際 宮國凌空・東邦 木瀬翔太・北嵯峨 園田純規・福岡工大城東 藤原大翔・飯塚 千葉隆広・旭川明成 長水啓眞・京都国際 | 藤田琉生・東海大相模 小船翼・知徳 岡本琉奨・八戸学院光星 十川奨己・立命館宇治 岡村宝・高知商 西尾海純・長崎日大 |
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