全国高校野球選手権広島大会では、今春の県王者・英数学館がセンバツ8強の広島商業に2-4で敗れた。プロ注目の最速149キロ右腕・藤本勇太投手(3年)は、8回を8安打4失点と力投したが、強豪の壁に阻まれた。ネット裏には、巨人が9人態勢を敷くなど11球団約40人のスカウトが集結。試合後、藤本投手はプロ志望届の提出を明言した。
8回8安打4失点、148キロ熱投
昨秋の明治神宮大会準優勝校・広島商業との一戦は、事実上の決勝戦ともいえる好カード。そのマウンドで、藤本勇太投手は持てる力の全てを出し尽くした。初回に先制を許し、同点で迎えた5回には2死から3連打を浴び勝ち越しを許すなど、苦しい展開が続いた。それでも、公式戦では自己最速となる148キロをマークするなど、8回123球を投げ、8安打4失点で完投した。
試合後、藤本投手は「神宮大会でも勝っていったチームで、腹をくくってやった。負けたのは悔しいですが、広商相手に自分たちがこれだけやれたのはすごく大きい」と話し、「力は出し切れた。楽しかったですし、悔いはないです」と、涙はなく、笑顔で最後の夏を振り返った。
11球団40人のスカウト集結、巨人は9人
その熱投に、北海道日本ハム、横浜DeNAなど11球団40人のスカウトが集まり、巨人は水野雄仁編成本部長代理を含む9人、阪神も竹内孝行球団本部副本部長ら4人という異例の態勢で視察した。
巨人・水野雄仁編成本部長代理:「真っすぐがいい。いいピッチャー。春の広島で勝っているし、野球センスがあるんじゃないですか」
阪神・山本宣史スカウト:「いままでずっとみているし、ストレートは力のある球を投げる。変化球も緩急を使って投げられるし、点が取られたからといって評価が変わるわけではない。練習を見てもブルペンで見ていても違うなと」
横浜DeNA・横山スカウト:「十分なスタミナがあるし責任感の強さがあって、自分で投げていこうという意志が見えた。」
球質、変化球、スタミナ、そして野球センスや責任感といった幅広い面で評価をされている。
入学時128キロから急成長、プロの舞台へ
高校入学後に投手に転向し、当初128キロだった球速は、3年間で149キロまで成長。今春は全5試合を完投し、チームを初の県大会優勝に導いた。その成長の礎には、2019年末まで同校の臨時コーチを務めていた故・北別府学さんの「百折不撓」の教えがあった。「3年間、何回も投げて負けることがあったけど、折れずに努力できたのはすごく大きかった」と、その言葉を胸に練習に励んできた。
試合後、藤本投手は「プロに入るという目標は変わらない。出すつもりです。10月のドラフト会議に向けてやっていきたい」と話し、プロ志望届を提出することを明言した。
とにかく藤本投手の登板には大勢のスカウトが視察に訪れる。個人的にしっかりと見られているわけではなく、まだ本当の力を見られていないのかもしれないが、とにかくプロ側から評価の高い選手で、ドラフト会議では4位前後で指名される可能性があると思う。
藤本勇太投手 プロフィール
- 氏名:藤本 勇太(ふじもと ゆうた)
- 生年月日:2007年8月28日
- 出身地:広島県庄原市
- 経歴:東城ファイターズ(小4) – 東城中学校(軟式野球部) – 英数学館高校(3年)
- 投打:右投右打
- 身長・体重:177cm・75kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速149キロを誇るプロ注目右腕。2025年夏の広島大会3回戦で広島商相手に8回4失点と力投。巨人、阪神など11球団約40人のスカウトが視察し、高い評価を受ける。今春の広島県大会で初優勝に貢献。高校入学後に投手に転向。プロ志望届の提出を明言。






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