全国高校野球選手権茨城大会は準々決勝が行われ、水戸啓明が藤代に1-4で敗れ、ベスト4進出はならなかった。21日の4回戦で夏の茨城大会47年ぶり2人目となる完全試合を達成したプロ注目右腕・中山優人投手(3年)は、中1日での先発マウンドに上がり7回4失点と力投したものの甲子園には手が届かなかった。試合後、悔しさを滲ませながらも、指導を受けた元中日・春田剛監督への恩返しを胸に、プロ入りへの強い決意を語った。
完全試合から中1日、122球の熱投「降りるわけにはいかなかった」
「疲れがあった」。完全試合達成から中1日での先発。中山優人投手は立ち上がりから苦しいピッチングを強いられた。自己最速146キロを誇るストレートが走らず、3回まで毎回の先頭打者に出塁を許した。それでも、「みんなの気持ちを背負っている以上、ここで降りるわけにはいかなかった」と、エースの意地で7回を122球投げ抜いた。結果は12安打を浴び4失点。チームを勝利に導くことはできなかった。
182cm65kgとまだ細身で、身長も伸び続けているという中山投手。その未完の大器を、元中日選手でもある春田剛監督が、食事やトレーニングの面でつきっきりで指導してきた。「増えづらい中で、一生懸命やってる姿を見てきた。ここまで来たのは本人の頑張りです」と、指揮官は最後まで投げ抜いたエースを労った。
「すごい選手になって、監督に恩返しがしたい」
中山投手は進路についてプロ一本と話しているが、試合後にあらためて、プロへの思いを口にした。「プロのレベルで自分は通用しないとわかっている。実力が劣っている部分を認めて、勝てる投手になりたい。すごい選手になって、監督に恩返しがしたい」。
プロ野球で活躍している投手になること、元中日の春田監督への恩返しの気持ちを武器に、プロの世界に挑戦する。この夏は多くの球団のスカウトが視察をしており、その将来性は評価されたものと見られる。近年のドラフト会議ではスケールや球速を出している選手が評価が高まる傾向にあるが、2023年に千葉ロッテがドラフト3位で指名した霞ケ浦の木村優人投手に雰囲気が近い所がある。その木村投手が高校卒3年目の今年、1軍で勝利をする投手となっており、中山投手の将来のイメージもそれに近い形になると思う。木村投手は高校時に150キロを記録していたが、そこをどうひょうかするかだろう。個人的にはやや差し引かれてドラフト下位、または育成ドラフトでの指名くらいと思うが、高く評価する球団も出てくるかもしれない。
中山優人投手 プロフィール
- 氏名:中山 優人(なかやま ゆうと)
- 所属:水戸啓明高校(3年)
- ポジション:投手
- 投打:右投
- 身長・体重:182cm・65kg
- 主な特徴や実績:最速146キロを誇るプロ注目右腕。2025年夏の茨城大会4回戦で、大会史上47年ぶり2人目となる完全試合を達成(14奪三振)。準々決勝で敗退するも、卒業後はプロ一本を明言。元中日・春田剛監督の指導を受ける。


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