東都大学野球1部春季リーグ戦は27日、神宮球場で1試合が行われ、亜細亜大学が日本大学を1-0で下し、2勝1敗で勝ち点4を獲得した。亜細亜大学は今秋ドラフト上位候補の齊藤汰直投手(4年・武庫荘総合)、同じくドラフト上位候補の山城京平投手(4年・興南)、そして井上悠投手(3年・県岐阜商)の3投手による継投でノーヒットノーランを達成。この試合で全日程が終了し、山城投手は最優秀防御率(1.39)のタイトルも手にした。
齊藤汰直投手が志願の先発、雪辱の5回パーフェクトピッチング
今季2位が確定していた亜細亜大学だが、この日の先発マウンドにはプロ注目のエース・齊藤汰直投手が志願して上がった。齊藤投手は1回戦で先発したものの、日大のエースで同じくプロ注目の市川祐投手と投げ合い、6回途中4失点でマウンドを降りていた。
「借りを返さないと、プライド的にも悔しかったので」と、雪辱を期すマウンドで圧巻の投球を披露。初回から最速149キロを計測するなど力強いストレートで押し、5回を投げ1四球のみの無安打6奪三振と完璧に抑え込んだ。
山城京平投手、最優秀防御率確定の快投!後輩の心意気に感謝
6回からは、最速154キロを誇る左腕・山城京平投手が2番手で登板、先頭に四球を与え、犠打野選で無死一、二塁のピンチを招いたが、後続をしっかりと断ち切った。8回先頭を空振り三振に仕留めたところで降板し、2回1/3を無安打1四球3奪三振無失点、これで今季の防御率を1.39とし、青山学院大学の中西聖輝投手を逆転して最優秀防御率のタイトルを獲得した。「イニング数を投げられたことは一番の成長。初のタイトルなのでうれしい」と喜びを語った。
このタイトル獲得の裏には、後輩の心遣いがあった。試合前、防御率3位につけていた救援エースの井上悠投手が、長いイニングを投げれば自身が1位になる可能性もあったが、「山城さんにどうぞ」とタイトルを譲る意向をチームに示していたという。この後輩の気持ちを受け、山城投手は「いい後輩だと思います」と短い言葉に感謝を込めた。
救援エース井上悠投手が締めて「継投ノーノー」完成
最後は、今季救援ながらチーム最多の5勝(1敗)を挙げている井上悠投手がマウンドに挙がり、1回2/3を1四球1三振無失点に抑えた。今季を象徴するように、齊藤投手、山城投手、井上投手の見事な3投手による継投で、ノーヒットノーランを完成させた。
亜細亜大学の正村公弘監督は、山城投手のタイトル獲得について「山城のタイトルがかかっていたので最初から決めていた。井上にもチャンスがあったが、井上が山城さんに取らせてくださいと言ったので、4年生ファーストにしました」とその経緯を明かした。そして、「勝ち点4と3では違う。もう1つ上に行くために、秋までに鍛え直したい」と、リーグ5連覇を飾った青山学院大学への雪辱と、投手陣のさらなる成長に期待を寄せた。
この戦力で大学野球選手権に出場できないのは、東都リーグのレベルの高さと言うしか無い。秋はもちろんのこと、侍ジャパン大学代表候補合宿でもその投球を見たい。
斉藤汰直投手 プロフィール
- 氏名:斉藤 汰直(さいとう たいち)
- 所属:亜細亜大学(4年)
- 出身高校:武庫荘総合高校
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 主な特徴や実績:最速152キロを誇る今秋ドラフト上位候補の右腕。2025年東都大学野球春季リーグ最終戦の日大戦で先発し、5回無安打1四球6奪三振の快投で継投ノーヒットノーランの口火を切る。
山城京平投手 プロフィール
- 氏名:山城 京平(やましろ きょうへい)
- 所属:亜細亜大学(4年)
- 出身高校:興南高校
- ポジション:投手
- 投打:左投左打
- 主な特徴や実績:最速154キロを誇る今秋ドラフト上位候補の左腕。2025年東都大学野球春季リーグで最優秀防御率(1.39)のタイトルを獲得。日大戦では2番手として2回1/3を無安打無失点に抑え、継投ノーヒットノーラン達成に貢献。





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