近江高校のエース・山田陽翔投手が準決勝の浦和学院戦で、途中に足に死球を受けながらも延長11回を投げ、170球で完投勝利を挙げた。これで4試合連続の完投勝利となった。
8回に145キロ
山田陽翔投手はこの日、5回の打席で左足のくるぶし付近に死球を受け、打席内で倒れて痛がっていた。歩くことができず、肩を貸されながらベンチに戻ったが、その次の守備では足を引きづりながらもマウンドに上る。そして、投球練習を始めた。
その回は2アウト1、2塁のピンチを背負うもこれを抑えると、8回にはこの日最速の145キロを記録した。試合は延長戦に入ったがそこでも交代はせず、延長11回、170球を完投し、最後はサヨナラホームランで勝利した。
1回戦は延長13回165球を投げて7安打10奪三振2失点、2回戦は9回87球で5安打2奪三振2失点、準々決勝は9回127球を投げて8安打10奪三振1失点、そしてこの日は7安打10奪三振2失点、4試合を全て完投して勝利、これまで549球を投げている。
高野連のルールで「1週間に500球以内」の球数制限までは、2回戦からが適用されるため、決勝では116球を投げられるが、死球を受けた影響で病院で診察を受けたところ、「左足関節外果部の打撲症」と診断をされている。決勝の登板については、コンディションを見て判断するという。
足をひきづってでも投げた、こういう美談は個人的には持ち上げることはしたくない。ただ、多くの投手がこれだけ投げると肘が下がってフォーム自体が崩れるなかで、山田投手は真上から投げ下ろすフォームが変わらず、球威もそれほど落ちないのはすごいことだと思った。肩や足の不安が今後も含めて気になるものの、この点は非常に評価ができると感じた。
それでも、かなり無理をして投げていることは間違いない。昨年夏も甲子園でベスト4入りした後、秋は全く登板をしなかった。この春の影響は今後に出てくると思うが、将来に響かないようにしてほしいと思う。まだ、長く野球を続ける夢を持っているのだから。


責任を全うした。「エースで4番で主将。(マウンドを)降りたらいけないと思っていた」。患部を冷やし、テーピングで固定して直後の6回2死一、二塁の危機を乗り越えると、イニング間には左足を引きずりながら8回の135球目にこの日最速の145キロを計時。その後は11回まで1安打。圧巻の投球を演じた。



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