社会人野球JABA京都大会では、Honda鈴鹿vs東芝の試合が行われ、Honda鈴鹿のプロ注目右腕・川原嗣貴投手(3年)が先発した。7球団のスカウトが視察する中、苦しいながらも粘りの投球を見せ、ドラフト解禁年となる勝負の年に挑む。
阪神3人態勢でチェック、プロ注目の152キロ右腕が粘りの投球
先発した最速152キロ右腕、川原嗣貴投手は、6回を投げて9安打を浴び、3失点と良い投球ではなかったが、要所を締める粘りの投球を見せた。許した9安打のうち5本が長打となるなど、相手打線に捉えられる場面も多かった。それでも、「東芝打線が自分にタイミングが合っていると感じた中で、何とかクオリティースタートにまとめられたことは良かったと思います」と話し、本調子でない状況でも試合を作れたことについて話した。試合は6−5でサヨナラ勝ちを収めた。
注目度は高い。川原投手は、高校時代に大阪桐蔭高校のエース候補として活躍し、3年春のセンバツ大会で背番号10を背負いチームの優勝に貢献した。当時も長身から150キロの速球を投げる投手として注目されたが、プロ志望届を提出したもののドラフト会議で指名漏れを経験し、社会人野球の強豪であるHonda鈴鹿に進んだ。社会人野球を2年間経験し、高校卒で飛び込んだ高いレベルの野球でプレーする中でも成長を見せ、ドラフト指名が解禁となる高卒3年目を迎えた。この試合には、3人態勢で視察した阪神を含む7球団のスカウトが集結しており、川原投手の投球に熱視線を送った。
勝負のドラフト解禁年!都市対抗予選へ向け調整
「直球が悪いときは変化球でストライクが取れることが自分の強み」と語るように、状況に応じて変化球でカウントを取るなど、高校時代も引き出しの多さを見せていたが、社会人になってそれに磨きがかかった。189cmから152キロと聞くと、パワーで圧倒する投球をすると思いきやそういうタイプではなく、この日のように我慢強さや粘りを武器とする。
高校時代の悔しさを胸に、社会人野球で自身を磨いてきた事が、この日の粘りとして表れている。入社3年目を迎えた川原嗣貴投手にとって「ドラフト解禁年」である今年、この日の登板は苦しい内容であったが、プロスカウトが視察する中で一定の役割を果たしたことで、今後はこの投球の印象をベースに、次、そしてその次と、良い投球をしていくことがアピールに繋がる。
川原投手も「勝負の年ということは分かりきっている。都市対抗予選にいい状態で入っていけるようにやっていきたい」と、社会人野球最大の目標である都市対抗野球大会の予選に向けて、自身の状態を上げていくことに集中している。大阪桐蔭高校で全国制覇を経験し、社会人野球で揉まれた右腕が、勝負の年にどのような投球を見せてくれるのか注目したい。
川原嗣貴投手 プロフィール
- 氏名: 川原 嗣貴(かわはら しき)
- 所属: Honda鈴鹿
- 出身: 大阪府吹田市
- 生年月日: 2004年(平16年)6月30日(20歳)
- 経歴: ポルテ(幼稚園年少)- 千里丘イーグルス(小学3年~)- 北摂リトルシニア(中学)- 大阪桐蔭高等学校 – Honda鈴鹿
- 投打: 右投左打
- 身長・体重: 189cm・96kg
- 最速: 152キロ
- 特徴: プロ注目の大型右腕。大阪桐蔭高校時代に選抜優勝経験を持つ。社会人野球で粘り強さと変化球を磨いてきた。今年ドラフト解禁年。

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