東京六大学野球春季リーグ戦で、早稲田大学の右腕・田和廉投手が、東大戦でリーグ戦初先発を果たし、見事初勝利を挙げた。トミー・ジョン手術からの復活を目指す田和投手にとって、大きな一歩となる白星となった。
初先発初勝利!トミー・ジョン手術からの復活
早稲田実高校出身の田和廉投手は、高校時代よりダイナミックなフォームから140キロ中盤から後半の速球を投げて注目を集めた右腕だったが、大学入学後にトミー・ジョン手術を受けると、リハビリ期間経て昨秋に復帰。主に救援として登板すると、8試合に登板し、防御率0.96という好成績を残した。
そして4年生となった今年、迎えた今春リーグ戦・東大との一戦で、ついに初の先発マウンドに上がると、自己最長となる5イニングを投げ、6安打3失点という内容で初勝利を掴んだ。球速は最速148キロをマークし、3回までは無失点に抑えるなど復活への確かな手応えを感じさせた。
しかし、2巡目に入ってランナーを背負ってからは苦しい投球となり、「プロに行くために長いイニングを投げられるのを見せたかったが、自分の投球ができなかった」と反省の言葉を口にした。
小宮山監督からゲキ!プロで活躍するために
5回を88球で投げ終えた田和投手に対し、小宮山悟監督は期待を込めて厳しい言葉をかけた。「5回は不運な当たりもあったが踏ん張らないといけない。プロへ行きたいのであれば80球前後でヒーヒー言っていては。」と話す。
しかし、「ただ、5回以外は満点をあげてもいい」とも話し、エース・伊藤樹投手に続く2番手として、また二人ともにプロへと送り出したいという思いを込めた。
抑えから先発へ!ラストイヤーにかける覚悟と進化
昨秋は安定した投球でチームの勝利に貢献した田和投手だが、大学ラストイヤーとなる今シーズンは先発として勝負する覚悟を示している。初先発となったこの試合では、4回と5回に失点を喫するなど、課題も明確になった。
変化球の精度や、長いイニングを投げ抜くためのスタミナ強化は、今後の重要なテーマとなるだろう。「プロに行くためには、もっと長いイニングを安定して投げられるようにならないといけない」という田和投手の言葉には、自身の課題をしっかりと認識し、更なる進化を目指す強い決意が表れている。
名門・早稲田大学のエースとして、そしてプロ野球選手という夢を掴むために、田和廉投手の今後の投球に注目したい。

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