侍ジャパン大学代表選考合宿の評価・投手編

大学野球ドラフトニュース 2022年ドラフトニュース 侍ジャパン

6月18日から20日まで行われた侍ジャパン大学代表選考合宿、投手の評価をしてみます。

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紅白戦第1試合(2日目)

九州の剛腕・渡辺翔太投手はガッチリとした体で上から投げ下ろす感じ、最速は147キロで代表候補の中では速い方ではないが、ストレート、フォーク、スライダーの制球、コンビネーションがよく、2回パーフェクト4奪三振の投球を見せた。総合力の高さを見せた形で、プロ志望をすれば指名を考える球団はありそうだ。

日体大の矢澤宏太投手はストレートが高めに浮き、先頭打者に四球を与えるなど制球に苦労した。それでもスライダーを中心に組み立てていくと、2イニング目は3つのゴロで三者凡退に抑えた。昨年冬はストレートもスライダーも当たらない圧倒的な投球だったが、春季リーグ同様にやや本調子ではない感じだった。それでも体は大きくないが体の内側の筋肉が強そうで躍動感あるフォームから149キロの速球を投げ、左腕投手としても大いに期待される。

明治大3年の蒔田稔投手は東京六大学で4勝を挙げ優勝に貢献した投手、指先が強そうでキレのある球を投げ、球速も149キロを記録した。しかし二塁打を浴びるなど全体的な力では代表の基準に届かなかった印象。

武蔵大2年の松崎公亮投手は素晴らしかった。リーグ戦では先発としてキレの良さ、制球と変化球で完投するが、短いイニングで投げたこの日は最速で151キロを記録。グッと溜めるフォームでタイミングを取りにくく、それでいて伸びがある。回転の良さそうな球質もある。同じ2年生の篠木健太郎投手が157キロを記録したため、かき消されてしまった感じはあるが、2024年のドラフト会議では上位候補に入ってくる。

その篠木健太郎選手は157キロを記録、ストレートは154キロ前後を常に記録し、その圧倒的な力を見せた。しかし、2イニング目に球速帯が150キロ前後になると捉えられ出して苦しんだ。常に155キロ前後の球を投げることは難しいので、150キロ前後の出力で抑えるための何かが必要になる。現時点では短いイニングで調子が良ければ打たれない投手。

中京学院大の赤塚健利投手は昨年冬の合宿で圧倒的な威力で抑え込んだ。しかし今回はリーグ戦の疲れもあったのか最速は149キロも140キロ中盤だと体が開き気味なところがあり代表候補クラスの打者には捉えられる。冬よりも少しフォームがまとまってきた感じだが、もっと伸びやかに投げてもいい感じがする。

紅白戦第2試合(2日目)

中央学院大の2年生エース・清水一眞投手が登板、腕の振りがよく146キロの速球と130キロ台のやや速めの変化球で2回パーフェクト4つの内野ゴロを打たせた。結果としてはよかったが、現時点では代表クラスに入るにはパワーがやや足りない感じで、これから2年間で成長を見続けて行きたい。

ドラフト上位候補として注目される上武大・加藤泰靖投手だったが、この日は冬よりも、リーグ戦よりも調子が良くなかったように感じた。最速は149キロ、133キロのスプリットなどで空振りを奪える力を見せたものの、2イニングには制球が定まらず、球速も144キロくらいになっており、リーグ戦・選手権の疲れがあったように感じる。

春のリーグ戦、大学選手権で無双の働きを見せた青山美夏人投手、上からの角度をつけたフォームから最速は151キロで大体148キロ前後の球を制球よく投げ、決め球にスプリットを持ってくる。代表クラスの打者にも見下ろして投げており、変化球も使って余裕を見せた。2回パーフェクト、疲れを見せることなく期待通りの投球をする青山投手は、体力的にまだまだ秘めているものがありそうで、秋はその力を見せてほしい。

名城大3年の松本凌人投手は、早くも来年のドラフト1位候補として注目される。右サイドからの150キロを越す速球でこの日は151キロを記録した。しかし、より特徴的になったフォームもクイックでは合わせられ、昨年冬は圧倒していた代表候補の打者に苦しんだ。こちらもリーグ戦・選手権の疲労があった印象を受けた。

大商大3年・上田大河投手は最速は153キロを記録。特に注目が右打者にも左打者にも追い込んでから150キロの球をインコースに持ってくる。2イニング目に4安打を集中されたものの、あまり心配のない投球だった。来年はドラフト1位候補として魅力がある。

東農大北海道の伊藤茉央投手は右サイドから最速144キロ、1点を失ってから2つの三振を奪うなど力も見せたが、球速、制球などを含めて全体的には代表クラスには力が届いていなかった印象。ただし、以前に威力ある球を見ていたのが印象として残っているのでそれをまた見せてほしい。

紅白戦第3試合(3日目)

立教大の荘司康誠投手は最速は153キロ、タイプ的には青山投手に近い感じで球威は荘司投手の方がある。ただし、ストレートに対応された後のピッチングは青山投手の方が引き出しの多さと正確性の高さがあり、荘司投手は決め球が見つからずに苦労していた。これは経験で磨いていく点だろう。それでも、2イニング目に3失点をしたものの、代表として心配は全くしていない。

白鴎大の曽谷龍平投手は左の横から151キロの速球を投げ、右打者のインコースへ食い込む球と外に沈む球、左打者の外への強い球とスライダーを見せた。さらに変化球を増やして投球の幅を広げたいところだが、2イニング目に四球やヒットでピンチを背負ったあと、最後はしっかりと抑えた点を評価したい。

桐蔭横浜大の3年生・古謝樹投手は最速は147キロだったものの、プロでリリーフとしてかなりの試合を投げそうな雰囲気があった。グッと力をためて腕をしっかりと隠し、腕が見えたと同時に一気に振ってくる。球速帯は142キロくらいだが来年までに常時145キロくらいになり、カーブ、チェンジアップなどを磨いてくれば、かなり評価される投手になりそうだ。

専修大の菊地吏玖投手は、亜細亜大の青山投手と並んで代表候補の打線を手球に取った。しかしタイプは違う。高さの角度をつけてくる青山投手とは違い、腕、肩の柔らかさがあり、体をしっかりと使って沈み込んだ力をボールに伝える本格派。カーブ、スライダー、沈む球などを腕の振りの差があまりないように投げる。球速は151キロを記録したが、先発では少し球速帯を落として変化球で勝負するところがあり、菊地投手のポテンシャルを改めて見直した。

最後は慶応大の橋本達弥投手が紅白それぞれで1イニングづつを投げた。ストレートはほぼ150キロ台で最速152キロ、テンポと球威で抑え切り、さすが東京六大学の防御率1位の投手だった。

代表に選ばれたメンバーについては、納得感が非常にあるが、加藤投手、松本投手は昨年冬の出来であれば選ばれたのかなと思った。橋本投手や松崎投手、古謝投手は惜しい所にいたと思う。

最後に代表に選ばれた投手のでの役割を予想するが、今回は7イニング制ということで、早いテンポで継投をするかもしれない。

オープニングラウンド対戦先発予想
2022年7月8日(金)キュラソー – 日本青山美夏人
2022年7月9日(土)20:00日本 – アメリカ矢澤宏太
2022年7月11日(月)2:30日本 – キューバ菊地吏玖
2022年7月12日(火)19:00イタリア – 日本荘司康誠/上田大河
2022年7月14日(木)2:30日本 – オランダ青山美夏人
準決勝  
2022年7月14日(木)22:30 矢澤宏太
2022年7月15日(金)2:30 菊地吏玖
決勝  
2022年7月16日(土)2:00 青山美夏人
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