春季高校野球関東大会が開幕し、センバツで優勝した山梨学院が横浜隼人に5回コールドで12-0と圧勝し、強さを示した。エース・林謙吾投手がノーヒットノーランを記録した。
角度と見えづらさ
センバツでエースとして、51回2/3を投げる大車輪の働きで優勝に導いた林謙吾投手、疲労もまだ完全には抜けていないと思うが、「この関東大会でもう1回、つくり直して夏に行けるようにという気持ちで臨みました。」と今大会の初戦に登板した。
初球に自己最速を2キロ更新する142キロを記録すると、キレの良いストレートにカットボール、カーブ、スプリットをコーナに投げ分け、制球力を軸とした高い精度の投球を見せると、横浜隼人を5回ノーヒットに封じた。「序盤は頭が突っ込んで投げるという悪いクセが出てしまったんですけど、徐々に修正しながら投げることができました。試合の中で修正できるのが自分で強みだと思っているのでよかったかなと思います」と話した。
この試合を視察した中日の米村シニアディレクターは「コントロールが良い投手です。打者が合わせづらい角度やボールの見えづらさを備えている。これから時間をかけて制球力や直球のスピン、打者との勝負勘を鍛えていけば村上のようになれる可能性を秘めています。」と話し、阪神の村上投手を例に評価をする。「村上投手は18メートル44の中で危険を察知できる能力を持っていた。そういう力は打者との勝負の中でしか磨くことができない。これからしっかり鍛えてどこまでの投手になれるか楽しみです。」と、バッターとの対戦の中で更に磨かれていく投手と評価した。
林投手は球速的にはドラフト注目投手と呼ばれる大阪桐蔭・前田悠伍投手や仙台育英・高橋煌稀投手には及ばない。センバツ後に行われた侍ジャパンU18代表候補強化合宿では、「速さが一番違った」と話した。しかし、「伸びであったり、切れであったり、コントロールであったりという部分は負けてないかなと思いました」と自信を深めた部分も多くあった。
センバツを優勝し、関東大会でもその力強さを見せる山梨学院は、今年の高校生チームの中心にいる。その中で林投手の印象も大きく、これからどんなふうに成長していくのか、常に注目される事になりそうだ。

▼中日 米村明アマスカウト・シニアディレクター コントロールが良い投手です。打者が合わせづらい角度やボールの見えづらさを備えている。これから時間をかけて制球力や直球のスピン、打者との勝負勘を鍛えていけば(阪神の)村上のようになれる可能性を秘めています。(アマチュア時代の)村上投手は(投本間の)18メートル44の中で危険を察知できる能力を持っていた。そういう力は打者との勝負の中でしか磨くことができない。(林は)これからしっかり鍛えてどこまでの投手になれるか楽しみです。
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