センバツに球数制限導入、変わる野球の将来像

来春の選抜大会で1週間で500球以内の球数制限が正式に決定された。高校野球にとって、また野球の未来にとって、まずはこれが第1歩となる。

様々な課題

投手の負担の事を考えると、そして現状の指導の状況を見ると、目安となる球数制限は必要なものだろう。今後は1週間で500球という制限の妥当性が検討されることになる。センバツ大会だけでなく、夏の甲子園、秋季地区大会などでも順次導入が進んでいくとみられる。

全ての高校野球の大会に球数制限が導入されたと仮定してドラフト的に考えてみると、この球数制限によって影響を受けそうな所は、地方大会で一人エースで素晴らしい投球を見せていた投手が、地方大会の準決勝や決勝で登板できなくてチームも敗れてしまったというような場合だろう。球数制限導入の懸念にも、選手の層が薄いチームはますまず甲子園の出場は厳しくなる、という声も多く聞かれる。甲子園出場を目指す高校球児は、選手層の厚そうな所に進むケースがさらに増えそうだ。

他にもやらなければならない事がある。まずは、夏の地方大会の日程を見直す必要がある。球数制限が導入されればなおさら地方大会の日程を余裕を持った形にし、選手層の薄いチームでも制限に引っ掛からないように配慮する必要がある。また、一人エースのチームにファウルや待ち球作戦で制限に到達させるというような事も出てくるかもしれない。例えば1打席のファウル数が10球になったら三振、というようなルールも検討される可能性もある。飛ばない金属バットの導入も進めていく必要があるかもしれない。

投手と野手の負担の差も大きい。野球は基本的に野手がプレーをしている時間は長くない。そして特に打順は1試合に4,5回だけで、打撃で実戦で多くの経験を積ませるためには試合数を増やす事が必要になる。また多くの選手を抱えるチームでは多くのバッターを打席に立たせたいため、練習試合をするとWヘッダーをすることになり、投手に負担がかかってくる。今後は公式戦だけでなく、練習試合や投球練習の球数についても検討されていくかもしれない。

さらには9イニング制も考えていかなければならない。野球はほかのスポーツと比べ、試合の長さが指摘されることがあり、オリンピックの競技採用の際にはこの点が議論に上り、7イニング制などの案がたびたび浮上する。選手を集めてチーム力で戦うプロ野球はそれで良いかもしれないが、投手の事、制限のことと合わせて、国際的なスポーツとして野球を広げるために、9イニング制の見直しという事も必要になるかもしれない。

これから20年、30年は、野球というスポーツが生き残るための大切な転換点となるかもしれない。アンバランスな野球というスポーツの持続可能性を高めるための取組が行われる時代となってくる。


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