優勝できるチームの作り方(4) 高校生がスケールが大きいって本当?

ドラフトブログ

よく、高校生のうちに優秀な選手をプロに入れて育て、チームの中心選手にする、というような言葉を聞いたりする。確かに松井秀樹、イチローなど高校生出身の選手がその時代の代表として活躍している感じもする。巨人が投手王国だった時代は、斉藤雅樹、桑田真澄、槙原寛己の3本柱が投げていて相手球団からすると手ごわかった。

4番を打つ選手やチームのエースは高校生の選手が多いのでしょうか。
2010年の4番、エースを上げてみます。

 

福岡ソフトバンク  杉内(社会人)、和田(大学)、小久保(大学)、多村(高校)
西武         涌井(高校)、中村(高校)、中島(高校)
千葉ロッテ     成瀬(高校)、サブロー(高校)
北海道日本ハム ダルビッシュ(高校)、高橋(高校)、小谷野(大学)
オリックス     金子(社会人)、T岡田(高校)
東北楽天     岩隈(高校)、田中(高校)、山崎(高校)

中日        吉見(社会人)、森野(高校)、和田(社会人)
阪神        久保(社会人)、能見(社会人)、金本(大学)、新井(大学)
読売        内海(社会人)、東野(高校)、阿部(大学)、小笠原(社会人)
東京ヤクルト   石川(大学)、畠山(高校)、青木(大学)
広島        前田(高校)、栗原(高校)
横浜        三浦(高校)、村田(大学)

エースと4番が確立されていて自前で育てていて、それが高校生なのは西武と広島でしょうか。 まだこれだけだと多いとも言えず、少ないとも言えずですね。
次回は過去にさかのぼったり、実際の高校生の獲得人数と比較をしてみます。

この記事を書いた人
yuki

 1996年よりドラフト会議ホームページを解説し、30年間に渡ってドラフト候補選手の分析や12球団のドラフト会議の指名を分析してきました。
 雑誌「野球太郎(http://makyu.yakyutaro.jp/)」にも執筆。
 2008年からはドラフト会議に関する情報を毎日投稿しており、2024年時点で23,000以上の記事書いています。
 また、ドラフト候補の動画とみんなの評価サイト(player.draft-kaigi.jp)では、みなさまがおすすめするドラフト候補選手が、これまでに3万5千人以上登録されておりその評価も行っています。

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コメント

  1. 下位指名での成功例についてですが、上位指名はどうしても公式戦で素晴らしい投球をしたとか、すごい打撃をしたとか、実績に左右されがちです。ところが、実績の内容には色々あって、名門高校でチーム力を背景に精神的に常に優位な環境で投球し、本当の力勝負の結果ではないケース、名門で正しい指導を受け猛練習の結果で、もう成長余力がないとか、名門でも所詮アマチュアの指導で、プロの有能なコーチの適切な修正で大きく変貌する場合、アマチュアであまり練習をしていなくて、プロの練習で開花する場合。ダルや坂本は、高校時代それほど練習していなくて、逆に涌井は横浜の猛練習をこなしています。ところが、プロ入り後佐藤コーチがダルに下半身主導の投球を教えた結果急速に成長し、365日無休のウエイトトレ、身体の手入れをするように変貌しています。坂本が真剣に練習に取り組んだのは高校2年の冬からだそうです。

    こういう事例を見ていると、よくドラフト年の突然変異の候補に指名変更する球団がそのプロセスを調査した結果なのか、直近の成長で単純に変更しただけなのかでも、そのドラフトの内容に対する評価は大きく変わります。

    単純に高校生はすごい素材中心とか、身体の出来具合だけで計れるものではないと私は思います。
    当然、年代構成も影響しますしね。

    また、ドラフト指名の内容の検証の具体例として、巨人・大森スカウトの「評価順位のまま指名した」という表現をどう解釈するかです。言葉のとおりなら、巨人のドラフトの内容は深みのないものと思います。やはり、評価の高さだけでなく、年齢、タイプ、来年以降のドラフト候補の状況など総合的に検討すべきです。どれだけいい投手を指名できても、同じタイプに偏れば、試合では相手チームは対策もたてやすいですし、打者も投手交代や毎日の先発が似たタイプなら打ちやすいはずです。たとえ、評価は低くても、力投型のあとは変則型、速球も重いタイプとキレタイプ、右腕のあとは、左腕のという具合の方が相手チームはやりにくいはずです。

    巨人は、どうも支配下は総合評価で単純指名、育成指名でタイプを分散している傾向があります。ところが、育成から支配下で活躍する選手が増えているということは、色々なタイプの選手を集める大切さを示しているのではと思います。

  2. ドラフトで指名するかどうかの最低条件に、プロの練習について行けるかどうか、があるのは、野球小僧での中日の中田部長や日ハム時代の高田GMのコメントでわかります。

    ドラフトの指名順位には、基本的に2通りの見方があると思います。一つは、補強ポイントの優先順位を重視した指名、これは長期的な計画に基づく反面、突出した選手が獲れないリスクがあります。もう一つは、その年一番の選手、スカウトが獲りたい選手を優先する指名。これは、エース、4番、捕手、遊撃手など才能依存、稀少なドラフト候補の場合は、有効ですが、こういう指名を繰り返していると、チーム構成がゆがみ、有望な選手が多いのに勝てないチームになるリスクがあると思います。

    球界のエースで、ドラフト競合候補だったのは、松坂、上原、マー君、和田くらいでしょうか。ダル、前健は、競合回避の単独ですし、岩隈も。

    では、ドラフトの成功とは何か。上位で競合候補落札で成功とするのが、サイトも雑誌も共通した見解ですが、私は違うと思います。

    真の成功は、プロ入り後活躍して成功と言えますが、私は、内容だと思います。

    一つは、原則としては、長期的な計画に基づき補強ポイントに即した指名なのかどうか、ただしエースや4番候補を優先した場合、その妥当性。妥当性の判断材料の一つに、
    たとえば捕手指名は本来2年後でもいいが、向こう3年のドラフト候補にめぼしい捕手がいないとか・・・。
    一つに、上位指名のプロ入り後の成功確率。下位や育成からばかりレギュラーが現われているなら、スカウトの調査力や育成プラン作成のための情報収集が不足している可能性があります。新人の自主トレなどでの故障などが失敗例です。

    一方、上位指名候補の育成に失敗した場合下位から成功する選手が出てこないとチーム力は弱まる一方ですので、下位指名をおろそかにすると、失敗と言えます。下位指名と上位指名の内容を比較して成否を考えるべきです。
    たとえば、上位で伸びしろ期待の候補を指名したなら、下位で完成度の高い候補を指名しているかなど。金融の投資と同じで分散投資ができているかどうかです。完成型ばかりだと4番やエースがいつまでも確保できない場合もあります。

    以上が、私が、ドラフトの結果を検証するときの視点の一部です。

    最後に、ご紹介した「舶来屋」の中のワンシーンをご紹介しておきましょう。主人公に対し若者が「世の中の流れや世界の流れをどうしたらわかるようになるんですか」「そうだな、やっぱりコンピューターじゃ、だめだろうな」「だけど勘なんて主観的です。漠然とした思い込みに陥りやすいってこともありませんか。データ分析の方が信頼性が高いのでは・・・」「いや、それは違う。やっぱりね、最後の最後は、ひらめきが大事になってくるんだよ。普段から生身の人間と直接ぶつかって、全身で世の中の動きを実感するんだ。そうしていると、いざというときにピンとくる。これだ、と直感が働いてくる」

  3.  ありがとうございます。大学生や社会人にくらべ高校生は成長途中であり、うまく成長しない可能性(リスク)が高いと思います。ではなんで大学社会人で実績を見ずに高校生の指名をするのかというと、誰もが認める本当に凄い素質を持っている選手を獲得したいから、という事だと思います。それならば、なぜ下位で高校生を指名できるんだろう、という疑問が常にあります。
     スカウトが隠して狙っていた逸材ということでしょうが、確かにイチローや前田智徳、三浦大輔などが下位から出ているので、このあたりのあやふやさが解ればいいなと思ってます。

     あと本の紹介、ありがとうございました。読みます。

  4. どこかのデータ分析の専門家が大卒と高卒の定着率だか在籍年数だかを論じてましたが、私は、あまり関係ないと思いますね。

    あくまでも選手固有の話で、それを見極めるプロセスや方針が大事なんであって、結果はコーチング、本人の努力や、性格、運不運様々です。

    また出身校で論じる人もいますが、やっぱりあまり関係ないと思いますね。

    選手固有が良くて、そこにPLで鍛えられたとかのプラスアルファがつくんだと思います。

    また最近の大学野球は練習がプロと比べて不足がちと思われます。プロは育成体制の充実化を進めてます。ですから、身体の出来具合も、高卒でプロ入りするかどうかの重要なポイントでは。故障などプロでの練習に耐えられない身体なら高卒でのプロ入りは避けるべきでは。当たり前の事ですが。

    管理人さん、一度幸田真いんさんの「舶来屋」という実在の人物を描いた小説を読んでみると面白いかもしれませんよ。

    世の中の流れ、いいものを見抜くには、何が大切なのか、わかるかも。

    わかる人にはわかり、わからない人には永久にわかりませんがね。