パ・リーグでは埼玉西武、オリックス、東北楽天の監督が交代する。それぞれチーム作りの方針はどのように変わっていくか、ドラフト会議にもその影響は小さくないだろう。
西武はGM廃止か
埼玉西武と東北楽天がこの日、最後の試合を行い、渡辺監督、今江監督も今季での退任が有力となっている。渡辺監督代行は現役を引退してから2004年に2軍投手コーチで西武に復帰すると、2008年から2013年まで1軍の監督としてリーグ優勝、日本一を果たした。その後、2013年からはシニアディレクターとしてフロントでチーム作りを進め、2019年からGMに就任してリーグ優勝を果たしたチームを作ってきた。
しかし今季は松井新監督が序盤で休養に入るなどチームの苦しい状況が続き、監督代行としてチームを引き上げようとしたものの、49勝91敗と大きく負け越し、監督とGMの辞任を発表していた。
その埼玉西武は西口2軍監督の昇格が決定的となっている。しかしGMについては未定で、今後はGM職を廃止し、編成・スカウトなどフロント全体でチーム作りをする組織になっていくのではないかと見られる。潮崎SDなどが渡辺GMの方針を受け継いでおり、補強をリードしていく可能性もある。
東北楽天は大物GMを呼ぶ?
また、東北楽天も今江監督が2年契約の1年目で、交流戦で優勝するなど実績を残したものの、最終的にBクラスとなったことや、チーム内でのコミュニケーション不足などが指摘され、1年で退任する可能性が高いという。そして後任には、2020年に1軍の監督を務めたものの、やはり1年で2軍の監督となった三木監督が再登板する可能性が浮上している。
東北楽天はかつては星野仙一氏が、そして最近までは石井一久氏がGMとしてチーム作りを行っており、基本的に三木谷オーナーとコミュニケーションのできる1人のキーマンがチーム作りを進める形になっており、そのキーマンがいない時には、大久保監督もオーナーの現場介入などがあり、なかなか組織だった形にならなかった。
今回もその影響は強いと見られるが、チーム作りを主導する人物が現時点では見えず、このオフに誰か大物をGMなどに読んでくる可能性もあると思う。
オリックスは福良GM
オリックスは中嶋監督が慰留されながらも退任を決め、岸田投手コーチが昇格する形となった。ただし福良GMは残るものと見られ、基本的にチーム作りは同じように進めていく形となる。
3軍制など、福岡ソフトバンクを見習った育成のチームづくりでパ・リーグ3連覇をしており、今年は結果が出なかったものの大きく代わることはないと見られる。
セ・リーグも中日が立浪監督から井上2軍監督に、阪神も岡田監督から藤川特別補佐に交代するが、基本的には共にGM職が無いチームで、フロントの組織でチーム作りを行うが、立浪監督はドラフト指名にも影響力があったと見られる。井上監督による現場の意見がどれだけドラフト指名に影響力があるかも今後、見てゆきたい。
阪神はドラフト1位の決定権は監督が持っている状態が続いており、藤川監督もその制度を続けるのか、その場合に誰を1位指名に選ぶのかが注目される。

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