花巻東の佐々木麟太郎選手が甲子園で初安打を放つと、逆方向に3安打を記録した。視察したスカウトから高評価が聞かれた。
「勝ちにこだわる」
自分に言い聞かせるように、ホームランを望む周囲に言い聞かせるように、佐々木麟太郎選手は「勝ちにこだわってやっている」と繰り返した。
この日は初回、インコース攻めをされたものの、そのインコースの球を逆方向にレフト前に弾き返す。この佐々木選手の甲子園初安打が佐々木選手の意思表示だった。その後も安打は逆方向へ、佐々木監督が浅田投手対策として「右も左も逆方向を」と指示した打撃を佐々木選手も実戦し、4回にはノーアウト2塁の場面でインコースの変化球をレフト前に運び、先制点を挙げる。
その後、申告敬遠をはさみ、7回2アウト1塁の第4打席でもインコース高めのストレートをサードへ強襲安打し、3打数3安打1打点の活躍でチームに勝利をもたらした。「勝ちにこだわってやってきたので、勝てて良かったです」と話した。
スカウト評価
この日も12球団のスカウトが視察をしており、佐々木選手についての評価が集まった。
オリックス・牧田編成副部長:「他にもいい選手がいる中で打線の軸と感じさせる選手。広角に打つことができる。プレッシャーもあると思うができることを一生懸命にやっていて、野球を愛している姿勢が伝わる。打つだけでなくて、声かけなど試合中の視野も広い。」
千葉ロッテ・榎アマスカウトグループディレクター:「引っ張って打つのも見たかったけど、インパクトが強く、逆方向に強い打球を打てることは魅力の1つ。広角に強い打球が打てるからあれだけのホームランも打っていると思う。高校生の中ではずばぬけている。木製バットのロングティーでのインパクトの強さはプロ並み」
巨人・水野スカウト部長:「内角の厳しいコースを攻められている中での3安打。スター性があるし、楽しみな素材なのは間違いない。角度がつけばどこでも入る。清宮とかそういうレベルじゃないか」
埼玉西武・渡辺GM:「遠くに飛ばす力、スケールの大きさは人にないものを持っている。追いかける選手であることは確か。」
広島・白武スカウト部長:「広角に打てるし、パンチ力もある。打撃に関してはいいものを持っている。特Aだと思います。」
横浜DeNA・河野スカウト:「追っている中で姿は変わらない。技術があって選球眼があって、頭もいい。夏の予選でも頼もしかった。軽打をして、強振しない。再確認できた。1巡目でいなくなるでしょう。」
横浜DeNA・八馬アマスカウトグループリーダー:「振る力は高校生の中でずばぬけている。スイング力があるのは魅力」
東京ヤクルト・橿渕スカウトグループデスク:「3本ヒットを打って、自分のチームに貢献できていた。村上のタイプに近い。反対方向も意識していて、コンパクトに打っている。強引に行かずに、冷静に考えて今やるべき事をちゃんとやっている印象。力まずに大振りにならないし、精神的なコントロールもできている。なかなかできないことですから、1年生から注目されている中で養ったものだと思う。クリーンアップを打てる素材なのは間違いない」
中日・松永スカウト部長:「こういう舞台でヒットが打てるのは良いんじゃないか。柔らかいバットコントロールで、緩い球を捉えるのがうまい。今日は3安打。十分でしょう。」
阪神・葛西スカウト:「夏の予選から反対方向の安打が多くて、広角に打てている。対応力が成長した」
ロイヤルズ・大屋スカウト:「素晴らしい体格でスイングスピードも速い。大柄だけど器用。ホームランを打てる魅力もあるけど、チームバッティングもしっかりできる。また見たいと思わせる選手」
ホームランや引っ張りの打球がなくても、スカウト陣の評価は高い。できればホームランを見たいところだが、体の状態もあるしチームの方針もあるので見られないかもしれない。それでも、見ておかなければならないと思わせる選手であることは間違いない。






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