北海道日本ハムからドラフト1位で指名された東洋大・細野晴希投手が、契約金1億円プラス出来高、年俸1300万円で仮契約を交わした。
同世代に負けないように
細野晴希投手は最速158キロの速球を投げる左腕投手として注目され、ドラフト会議では抽選を2度外した日本ハムに1位で指名された。この日、大渕スカウト部長の「国内ではなく、世界の山に登ろう」と言葉を受け、「最終的には一番になりたい」と話した。
細野投手は東亜学園時代は体はしっかりしていたものの、まだ大きくなる余地があり、3年時には侍ジャパンU18代表候補強化合宿に参加したものの、投球的には140キロ前後の球を投げる好投手型の左腕投手だった。
しかし東洋大に進むと1年目は新型コロナの影響で全体練習ができず、リーグ戦もまともに行われなかった中で大きく成長し、2年生の春に東都1部で34回2/3を投げて40奪三振、抜群のけん制で一塁ランナーをつぎつぎと刺した。特に中央大戦では9回3安打14奪三振、最速150キロを記録したストレートは、キレも十分の球で、この投球が大学でベストだったのではないかと思う。
その後、チームが2部に落ち、細野投手は2部で登板するも、球速が伸びる中で制球に苦しむ場面も見られた。しかし今年秋は1部に復帰すると、39回を投げて40奪三振を記録、U18代表との試合では158キロを記録し、日米大学野球でも勢いのあるストレートと抜群の切れ味を見せるスライダーを見せていた。
ドラフト会議では東都リーグの国学院大の同じ左腕・武内夏暉投手や、常広羽也斗投手、西舘勇陽投手、草加勝投手、下村海翔投手、西舘昂汰投手などと共に注目され、指名順的には6人の中で一番最後の指名となった。特に同じ左腕で3球団が競合し、パ・リーグの西武のドラフト1位指名となった武内投手をライバルとし、「同世代に負けないようにという気持ちはある」と話した。
大学2年時のキレのある速球、そして大学4年時の158キロの球威、他にも鋭いスライダーだったり、スラーブのような緩い変化球を出し入れする投球など、様々な引き出しがある細野投手、制球が課題とよく言われるが、出力がどんどん変わっていく中でまだ変化が定まっていないという表現が正しく、投球の型が定まって固まればプロでも2桁奪三振の投球を見せてくれるだろう。
あとは運のようなものもある。東都リーグでは好投をするも今秋も含めて2度の2部転落を経験している。良い時も良くない時も同じ感情ペースで投げるところが長所でもあるが、チームに勝利をもたらすことができるように、投球のメリハリ、そして感情を出してチームを鼓舞する投球など、そういったところの成長もみたい。今永投手のような投手になって欲しい。


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