社会人野球の強豪、東芝野球部がJABA京都大会の初戦で大阪ガスと対戦し、6-2で快勝した。この試合では、勝利を決定づける一発を放った金井慎之介選手と、最速153キロをマークし試合を締めくくった神野竜速投手が、投打でチームを勝利に導いた。
最速154キロ、トミー・ジョン手術で復活から進化続ける右腕
神野竜速投手は西武台千葉高校で140キロ中盤の速球を投げ、神奈川大では152キロ右腕としてドラフト候補右腕として注目された。しかし、大学代表合宿に呼ばれたものの故障で辞退するなど、故障などもあり大学4年時に活躍を見せることができず、東芝に進んでいた。
東芝に入社後、1年目に右肘にトミー・ジョン手術を受けた。長いリハビリ期間に体を作り直すと、復活となった昨季には最速152キロをマークするまで復活し、今オフはシャドーピッチングをはじめ「野球につなげるトレーニング」を重視し、フォームを固めた。その成果が実を結び直球の威力はさらに増すと、4月上旬の四国大会では自己最速となる154キロを記録している。
今季は守護神として登板している。この日のJABA京都大会・大阪ガス戦でも9回に4番手でマウンドに上がると、わずか9球で大阪ガス打線を3者凡退に抑える圧巻のピッチングを披露した。先頭打者への初球で自己最速にあと1キロと迫る153キロを計測して2球で追い込むと、得意のフォークで見逃し三振を奪う。続く打者を中飛に打ち取り、最後もフォークで空振り三振を奪うなど、完璧な内容で試合を締めくくった。「フォークが浮いていましたが、途中で修正することができた。初戦を取ることが出来て良かったです」と、自身の投球とチームの勝利に手応えを感じている様子だった。
大河原正人監督も「2イニングも任せられるし、いてくれたら助かる存在」と評しており、今季は勝利に直結する重要な場面での起用が予想される。そして、高校、大学と期待されていたプロ入りに大きな前進をしている。
金井選手の決勝弾とチームの競争!二大大会優勝へ
この試合では、神野投手の力投だけでなく、打線も活発だった。そして「7番・DH」で出場した金井慎之介選手(21)が、0-0で迎えた2回一死二、三塁の場面で、内角高めのストレートを叩き、バックスクリーンへ飛び込む決勝の先制3ランホームランを放った。
金井選手は横浜高校時代に183cmから147キロを投げる左腕として注目されており、東芝でも大型サウスポーとして期待されていたが、度重なる故障に泣いた、昨夏の都市対抗予選後に野手へ転向すると黙々とバットを振り込み、転向から半年も経たない昨秋の日本選手権でスタメンを勝ち取っていた。この日の公式戦初ホームランとなる特大弾に加え、6回には左翼越えの適時二塁打も放つなど、2安打4打点と大活躍し、高校時代も打撃の良さを評価されていたが、その高い潜在能力を示した。
大河原監督は「能力は高い。良い仕事をしてくれたと思います」と金井選手を称賛。東芝は投手、野手ともに高いレベルでの競争が繰り広げられており、チームの戦力は着実に強化されている。四国大会は準優勝に終わった東芝だが、指揮官は「都市対抗を優勝するためには5連勝しなければならない。今大会も5連勝が目標です」と語り、都市対抗優勝を見据えている。
神野投手、金井選手が東京ドームでその活躍を見せる頃には、それぞれ大学卒3年目の右腕と高校卒4年目のスラッガーとして、ドラフト候補として多くの球団のスカウトが注目している事だろう。
神野竜速投手 プロフィール
- 氏名: 神野 竜速(かみの りゅうどう)
- 所属: 東芝
- 年齢: 24歳(2025年4月時点)
- ポジション: 投手
- 経歴: 西武台千葉高等学校 – 神奈川大学 – 東芝
- 投打: 右投右打
- 最速: 154キロ(自己最速)
- 特徴: 最速154キロを誇る本格派右腕。トミー・ジョン手術からの復活を経て、直球の威力が増した。勝利に直結する場面での活躍が期待される守護神候補。
金井慎之介選手 プロフィール
- 氏名: 金井 慎之介(かない しんのすけ)
- 所属: 東芝
- 年齢: 21歳(2025年4月時点)
- ポジション: 外野手(元投手)
- 経歴: 横浜高等学校 – 東芝
- 投打: 左打(記事より)
- 特徴: 元投手で、野手転向後に才能が開花。高い身体能力と長打力が魅力。公式戦で決勝ホームランを放つなど勝負強い打撃も持ち合わせる。


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