春季全道高校野球函館地区予選が開幕し、函館大学有斗高校が函館水産高校に10-0、5回コールドで快勝し、春14年ぶりの全道制覇へ向け好スタートを切った。この試合で公式戦初先発のマウンドに上がったのが、背番号10の鶴野飛雄馬投手(3年)で、中学時代には洞爺湖シニアで石垣元気投手とともにプレーをしていた。
故障から復活し公式戦初先発で圧巻の無失点9奪三振投球
函館大有斗高校の春の地区予選初戦に先発マウンドを任された鶴野飛雄馬投手は、これが高校入学後、初めての公式戦先発登板となった。雨が降り続ける悪条件の中、5回を投げ、許したヒットはわずか1本。最速も公式戦で最速となる136キロを記録し、無四球と制球も乱れることなく、無失点に抑えた。片口伸之監督も、「ゲームをつくれる。練習試合でもほとんど四球を出さない」とその制球力を評価し、初戦のマウンドに送った。
中学時代は、札幌市内の中学校に通っていたが、週末に車で片道2時間かけて洞爺湖シニアに通っていた。洞爺湖シニアには、健大高崎高校の最速158キロ右腕・石垣元気投手や、白樺学園の140キロ右腕・冨沢悠斗投手など、分厚い投手陣のなかで鶴野投手は4番手であったという。また、高校入学後には左膝の骨が壊死するというけがで長期離脱するなど、順風満帆ではなかった。それでも昨秋に公式戦で1試合に登板をすると、この春の初戦を任された。
5回、最後の打者を捕手の要求通り外角低めの直球で見逃し三振に仕留めるなど、毎回の9つの三振を奪い、付け入る隙を与えなかった。1週間ほど前に初戦の先発を告げられ、「初めてなので、やってやるぞ」と意気込んでいたという「小学生ぶりくらい」の公式戦先発マウンドで、これまでの鬱憤を晴らすかのような快投を見せた。
全道優勝へ総力戦!背番号10が誓うチームへの貢献
函館大有斗高校は、春14年ぶりの全道制覇を目指している。地区予選は5日で最大4試合という過密日程で、投手陣は総力戦が予想される。エースに146キロ右腕の長谷川結斗投手がいるが、鶴野投手はこの日、今後の総力戦を見据え、決め球の縦スライダーなど持ち味の変化球を最小限にして直球中心で勝負した。制球力を活かし、「打たせて取る投球を意識して、チームの勝利に貢献したい」と話す。
この日、長谷川選手は野手として3番で出場すると、初回にレフト前ヒット、2回に2アウト満塁の場面で走者一掃のレフトオーバーの3ベースヒットを打ち、相手のミスをついて自らもホームを踏んだ。3安打4打点の活躍に「力まずに打つことを心がけ、スムーズにバットを出せている」と話した。
この長谷川投手の登板も注目されるが、安定した鶴野投手が出てきたことで、春制覇、そして夏の甲子園出場も期待が高まる。
鶴野飛雄馬投手 プロフィール
- 氏名: 鶴野 飛雄馬(つるの ひゅうま)
- 所属: 函館大学付属有斗高等学校 3年
- 出身: 札幌市
- 生年月日: 2008年(平20年)3月26日(17歳)
- 経歴: 札幌南の沢小学校(東海Fイーグルス、小学6年~)- 札幌南が丘中学校(洞爺湖シニア)- 函館大学付属有斗高等学校(1年春背番号24でメンバー入り、今春背番号10)
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 170cm・58kg
- 最速: 136キロ
- ポジション: 投手
- 特徴: 公式戦初先発で無失点投球を披露した右腕。雨中のマウンドでも制球が乱れない。中学時代は洞爺湖シニアでプレー。父は熱烈なG党で、父の夢を背負う。怪我からの復活。背番号10。

函館大有斗の飛雄馬 5回9K完封 – スポニチ北海道

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