昨夏に左肘のトミー・ジョン手術を受けた健大高崎(群馬)のプロ注目左腕・佐藤龍月投手(3年)が、浦和学院との練習試合に登板した。復帰後3度目のマウンドで、自己最速を1キロ更新する147キロを計測。1イニングを無失点に抑え、視察に訪れた日米14球団36人のスカウトの前で順調な回復ぶりをアピールした。
復帰後3度目の登板で自己最速更新「平均球速は上がっている」
「キャッチボールの時から、今までよりも調子がいい感じでした」。その言葉通り、6回に4番手として登板した佐藤龍月投手のボールは力強さを増しており、スカウトのスピードガンで自己最速を1キロ更新する147キロをマークした。1安打1死球を許したものの、1イニングを無失点に抑え、「真っすぐの平均球速は、上がっていると思います」と話し、手術前まで球速が伸びていると、手応えを口にした。
この日は注目の石垣元気投手もいることから、日米14球団36人のスカウトがグラウンドに集結した。視察した東北楽天の井上スカウトは、佐藤投手の投球を高く評価した。
東北楽天・井上スカウト:「指にかかった時のストレートの質は良かった。投げるごとに少しずつ調子が上がっている印象」
2年春のセンバツで石垣投手とともに優勝に大きく貢献する投球を見せており、世代ナンバーワン左腕として注目された。高校卒業からのプロ入りという強い思いを胸に、高校3年夏まで復活するために、昨年夏はベンチ入りせずにトミー・ジョン手術を受けるという決断をしたが、しっかりと夏までに戻って来ることができた。
背番号「7」で挑む夏「いい流れを持ってこられるように」
連覇を目指す夏の群馬大会は5日に開幕する。佐藤投手は「背番号7」を背負い、主に外野手として出場する予定だ。投手としては、「投手をやるとしたらショートイニング。次の投手や攻撃に、いい流れを持ってこられるようにしたい」と、リリーフとしてチームに貢献する覚悟を示した。
長い時間だったと思う。焦りもあるなかで苦しいリハビリを乗り越えた「ミスターゼロ」が、投打にわたる活躍でチームを夏の頂点へ導く。
佐藤龍月投手 プロフィール
- 氏名:佐藤 龍月(さとう りゅうが)
- 生年月日:2007年7月13日
- 出身地:川崎市
- 経歴:陣屋少年野球部(下小田中小1年) – 東京城南ボーイズ(西中原中) – 健康福祉大学高崎高校(3年)
- 投打:左投左打
- 身長・体重:173cm・73kg
- ポジション:投手、外野手
- 主な特徴や実績:2024年8月に左肘トミー・ジョン手術を受け、2025年6月に実戦復帰。復帰3戦目で自己最速を更新する147キロを計測。楽天スカウトから高い評価を受ける。2024年春のセンバツでは22回無失点でチームを初優勝に導いた。U15侍ジャパン選出経験あり。

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