夏の全国高校野球選手権愛知大会では、誉高校で194cmの長身から投げ下ろすプロ注目右腕、モレチ・アレシャンドレ投手(3年)がリリーフ登板。日米7球団のスカウトが集結する中、自己最速タイとなる147キロをマークし、1イニングを無失点に抑える好投を見せた。そのポテンシャルに、スカウトからは「ライデル・マルティネスみたい」と、球界を代表するクローザーの名前が上がった。
前回登板の不調を修正、1回無失点147キロ!
194cm右腕のモレチアレシャンドレ投手は、8点リードの6回から3番手として登板すると、先頭打者から見逃し三振を奪い、自己最速タイとなる147キロをマークするなど、力強いストレートで打者を圧倒した。1本のヒットを許したものの、後続を内野ゴロに打ち取り、1イニングを無失点で抑えた。「最速が出たので良かった。今日は手応えがありました」と話した。
「前回がダメダメだったので、今回は自分がゼロで抑えられたらいいなと思っていた」。1回戦では1回1/3を投げ4奪三振ながら3四球1失点と、制球に課題を残していた。「全然フォームが安定せず、その修正で1週間、質を求めてきました」と課題に対して、シャドーピッチングなどで投球動作の安定に努め、この日は手応えを得る投球となった。
日米7球団スカウト熱視線、「高卒でプロを目指したい」
147キロを記録した超大型右腕に、日米のスカウトも熱い視線を送る。この日はNPBだけでなく、MLBの2球団を含む7球団のスカウトが集結した。あるNPBのスカウトは、「ライデル・マルティネスみたい」と話し、プロ野球を代表する巨人のクローザーと比較して高く評価した。
ブラジル人の父と日系ブラジル人の母を持つモレチ投手は、愛知県小牧市で生まれ育った。野球を始めたのは10歳の時。中学では主に外野手で、本格的に投手を始めたのは高校に入学してからだった。誉高校の矢幡真也監督が「3年後、NPBに送り込む」という目標を立て、二人三脚でその才能を育ててきた。入学当初189cm74kgだった体は、「多い時のご飯は1日5合ぐらい」という食生活とトレーニングで194cm95kgまで大きくなり、130キロ程度だった球速も「体重と一緒に上がった」と、最速147キロを計測するまでに成長した。
モレチ投手は「高卒でプロを目指したい」と、プロ志望届を提出する意向を明言。憧れの選手は「投打なんでもできる」というドジャース・大谷翔平選手だ。動画でスイーパーなどを研究し、自身の投球に取り入れている。「まだ伸びる自信がある。高校の間に150キロは出したい」と語るモレチ投手。最終的には「アメリカに行ってみたい」と、メジャーの舞台という大きな夢も持つ。この夏に大きくアピールし、ドラフト会議での指名をえて、これからのメジャーへの道を歩み始めたい。
モレチ・アレシャンドレ投手 プロフィール
- 氏名:モレチ・アレシャンドレ
- 所属:誉高校(3年)
- 出身地:愛知県小牧市
- ポジション:投手
- 投打:右投右打
- 身長・体重:194cm・95kg
- 主な特徴や実績:最速147キロを誇るプロ注目の大型右腕。ブラジル人の父と日系ブラジル人の母を持つ。2025年夏の愛知大会2回戦で自己最速タイを記録し、日米7球団のスカウトから注目を集める。NPBスカウトからは「(巨人の)ライデル・マルティネスみたい」と評される。高校から本格的に投手を始め、矢幡真也監督の指導の下で急成長。高卒でのプロ入りを目指している。


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