全国高校野球選手権三重大会では、神村学園伊賀が初戦を迎え、プロ注目の遊撃手で主将の西川篤夢内野手(3年)が「1番・投手」で先発出場した。投げては自己最速タイの145キロをマークし、打っては木製バットで3安打1打点と、投打にわたる大活躍で視察したNPB9球団16人のスカウトに猛アピールした。
183cm大型遊撃手として注目
西川篤夢選手は183cm76kgの大型遊撃手で、50m5.9秒の俊足と、投手としても145キロを記録する強肩など、三拍子そろった選手としてプロ12球団が注目をしている。この日は「1番・投手」で先発したすると、マウンドに上がれば、4イニングを投げ2失点ながら自己最速タイの145キロを計測。打席に立てば、今春から使い始めた木製バットで広角に快音を響かせた。初回にレフト前ヒットで出塁すると、2回にはライト線へタイムリー二塁打、5回にはセンター前ヒットと、3安打1打点。さらに5回には二盗を決めるなど、50メートル5秒9の俊足も披露した。「主将ですし、暑さを気にせず、思いっきり走りました」と話した。
3年生が6人しかいないチーム事情もあり、昨秋から本格的に投手に挑戦している。ストレートの他に、スライダー、カットボール、カーブ、スプリット、チェンジアップ、ツーシームと、短期間で6球種をマスターするほどの高い身体能力と野球センスをみせ、まずは投手として初戦突破に貢献した。
巨人4人態勢!中日、ロッテなど9球団スカウトが絶賛
183cmの大型遊撃手にはプロのスカウトが注目している。この日は巨人、中日、千葉ロッテなど9球団16人が集結。巨人は4人態勢、オリックス、中日も複数人で熱視線を送った。
巨人・榑松伸介スカウトディレクター:「ミート力があり、広角に打つことができる。投手としても140キロを投げることができるし、野球センスが凄く高い」
中日・清水スカウト:「どっちも見ている。走攻守にバランスが良く、将来性がある」
千葉ロッテ・田中スカウト:「第1打席で逆らわずに打てていたし、センスを感じた」
基本的に強肩俊足の大型遊撃手というのが評価のポイントだが、投手として見ているスカウトもおり、まだ、将来の可能性は非常に大きい選手と言えそうだ。この日、打撃では非常に楽にヒットを打っている印象で、更に鋭さを感じさせるには、相手投手のレベルが上がった時となりそうだ。
無名の中学時代からプロ注目へ「一日でも長く試合を」
中学時代は大阪箕面ボーイズに所属。4番には今春センバツ準優勝の智弁和歌山・福元聖矢選手がいるなど、逸材が揃う中で自身は下位打線を打つ無名の選手だった。「プロ野球選手に憧れていたけど、中学までは注目されるような選手ではなかった」と振り返る。しかし、「最後は地元・伊賀の高校で甲子園を目指したい」と、創部6年目の神村学園伊賀に進学。一日2、3時間の自主練習に励み、プロが注目する選手へと成長を遂げた。
「チャレンジャーの気持ちで臨んだ。初回から全員で挑めたからこその勝利」と、チームの勝利を喜ぶ西川選手。「一日でも長く試合をして恩返しをしたいです」と話し、全力で夏に挑む。そして、どのような形で実りの秋を迎えるのか注目してゆきたい。
西川篤夢選手 プロフィール
- 氏名:西川 篤夢(にしかわ あつむ)
- 生年月日:2007年12月28日
- 出身地:三重県伊賀市
- 経歴:緑ルーキーズ(上野東小3年) – 稲沢中央ボーイズ(小5~) – 大阪箕面ボーイズ(緑ケ丘中) – 神村学園伊賀高校(3年)
- 投打:右投左打
- 身長・体重:183cm・78kg
- ポジション:内野手(遊撃手)、投手
- 主な特徴や実績:プロ注目の投打二刀流。遊撃手として高い守備力を誇り、投手としては最速145キロを記録。2025年夏の三重大会初戦で「1番・投手」で出場し、3安打1打点、4回2失点の活躍。巨人、中日、ロッテなど9球団のスカウトから高い評価を受ける。3年から木製バットを使用。50メートル走5秒9、遠投110メートル。




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