明治神宮野球大会の決勝戦が11月19日に行われ、青山学院大学(東都大学野球連盟)が立命館大学を4-0で下し、史上6校目の大会連覇を達成した。この試合の主役となったのは、来秋のドラフト1位候補と目される4番・捕手の渡部海選手(3年・智弁和歌山)。均衡を破る先制3ランホームランを放つだけでなく、守備でも中日ドラフト1位の中西聖輝投手を17奪三振完封に導く好リードを見せ、攻守でチームを日本一に導いた。
均衡破る一撃、ドラ1候補の証明
0-0で迎えた6回、1死二、三塁の緊迫した場面で打席には来年のドラフト候補で即戦力捕手と注目される渡部海選手が入った。相手先発・遠藤投手が投じた内角低めのスライダーを完璧に捉えると、打球は高々と舞い上がり左翼席へ着弾。マウンドの投手が思わず苦笑いを浮かべるほどの強烈な一発は、チームに歓喜をもたらす決勝3ランとなった。
「何としても先制点を取りたかった。最後に自分の得意な球が来てくれた」。今秋のリーグ戦では打率1割台と苦しんだが、フォーム修正や意識改革を行い、大一番で最高の結果を出した。ネット裏のスカウト、そして全国のファンにその実力をまざまざと見せつけた。
最強バッテリーの集大成、中西を「17K完封」へ
バットだけでなく、マスクを被っても圧巻だった。高校時代(智弁和歌山)からバッテリーを組み、2021年夏の甲子園優勝も共に経験した先輩・中西聖輝投手のラスト登板。渡部選手は「初回から飛ばして、真っすぐ、フォーク、カーブ。全てが良かったので、自分はただ受けているだけ」と謙遜したが、普段とは違う変化球主体の配球も交え、エースの力を最大限に引き出した。
最後のアウトを奪うとマウンドで熱い抱擁。「中西さんが投げればチームに安心感が出る。最後まで、すごい背中を見せてくれた」。最強バッテリーの集大成として、大会記録に迫る17奪三振での完封勝利を演出した。
「虎ご縁あるかな?」ネットも騒然のスター性
強肩強打の捕手として、この試合でさらに評価を上げた渡部選手に対し、既に阪神がドラフト1位で競合しても獲得にいく選手と評価していると報じられてた。SNS上では12球団のファンから獲得を熱望する声が殺到。「来年のドラフトで交渉権獲得宜しくお願いします」など、来秋のドラフト1位指名は確実との見方が強まっている。
「最高の4年生でした。日本一を来年も続けられるように僕たちもつないでいきたいと思います。ありがとうございました」と偉大な4年生に敬意を評した。来年は最上級生としてチームを牽引する立場になる。「チームを押し上げていける存在になりたい。ドラフト1位でプロに行くと監督と約束した」と話す大学球界No.1捕手は、「来年もう一度4冠を目指したい。4年生が抜けて苦しくなると思いますが、自分が引っ張っていく」と、さらなる高みを目指して突き進む。
渡部海 プロフィール
- 氏名: 渡部 海(わたなべ・かい)
- 所属: 青山学院大学(3年)
- 出身: 智弁和歌山高等学校
- ポジション: 捕手
- 投打: 右投右打
- 身長・体重: 180cm、88kg
- 主な特徴や実績: 強肩強打の大型捕手として来秋ドラフトの目玉候補。智弁和歌山高時代に1年夏からベンチ入りし、2年夏に甲子園優勝。青学大では1年春からレギュラーとしてリーグ6連覇、全国制覇4回に貢献。大学日本代表の正捕手も務める。














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