ノーヒットノーランを達成した杉内俊哉投手が指名された2001年ドラフト会議は？

　巨人の杉内俊哉投手がノーヒットノーランを達成しました。杉内投手はご存じのように松阪大輔世代の一人で、横浜高校が春夏連覇をした1998年甲子園の1回戦で八戸工大一を相手にノーヒットノーランを達成しています。

　多くの松坂世代が1998年に高校生でドラフト指名され、また大学に進んだ選手も多く、2002年のドラフトは松坂世代ドラフトとして、和田毅、村田修一、新垣渚などが指名され豊作の年となりました。そんな中で杉内投手は社会人の三菱重工長崎へ進み、3年後となる2001年のドラフトを目指します。その2001年のドラフトを振り返ってみましょう。

　2001年になると杉内投手はドラフトでも上位候補の投手となり、当時は自由枠もありましたがドラフト3位で福岡ダイエー入りしています。これは杉内投手が福岡ダイエーを強く希望し他球団が手を出せなかったこと、福岡ダイエーはこの年の超目玉、日南学園・寺原隼人投手も獲得したかった為に自由枠を使えなかった事によるものです。結果的に福岡ダイエーは寺原、杉内を獲得し大成功のドラフトとなりました。（寺原投手は福岡ダイエーでは期待されたほどの活躍は見せられませんでしたが。）

　2001年のドラフトでは、寺原投手の他、当時は珍しかった150kmを越える速球を記録した水戸短大付・鴨志田貴司投手などがいましたが、全体的にはそれほど候補が多くないドラフトで、自由枠を使う球団、1人だけ使う球団、使わない球団と各球団戦略がバラバラとなりました。

　活躍したのは、阪神・安藤優也投手、千葉ロッテ・今江敏晃選手、東京ヤクルト・石川雅規投手などが上げられ、オリックスはドラフト15位まで指名を行い、10位の後藤光尊選手がチームの軸となり、広島も10位まで指名を行い9位の天谷宗一郎選手が活躍を見せています。また逆に西武は4人しか指名をしませんでしたが、細川、中村、栗山はチームの中心選手として活躍し、大成功のドラフトでした（細川選手は福岡ソフトバンクに移籍）。

　横浜は1998年の優勝の余韻が残っている時期でしたが、活躍した選手がおらずこの辺から下降線を描いてゆきます。

　日大三高はこの年の夏の甲子園で優勝し、4人がドラフトで指名されてプロ入りしましたが、近藤投手以外は目立った活躍ができず数年で解雇される選手もいた事から、大学進学を薦める方針となったようです。昨年（2011年）の優勝メンバーはそれぞれ大学に進学し、1年生で活躍を見せています。