センバツ大会屈指の投手と注目された阿南光の吉岡暖投手が、143球を投げて9回9安打11奪三振4失点で完投し勝利を掴み取った。広島のスカウト部長が高く評価をしている。
フォークで翻弄
最速146キロ右腕の吉岡暖投手は、この日は同じくプロ注目の豊川・モイセエフニキータ選手との対戦も注目された。第1打席、第2打席はカーブやスプリットをうまく使い三振を奪うと、第3打席はやや大きなあたりのライトフライだった。
そして8回、高めに抜けたフォークを打たれてホームランを浴びたものの、9回2アウト満塁で回ってきた5度目の対戦は、勝負球にそのフォークを選択して空振り三振に仕留めた。「運命かなと思った。最後にニキータ選手が来てくれた。三振を取るしかないと思った」と話した。
この日は高校野球で解禁となった二段モーションのフォームで、しっかりと体重を乗せるとともに相手打者のタイミングも狂わし、テンポよく最速143キロのストレートと変化球を投げた。1回、2回はパーフェクトに抑えると、3回先頭に四球を与えたものの無失点に抑え、7回までを無失点に抑えた。
疲労の見えた7回に3連打を浴びて1失点、8回にはモイセエフ選手の2ランホームラン、9回にも再び3安打で1失点し、合計4四球を与えたが、それでも最後まで投げきり、9回143球、9安打11奪三振4四球4失点で完投した。
この投球について、視察したプロ球団のスカウトから評価する声が出ている。
広島・白武スカウト部長:「面白いですね。夏にかけてさらに伸びていきそう。ストレートもまずまず良く、決め球もある。リストアップする価値のある投手だと思います」
北海道日本ハム・山田スカウト顧問:「山本由伸のような投げ方。これから体も出来上がってくれば、さらに楽しみな存在になる」
阪神・山本スカウト:「コントロールがいい。夏まで追いかけていきたい」
素質を感じさせ、まだ完成されていないような雰囲気があり、将来は良くなるという匂いを感じさせ、プロがドラフト4位くらいで指名しそうな投手だと思う。今年追い続ける投手の1人となる。



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