北海道の旭川北高校に、185cmの長身から144キロの速球を投げる楽しみな未完の大器がいる。菊地斗夢投手は春のブレイク、そしてチームを21年ぶりの夏の甲子園出場に導くことを目指している。
185cm右腕がプロ注目投手のOBのアドバイスで成長も
旭川北高校の菊地斗夢投手は、185cmという恵まれた身長を持つものの、体重は69キロとまだ細身であり、投手として伸びしろ十分の「未完の大器」だろう。中学時にも最速138キロを記録していたというが、私学からの誘いは1校だけであまり注目された存在ではなく、地元の公立高校に進学した。
入学時はスタミナが課題で、「10球投げたらスピードがガクッと落ちていた」と笹森敦監督が話すほどで、1年秋は三塁手として出場していた。しかし昨年冬は「例年の2倍走り込もう」と決意し、中3日で100球程度の投げ込みを繰り返すなど、徹底的な体力強化に取り組んだ。OBで今秋ドラフト候補の東京ガスの150キロ右腕・伊東佳希投手からも定期的にトレーニング方法やフォームに関する助言を受けており成長を遂げている。その成果もあり、「アベレージは140キロいかないくらいまで上がった。球速を持続できるようになった」と、球速の「持続力」が向上したことを実感している。
抜群の運動能力と異色の経歴、そしてプロへの思い
菊地斗夢投手は、野球以外でもその運動能力の高さを示してきた。幼少期からプレーしていたクロスカントリースキーではジュニア五輪大会で全国17位に入る実力を見せ、他にもタグラグビーなどで身体能力の高さを見せている。50メートル走は6秒0で走り、走り高跳びは180センチを記録するなど、抜群のバネを持っている。
最速144キロ右腕に成長した現在、菊地投手は「自信を持てるようになったらプロに挑戦したい思いもある。行けるところまで勝負していきたい」と話し、プロの世界も意識するようになった。
21年ぶり甲子園へ!エースとしての覚悟と夏の決意
旭川北高校は、過去2度の甲子園出場を誇る古豪であり、今季は21年ぶりの夏の甲子園出場を目指している。昨秋の地区予選では、旭川龍谷高校との試合で終盤に崩れて敗退するという悔しい経験をした。菊地斗夢投手は夏の大会への決意について、「悔いの残らないように、全部自分が抑えるつもりで投げる。甲子園で1勝したい」と力強く語った。
エースとしてチームを甲子園に導き、それによって全国に名前を轟かせる存在となるかもしれない。その前の春季大会で、185cm右腕に注目したい。
菊地斗夢投手 プロフィール
- 氏名: 菊地 斗夢(きくち とむ)
- 所属: 旭川北高校 3年
- 出身: 北海道当麻町
- 生年月日: 2008年(平20年)2月23日(17歳)
- 経歴: 当麻野球少年団(小学1年~)- 当麻中学校(軟式野球部)- 旭川北高等学校(1年春からベンチ入り、1年秋は三塁手)
- 投打: 右投左打
- 身長・体重: 185cm・69kg
- 最速: 144キロ
- 特徴: 最速144キロのストレートが武器の長身右腕。運動能力が高く、異色の経歴を持つ。冬場の練習でスタミナが向上し、球速の持続力が増した。春のブレイク、夏の甲子園出場を目指す。
- 好きなプロ野球選手: 奈良間大己(北海道日本ハム)

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