第107回全国高校野球選手権南北海道大会の札幌地区予選は、Dブロック代表決定戦が行われ、今春のセンバツに出場した東海大札幌が北星学園大付に3-4で敗れ、春夏連続の甲子園出場を逃した。エース左腕・矢吹太寛投手（3年）は5回自責点0と好投したが、守備の乱れや不運な天候にも泣き、チームは18年ぶりとなる3年連続の地区予選敗退。試合後、矢吹投手は涙を流しながらも、大学での成長を誓った。
エース矢吹、5回自責0の好投も
センバツでベスト16まで勝ち進んだ東海大札幌は、プロ注目のエース・矢吹太寛投手がおり、この夏の南北海道大会も優勝候補だった。この日の北星学園大付戦でも矢吹投手は、3回まで5奪三振無失点と上々の立ち上がりを見せると、打線も2回に山口聖夏主将（3年）のタイムリー三塁打で2点を先制し、試合の主導権を握ったかに見えた。
しかし4回、この回から雨が再び強くなる不運の中、2安打を許すと、味方の送球ミスなど2つの失策が絡んで一挙3失点し逆転を許した。6回からば143キロ右腕の高橋英汰投手が登板し、チームは6回にスクイズで同点に追いつく粘りを見せたが、9回2死一、三塁から暴投で決勝点を献上、3−4で敗れた。
矢吹投手は5回を投げ自責点0と試合を作ったが、悔しい結果となり、試合終了の瞬間、選手たちはグラウンドに泣き崩れた。東海大札幌の遠藤愛義監督は、雨について「お互い様。ちょっと思うのは、ちょうどうちが守っている時に雨が一番降っていて、対応が遅れてしまった」と話したものの、「勢いというか３年生のかける思い、北星さんの執念がすごく見えていた。それが上回って、うちが足りなかったと思う」と話した。
「このチームで出来ないのが悲しい」大学で頑張れるように
試合後、矢吹投手は涙を拭きながら「もう高校野球がこのチームで出来ないのが悲しい。この思いを忘れずに４年間やって、次のステージで頑張れるようにやっていきたい」と話し、つぎは大学に進学をして、再び頂点を目指すと話した。
球の勢い、フォームの躍動感など、今後、成長をしてゆけば、プロ野球でもやれそうな印象を受けた。これから大学でもかなりの期待の中でプレーすることになるが、まずは成長のための2年間を過ごし、大学3年時には150キロ左腕として、そして4年時にはドラフト1位候補として注目される投手になってほしい。
矢吹太寛投手 プロフィール
- 氏名：矢吹 太寛（やぶき たひろ）
- 所属：東海大学付属札幌高校（3年）
- ポジション：投手
- 投打：左投左打
- 主な特徴や実績：東海大札幌のエース左腕。2025年春のセンバツ甲子園に出場。夏の南北海道大会札幌地区予選代表決定戦では、先発し5回自責点0と好投するも、チームは敗退。卒業後は大学へ進学し、野球を続ける意向。
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