全国高校野球選手権大阪大会は大阪桐蔭が星翔に13-0で5回コールド勝ちし、4回戦に進んだ。この試合で、背番号14の2年生右腕・吉岡貫介投手が5回にリリーフ登板すると、1イニングを1安打無失点、3者連続三振に抑え、自己最速を2キロ更新する152キロを計測する衝撃的な夏のデビューを飾った。
11球オール直球で3者連続K!「全部直球でいく」
数々のプロ野球選手を輩出してきた大阪桐蔭に、また新たな怪物候補が現れた。吉岡貫介投手は5回、3番手としてマウンドに上がると、そのポテンシャルを遺憾なく発揮した。「1イニングだけ。全部直球でいく」。その言葉通り、投じた11球は全てストレート。先頭打者にレフト前ヒットを許したものの、そこからギアを上げ、後続を圧巻の3者連続空振り三振に仕留めた。
ネット裏のスカウトのスピードガンは、150キロ台を連発し、自己最速を2キロ更新する152キロを叩き出した。さらに驚くべきは、11球中ボール球はわずか1球という抜群の制球力。スピードとコントロールを兼ね備えた本格派右腕が、鮮烈な印象を残した。
日本ハム「これまでにないインパクト」ソフトバンク「スピン量多い」9球団スカウト驚愕
この日、エースの中野大虎投手らを視察するために集まっていたNPB9球団のスカウトも、2年生右腕の衝撃的なデビューに目を丸くした。
北海道日本ハム・荻田圭スカウト:「まだスカウト2年目だけど、これまでにないインパクトがあった」
福岡ソフトバンク・稲嶺誉スカウト:「空振りが取れているし、スピン量の多い直球なのだろうなということが見て分かる」
投球計測機器「ラプソード」では、直球の回転数がプロでも上位に位置する2600回転を誇り、西谷浩一監督も「球質が重い」と評価する。そのポテンシャルは計り知れない。
故障に泣いた無名時代、ついにベールを脱いだ才能
世代を代表するような逸材にもかかわらず、これまで公式戦での登板は昨秋の2イニングのみ。その理由は、度重なる故障にあった。高校入学直後に右肩痛、今春には右肘痛を発症するなど、苦しい時間を過ごしてきた。しかし、その潜在能力がついにベールを脱いだ。「高卒でプロに行きたいです」。力強く語る16歳が、来秋のドラフト戦線の主役に名乗りを上げる、衝撃の11球だった。
吉岡貫介投手 プロフィール
- 氏名:吉岡 貫介(よしおか かんすけ)
- 生年月日:2008年10月20日
- 出身地:大阪府大東市
- 経歴:ジュニアサンダース(小3) – 大東畷ボーイズ(中学) – 大阪桐蔭高校(2年)
- 投打:右投げ右打ち
- 身長・体重:174cm・75kg
- ポジション:投手
- 主な特徴や実績:最速152キロを誇る2年生右腕。2025年夏の大阪大会3回戦で公式戦初登板に近いながら、1回を3者連続三振、最速152キロを記録。日本ハム、ソフトバンクなど9球団のスカウトから高い評価を受ける。直球の回転数はプロトップクラスの2600回転を誇る。高卒でのプロ入りを目指す。大阪桐蔭では1年秋からベンチ入り。50メートル走6秒3。



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